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採算が取りにくい、市場が小さい…それでも挑戦したい起業家たちを応援し続けて20年。「社会起業塾イニシアティブ」の歩み

ETIC. Letter 2022年6月22日号より転載

初夏の風を感じるこの頃、みなさんどうお過ごしでしょうか?
インターンシップ事業に始まり、社会の変化に沿って多様な「個人の挑戦」を応援している私たちですが、現存する一番長く続くプログラムは、今年20周年を迎える『社会起業塾イニシアティブ』です。今日は、ETIC.の社会起業家支援の取り組みについて、近況をお話したいと思います。

2002年当時、ITバブルが崩壊し、改めて『何のために起業するのか?』を先輩経営者のみなさんと話す中で、自分たちは『目の前の人たちを救うために、採算が取れるか分からなくても、社会の仕組みを変えたい』という強い想いをもつ起業家の、険しい挑戦を応援したい、応援できるようになりたいと思いました。NECさんから声をかけていただき、それを手探りでプログラム化していったのが、『社会起業塾イニシアティブ』です。
2007年に経産省が「ソーシャルビジネス」を定義し、その後も、社会起業家という言葉が一般社会でも、大学や中高の授業でも広く扱われるようになっていきました。

よく「起業塾では、なにを教えていますか?」という質問を受けます。答えるとしたら、「なにも教えていない」というのが答えかもしれません。社会課題は、市場が小さく、解決することで儲けにくい場合がほとんどです。事業性の面で、厳しい環境・前提の中で、どう事業として、社会の仕組みを変えていけるかという難問に対して、統一的な答えはありません。しかし、「近しい環境の中で、イノベーションを起こしてきた先輩がいる」というのが一番の手がかりになると思っています。その知見やノウハウを活かしながら、今の社会情勢の中で必要な打ち手を、先輩たちと議論しながら実践し、何度も仮説検証を繰り返していく。それが、より課題解決に寄与できる仕組みを生み出す近道だと思っています。

社会起業塾イニシアティブでは、それを20年間続けていく中で、NPO法人フローレンス株式会社坂ノ途中ライフイズテック株式会社NPO法人クロスフィールズなど、頼もしい先輩方がたくさん生まれ、彼らのトライ&エラーの足跡が、後輩たちの活躍に脈々と活かされています。

また、近年では、社会起業塾OBOGと共に、特定の社会課題領域に取り組む後輩団体を育成していくような動きも生まれつつあります。NPO法人かものはしプロジェクトと共に、子どもの未来に向けた地域づくりを、コレクティブ・インパクト(協働)で実現しようと挑戦する団体を支援する取り組み「子どもの未来のための協働促進助成事業」や、NPO法人カタリバと共に、10代のための場づくりに携わりたい人や団体を応援するインキュベーションプログラム「ユースセンター起業塾」などです。

長年生み出していきたいと思い描いていた「エコシステム(生態系)」が、このプログラムが核となり、まさにカタチになりつつあります。今後も更にそれが醸成されることで、次の挑戦者たちがよりチャレンジしやすい土壌が育まれていくことを願っています。

>>2022年「社会起業塾イニシアティブ」エントリー募集中

【関連情報】

・≪DRIVEメディア特設サイト≫
社会起業塾特集ー社会起業のポイントやOBOGインタービューの掲載ー

・≪DRIVEメディア記事≫ 
地方で10代の居場所づくりに取り組む!カタリバ×ETIC.が「ユースセンター起業塾」を始動


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※この記事はNPO法人ETIC.が発行するニュースレター「ETIC. Letter」からの転載です。
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