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佐野エチケットのタイ生活:バンコクのライブエンタメ新時代の幕開け~進化するエムスフィア最前線:プロムポン駅から徒歩で行けるコンサート会場「UOB LIVE」がオープン。RADWIMPSバンコク公演~

私の勤めるエムスフィアの最上階に今年オープンしたコンサート会場『UOB LIVE』では、2月11日にエド・シーランのコンサートを皮切りに、世界的なイベントをタイに誘致し、タイを世界地図に載せることを目指している。これは、タイの観光産業にプラスの影響を与えることも目的の一つである。

そして先日の5月23日、この会場にて初の日本人アーティストによるコンサートが開催された。私はこの日、19時30分まで日本のラッパーK.I.Nさんたちが手がけるブランド『F.A.B』とのミーティングをしたあと、急いでエムスフィアへ向かった。コンサート会場まで徒歩で行けるという利便性を実感。

歩いて行けてとても便利
ライブはすでに始まってしまっている様子
会場の地図と予定表

UOB Liveは最大6,000人収容可能で、エムスフィアの最上階6階に位置している。コンサート、会議、展示会、トークショー、スポーツイベントなど、大規模なイベントに対応できる最先端技術を備えている。ロサンゼルスのCrypto.com Arena(旧ステープルズ・センター)と同じ運営会社が手がけていて、15メートルの高い天井構造により他のホールよりも高度なパフォーマンスが可能だ。また、6輪のトラックを6階まで運べるエレベーターや、20台のエレベーターで迅速かつ安全に人々を移動させることができる。UOB Liveは、私たちThe Mall Groupが運営するEM District、世界的な音楽祭Coachella等のイベントを手がける世界的エンターテイメント・スポーツ企業のAEG、そしてUOB銀行タイの協力によって実現した。

ライブはすでに始まっていたが、私はちょうど良いタイミングで会場に到着し、聞きたかった歌の始まりから楽しむことができた。

国内外で絶大な人気を誇る日本のロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の世界ツアー「The way you yawn, and the outcry of Peace」のタイ公演は満席での大成功を収めた。RADWIMPSにとってタイでのライブは2017年の「2017 Asia Tour Live in Bangkok」から始まり、昨年もAsian Tour 2023でユニオンホールでのライブを成功させており、タイにもファンクラブがある。

私はタイでの最初のライブにも足を運んだが、当時はラチャダーのムーンスタジオで行われ、映画『君の名は。』でRADWIMPSを知ったタイ人ファンで会場は溢れかえっていた。それ以来『天気の子』や『すずめの戸締まり』など続けて作品が生み出され、両作品ともタイで劇場公開されると共にバンドのファンは増え続けた。今回のタイ公演で、彼らRADWIMPSはそのファンの期待に見事に応えた。RADWIMPSは音楽の才能だけでなく、タイのファンたちとの交流の才能も持っているように見えた。

バンドの歴史は、2001年に横浜市の高校生だった野田洋次郎さん(Vo&G)と桑原彰さん(G)の運命的な出会いから始まった。音楽に対する情熱を共有したお二人はRADWIMPSを結成。後に武田祐介さん(B)と山口智史さん(Dr)が加入し、現在の形になった。同じ横浜出身であることが誇らしいし、こういうバンドの結成ストーリーもまるで映画のように感じてしまう。遠いタイまで良くいらっしゃいました、と思ったらRADWIMPSの音楽と人気は世界に届き、世界の反対側までツアーで行かれているそうだ。

バンコク公演当日、会場には老若男女問わず大勢のファンが詰めかけた。私の予想に反して観客の8割近くがタイ人で、30〜40代が中心だった。チケットの価格は2,800バーツからで、約1万1000円。平日にも関わらず満員だった。

ライブでは、「ライツゴーアウト」「前前前世」「ダルマグランプリ」など、過去の人気曲から最新アルバムまで、バランスの良い楽曲構成で披露された。彼らは楽しい雰囲気でお客さんとコミュニケーションを取りながら、キャッチーなメロディーに乗せた力強い演奏と、心を揺さぶる歌詞で観客を魅了した。爽やかな歌声と言葉の数々、そしてRADWIMPSならではのギターサウンドが織りなすバンドの音は、まるで青春時代の記憶を呼び覚ますかのようだ。

MCでは、野田さんのネイティブ並みの英語力が印象的。しかしそれ以上にギターの桑原さんとベースの武田さんのタイ語での挨拶がインパクトがあった。気になって過去のライブ動画を見たけど、ひょうきんな方達なんですね。バンドのタイ公演への思いとファンへの感謝が伝わり、会場は最高に温かな雰囲気。

アンコールでは、「なんでもないや」と「サマーデイズ」の大合唱が沸き起こり、一体感に包まれた。メンバー4人は深々と一礼し、満面の笑みでステージをあとにした。これもラチャダーで見た時と同じ光景だと思い出した。つまりこのバンドのみなさんは、ずっと同じスタンスで続けてきて、今も旅の途中にいるんだなと。タイ人の心を最高に掴んでいる日本のアーティストだなと感じました。とても勉強させて頂きました。素敵な音楽と時間をありがとうございました。

セットリスト

1. ライツゴーアウト
2. 前前前世 - 『君の名は。』の主題歌
3. ダルマ・グランプリ
4. セプテンバーさん
5. 七日
6. 愛にできることはまだあるかい - 『天気の子』の主題歌
7. すずめ(with Toaka)- 『すずめの戸締まり』の主題歌
8. ダダ(DADA)
9. 刹那連鎖
10. おしゃかしゃま
11. かたわれ時
12. スパークル - 『君の名は。』の挿入歌
13. 夢灯籠
14. ネバーエバーエンダー
15. いいんですか?
16. 君と羊と青

アンコール:
17. なんでもないや - 『君の名は。』の主題歌
18. 05410-ん
19. サマーデイズ

このRADWIMPSライブの次は、6月13日にPerfumeのバンコク初公演を控えている。まだチケットも買えるのかな?気になる方は是非チェックしてみてください。会場までのアクセスの良さ、帰りの道はとても快適。

エムスフィア新情報


6月14日には、エムスフィアの5階に屋上エンターテイメント階『EM WOMDER (エムワンダー)』がオープンします。既にオープン済みのTRIBEをはじめ、カラオケルームを夜遅くまで営業する人気居酒屋しゃかりき432さんの新店『スーパーシャカリキしみず』(どんなお店なのか気になりますね!)や、サントリーハイボールさんの新店もオープン予定で、ここに旅行者が安心して遊べるエンターテイメントエリアが完成する予定です。

私自身も、その辺りで自分のタイ生活20周年を記念する仕事を一つ始められたらいいなと計画しており、今は黙々と準備中です。次はローリングラウド日本一時帰国の日記を終わらせたいと思っています。

それではまたお会いしましょう。お読みいただきありがとうございました。

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