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コロナコロナと弥生三月の札幌で。

 たいてい北海道は蚊帳の外になりがちなので、まさかこんなに話題の中心になるとは1月の頃は思いもしなかった。
 そのうち店頭からマスクが消え、道外の方と「ウポポイって何?」「知事若い人だね」とのやりとりをするようになった(ウポポイはこの春にオープンする民族共生象徴空間、国立のアイヌ民族博物館も開館)。
 ついに知事が緊急事態をアナウンスし、土日の外出をやめてほしいとお願いされる。ええ、シネマ歌舞伎のナウシカのしかも後編を見に行く予定なのにと、みなさんが抱える難題の中でもかなり小さな部類の難題を抱え、やがてあきらめた。だってね、札幌駅の映画館で罹患なんてことになって噂になったらって考えるとやっかいだ。土日はおとなしく近所の買い物くらいで引きこもっていた(根が真面目で臆病なのだ)。
 とはいえ、ナウシカ後編をあきらめるわけにはいかず、週明け平日の朝から閑散とした映画館へ。そもそも通勤のみなさんを見ると、自宅アトリエ自由業のワタシなど申し訳なくなる。みなさん、どうか乗り越えましょうとせっせと手を洗い、顔を洗い、高気密な北国の家屋を換気しまくるしかない。いやしかし、みごとに観光客がいない。少ないどころの話じゃない。タクシーの運転手さんが言っていた通り。この穏やかにも見える光景を覚えておこうと思った。
 さっそく映画館のトイレではいつもより入念に手洗い。他の方も長めに洗っているようだった。ドリンクを買っていると、「あれ、子どもだよね?」とこっそりとマスク姿の店員さんたちが囁いている。なんだ?いそいそチケットとアイスティー(たいてい紅茶が治してくれると思い込む信者です)を手に進むと、あれ、確かに子どもたちのグループが。5人くらいの男女か。大人っぽくしているけれど、どう見ても高学年かな。ワタシの脳内で「休みの平日、家にいなくていいものか」「いやいや、映画館空いてるし、映画も勉強のうち」「とはいえ親は知っているのだろうか」「とはいえこれも経験か」と、結論の出ない議論をしてしまう。
 ナウシカ歌舞伎は前編につづき、感動のツボだらけで、スクリーンの中の観客のみなさんがうらやましくもあり、いやよく昼夜通しでがんばりましたな、と声をかけたいくらいだった(ああ、クシャナよ、ナムリスよ。紅白シュワ合戦よ)。ちょうど仕事で粘菌について描いていることもあり、つい帰り道で「COVID-19、この子たちも仲間を増やそうとしているのね」とナウシカ的思考になるが、ヒト科として負けてはならぬ。
 まずは気兼ねなくトイレを利用できるよう、行きつけスーパーにデマで完売した「お尻セレブ」が1日も早く再入荷するよう願いたいところ。
 雪解けのころにはホッとできるといいのだけれど。

日常の対策と疑問について、
3/4現在、あさイチのこのまとめがわかりやすいです。http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/200302/1.html

追記:さきほど知ったのですが、上記でナウシカよろしく「この子」と呼んでしまったCOVID-19って、ウイルスの名前じゃなくて感染症のネーミングなんですか。そうだとしたらずっとウイルスの名だと思ってニュース見ていたわ。

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