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スキ50超えの記事

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#エッセイ

『鬱』な花嫁

深夜2時。川の音がゴーゴーと響き渡る真っ暗で開けた車道。 アクセルを一気に全開にして、このままブレーキを踏まなければ、 もしかしたら少しは楽になれるのかもしれない、そう思った。 *** 2019年の春。私は東京の外資系コンサル企業に勤めていた。 入社をして5年。振り返れば辛いこともあったけれど、それ以上に仕事にやりがいを感じている時期でもあった。 常により上へ、より高いところへ、一息もつくことなく走り続けている感じ。走り続けることは大変だけれど、日々自分が成長できている

自分の未来は小さな習慣で変えられる

お昼近くまで寝てしまって、かろうじてお昼ご飯は食べたものの、14時頃にまた眠ってしまって、気がついたらすっかり日が暮れている... 日常生活を送っているうえで、こんな経験を周期的に繰り返してしまうのは私だけなのだろうか。 そんな1日を過ごした夜、私は大きくて重い罪悪感に苛まられる。 なんて、生産性のない日を過ごしてしまったのだろうか こんなに寝てしまったら、夜はよく眠れないのではないか せっかくの休日を台無しにしてしまった 友人のSNSを覗くと、充実した日を過ごしたで

私色に咲けば良い

私はいわゆる「強め女性」に憧れを抱いていました。 いや、正確に言うと、今でも憧れています。 ピンヒールでオフィス街をお財布とともに颯爽と風を切って歩く女性。 タイトめで膝丈のスカートをすらっと着こなす女性。 休みの日は、黒い皮ジャンを肩にかけている女性。 芸能人でいうと、米倉涼子さんや菜々緒さんのような、 背の高くて美人できりっとしていて、気軽に男性が近寄り難いイメージがあって、姉後肌的存在で。 どうして「強め女性」にこんなにも憧れを抱いているのだろうかと考えることがあ

29歳のひとりごと—若くないって辛いかな

この歳になって、最近良く思い出す言葉がある。 新入社員2年目の頃だっただろうか、良く面倒を見てくれていた50歳くらいの男性の上司に言われた一言、 「女性は年齢を重ねるごとに市場価値が落ちていく。女性にとって若いって最強のカードだからね。だから、ただただ歳を取るだけではだめだよ。教養とか経験とか沢山身につけて中身のある女性にならないとね。」 飲みの席だったのだが、それでも今のご時世、もしかしたらモラハラ認定をされてしまう発言にあたるのかもしれない。 当時22,23歳だっ

適応障害になって気付けた小さな幸せ5選

みなさんにとって、〝日々の小さな幸せ〟とは何でしょうか。 よく、「幸せは身近にあるものだ」という言葉を耳にすることがありますが、まさしくその通りだと実感している今日この頃です。 私が適応障害を経験する前は、今よりも日常生活に幸せを見出すことができていなかったのです。日常ではなく、非日常の感動こそが「一番」の幸せだと、少し残念(?)な勘違いをしていたのです。 たとえば、どこか旅行に行くこと。 毎日毎日仕事やタスクに耐えて、やっと出かけられる非日常の世界。 これこそ至福で、

【質問】なんで旦那さんと結婚したの?

結婚式まで10日をきりました。 オミクロンの感染が拡大していますね。 皆様、ご体調は大丈夫でしょうか。 この状況下でもあり、無事に式を挙げることができるか分かりませんが、 「大丈夫かな?」と色々考えたところで意味がないので、なるがままにといいますか、流れに身を任せて、一番最適だと思う選択を取りたいなと思っています。 とはいっても、人生でとても思い出に残る1日だと思うので、 「オミクロンめ…」と不安になったりセンチメンタルになってしまっているのが正直なところ。 外出も怖

幸せとは真冬に浸かるお風呂のようだ

「幸せって何?」 そう子供に聞かれたら、 「冬の寒い時期にお風呂に入ると体がじわりと温まるでしょ?幸せってそういうことだよ。」 と答えたい。 *** 「幸せになりたい。」 「でも、幸せってなんなのだろう。」 そんなことをふとした瞬間に考えることがある。 「仕事を頑張って幸せになりたい。」 「結婚をして幸せになりたい。」 「夢を叶えて幸せになりたい。」 そう世の中の人はこうやって嘆くけれど、 そもそも幸せって何なのか。 自分が何になれたら幸せと呼べて、

19歳の私へ―10年後の私が今思うこと

10年前、19歳だった私は、海外へ自分探しの旅へ行くことにした。 バイトをして1年で100万円ちょっと貯め、親を説得し、大学を休学した。 今振り返ると、それはそれは大きな決断。 この決断は人生で唯一「自分の意志だけ」で遂行したものかもしれない。 中学受験も家族や周りが勧めてくれた学校を結局は選んだ。 部活も仲の良い友人が入るということだったので一緒に入った。 大学も推薦で運良く入学ができた。 就職も父の勧めてくれた会社へ入った。 結婚も夫がプロポーズをしてくれた。 なんと

私がシロみたいなんじゃなくて、シロが私みたいなのよ

「Etoileってシロみたい。」 最近夫が私に言った言葉だ。 シロは夫が実家で飼っている犬のこと。 白くてちっさくて目がまん丸で可愛いチワワ。 基本的には大人しくて、でもやんちゃで皆から愛されている。 彼がシロのもとに行くと、大抵シロは尻尾を振って目をキラキラさせて彼の手をペロペロと舐めてくる。 *** ことの発端は、夫が夫の妹のことを、「あいつは凄いな。」と呟いていたから。彼は彼の妹のことを非常に尊敬している。 たしかに、同性の私からしても、義理の妹は凄い。仕事も

家庭内遠距離恋愛って案外ロマンティックだったりする

夕食を終えてテレビを見ながらソファーで寛いでいると、夫からのLINE。 「今日の体調はどうでしたか?」 「今会社から帰っています。時間あったら22時頃に電話をしませんか?」 夫からの連絡は、最近なぜか敬語だ。 「お疲れ様ー!今日の体調は普通でした。」 「電話了解!」 私の返信はいつもこんな感じ。 22時近くになると、「ごめん、22時半でも良いですか?」と連絡があって、22時半頃に電話がかかってくるというのがお決まりのパターン。 私は今、病気療養中のため、1ヶ月近く実

私は素敵な女性になっていますか

20歳の時、彼に出会った。彼はバイク好きで革ジャンが好きでクロムハーツ愛好者だった。強面なのに涙もろくて、家族を大切にしていて、人間味のある人だった。 彼とは大学時代に出会った。東京に住んでいた私は、ひょんなことから大阪の大学に期間限定で通うこととなり、そこで出会ったのだ。 彼は大学のクラスでも目立っていた。身長が高く、人を笑わせることが得意で、クラスのムードメーカー的存在であった。東京出身で、あまり人との付き合いが得意でない私は、根っからの関西人で、声が大きくて、人との