足し算より引き算をしよう
どうもみなさん、こんにちは。大学二留です。間違えました、えせるです。
僕ってば、普段ちゃらんぽらんしているくクセに、深夜になったりお酒が入ると、ついつい意識の高い発言をしてしまうんですね。あまりにも普段のキャラと違いすぎてフォロワーを困惑させてしまうことが多いので、今日はからは、できれば意識高い発言はこっちにまとめられたら良いかなって思います。
正直、僕は人様に何かを説けるような大層な人間じゃないです。二留してるし。でも、僕なりに勉強してきたこととか、「やって正解だった」という経験も、人並みにはあります。そういうことを、少しでも共有できればと思う次第です。
さて、表題にある通り、今回のテーマは「引き算」です。もちろん、算数のことじゃないですよ。創作において、の話です。
創作をやってると、ついつい「足し算」で物事を考えてしまいがちです。新しいモノを取り入れることは、もちろん大事です。じゃないと、現状から変わらないですからね。でも、それと同じか、僕はそれ以上に大事だと思うのが「引き算」なんです。
一旦、料理に例えてみます。カレーでも何でもいいですが、何か食べたいものを一生懸命作っている。けど、何かが足りない。味がパッとしない。もっと美味しくしたい。そう思うとします。
となると、ひとまずはレシピを確認してみますよね。見てみると、あるレシピではバターを入れている事に気づきます。なるほど、コクを出すにはバターを入れるのか!そう思って自分のカレーにバターを入れます。
またある時には、近所のインドカレー屋さんの味を思い出すかもしれませんね。そういえば、店員さん(ネパール人)が「隠し味にはココナツミルクがおすすめネ」って言ってたな。そう思ってココナツミルクを入れます。
料理だとわかりやすいですね。皆さんもうお気づきだと思います。出来上がったカレーは、本当に美味しいでしょうか?きっと、余計に味がごちゃっとして、喧嘩しちゃってるような、コッテリした何かが出来ちゃいますね。
話を創作に戻して、例えば自分の描いた絵を見て、「なにか物足りない」「下手に見える」「もっと良くしたい」って思うとします。となると、まずはとりあえず、上手い人の絵を参考にしてみますよね。もしくは、技法書とかネット講座を見てみるとか。で、それを自分の作品に落とし込んでみる。新しい技術を正しく運用できれば、クオリティも実直に高まるでしょう。間違いないことですが、その成功体験が時に首を絞めることがあります。
「足し算」の成功体験に囚われていると、忘れてしまうものがあります。「自分の表現したいモノ」です。
創作をする理由はたくさんあると思います。イラストだったら、〇〇ちゃんを可愛く描きたい、とか。小説だったら、作家の〇〇さんみたいな刺激的な短編を描きたい、とか。音楽なら、誰かを幸せにするような歌を届けたい、とか。何かしら「表現したいモノ」、あると思います。
そうしたものが、「足し算」で得た技巧の数々にかき消されて、ぼやけて見えなくなってしまうことがあります。先のカレーの例えで、バターやココナツミルクにかき消されてしまったのは、じゃがいもの甘みだったのです。
だから時に、僕らは「引き算」をする勇気を持たなくてはいけないんです。
とりあえずバターとココナツミルクを入れるのをやめて、じゃがいもを中国産から、北海道産の少しお高いモノに取り替えてみる。とにかく他を削ぎ落として、じゃがいもを主役にしてみる。その後で、「バターのコクは割と正解だったかも」と省みて、やっぱりバターを入れてみても良いかもしれません。
イラストなら、まずはグロー効果やレイヤー効果に頼るのを一旦やめて、通常レイヤーだけで塗ってみる。小説なら、叙述トリックや伏線を無理に盛り込むのを諦めて、まっすぐ一本のプロットを組んでみる。音楽なら、エフェクトや凝ったコードを置いて、基本通りの曲を作ってみる。
用いる技巧や手順を一旦単純化してみて、その上で「自分の表現したいモノ」に専念する。やってみると、意外とすんなりできます。その後に、今まで行ってきた「足し算」を取捨選択して、もう一度取り込んでみる。
足し算して、引き算して、また足し算。この繰り返しのことを、世の中では「洗練」と言うんじゃないかな、って思います。で、「洗練された自分の表現したいモノ」の事を、「作風」って言ったり「強み」って言ったりするんじゃないでしょうか。
「引き算」は、ある意味僕の宗教というか、理念というか。でも、間違ってはないと思います。今流行りの「フラットデザイン」だって、立体感や造形を排除して、情報を媒介するアイコンとしての機能を洗練させた形なわけですし。
コレを読んでいる皆さんも、いかがでしょうか、引き算教。きっと、じゃがいもの甘みが口いっぱいに広がる、やさしいカレーが作れるようになりますよ。
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