好感度の理由~三浦春馬の承認力
これまでファンと言える方はミュージシャンばかりで、春馬はお気に入りではあったけど、作品や楽曲を観る程度でした。というのも、TVは決まった番組やドラマしか見ないのです。
だから、昨年まで知りませんでした。番宣や舞台挨拶などで語られる共演者に対して、気遣いやコミュニケーションの取り方がこんなにも素敵な方だったとは…!
私、コーチングをちょっと齧ってまして、仕事の中でも使ったりするのです。だから、コミュニケーションスキルは少し分かるのですが、春馬のセンスやレベルってトレーニングを積んだ講師やトレーナー、コンサルタント、リーダーシップを発揮できているリーダー格の人、といってもよいかなと思うぐらいで、とてもとても30歳になったばかりの男子とは考え難いです。
また、仕事ができる=コミュニケーション能力が高いとは限らないし、芸能界という特殊な世界でこういう人がいたんだということにも驚きと感動をおぼえました。あと10年経ったら、どんな人になっていたのでしょうね…。
そんな春馬のコミュニケーションスキルの中で、最たるものが『承認力』ではないかと感じています。承認を言動でも行動でも伝えられるが故に、誰ひとりとして一緒に仕事をした方は春馬のことを悪く言わないし、彼とまた一緒に仕事がしたいと思うし、爽やかな好印象を残しているのでしょう。
承認とは
信頼を築き、親密さを創り出す、そんなコミュニケーション。
簡単に言いますと、相手の方へ『私はあなたのことを認めていますよ』というメッセージを伝えることです。決して『褒める』という上から目線のものではなく、フラットな立場でその相手の方をよく見ていて行動や存在を認めていることです。
『褒める』の場合、相手に良いところが無いと伝えられなかったり、褒めること自体が相手をコントロールしたいという気持ちが入っていることも多く“自分のため”に行うものだったりします。しかしながら『承認する』ことは基本的に“相手のため”に行うものになるので、目的そのものが違ったするのですね。まさに、物事を俯瞰でき敬慕の念で人に接してきた春馬らしい伝え方だなと思います。
また、相手を信じるということは、たとえその人が自分を信じることができなくても、その人を成長に役立つものとなるのです。
すなわち、春馬が相手を承認するコミュニケーションをとることは、相手と信頼関係が良くなるだけなく、お互いに作品をさらにより良きものにするためのエネルギーやモチベーションにもなっていたのではないかと考えられます。結果、これまでの作品はどれを見返しても素晴らしいものばかりだし、まだ若いのに監督や共演者の方々のコメントからこんなにも人間的な魅力や素晴らしさを伝えられる役者もそういないでしょう。
では、『承認』というのはどのような種類があるのか?を簡単ですがご紹介いたしますね。
3つの承認メッセージ
●YOUメッセージ
YOU=「あなた」が主語になるメッセージです。
『あなたはいつも、笑顔で挨拶していますね。』
このように相手の行動を事実ベースで伝えたり、相手のよいところを伝えたりするものです。
●Iメッセージ
I=「わたし」が主語になるメッセージ。
『あなたがいつも笑顔で挨拶してくれるので、私も明るい気持ちになります。』
相手の言動や行動、あり方から“私”がどう感じたかを伝えるものです。
意見を伝えると内容によっては承認にならないこともあります。プラスの影響をどう感じたか?ということが承認のメッセージになります。
●WEメッセージ
WE=「わたしたち」が主語になるメッセージ。
『あなたがいつも笑顔で挨拶してくれるので、現場がとても明るい雰囲気になります。』
相手の行動や言動が、集団にどう影響を与えたかを伝えるメッセージです。
では、実際に春馬がどのように承認を伝えているのか?を事例でご紹介いたしますね。
これが春馬の承認力
ダイイングアイの共演者、松本まりかさん。
とても印象的だったとおっしゃる承認の言葉のエピソードをお話しています。
はじめにメイク室でお会いしたときに、春馬くんがひと言「ありがとね!」と言ってくれたんです。来てくれて、参加してくれてありがとうって、この作品に。わたしそれを聞いたときに感激をしてしまって…。「ありがとう」って、「よろしくね」ではなく「ありがとう」って言ってくれたのが、何て素敵な人なんだろうなって…。
これは、かなり高度な『Iメッセージ』だと思います。
“あなたがこの作品に参加してくれて、僕はとても感謝しています。ありがとう”という承認メッセージ。
松本さんがおっしゃるように、普通は『僕も参加しますのでよろしくお願いします。』と自分のことを伝える方がほとんどだと思います。それを自分のことではなく、相手の行動に感謝のメッセージを伝える。相手視点で会話ができるその優しさがすごいなと思うのです。また、この話しを聞いているときの春馬の様子が照れ隠しなのか子供のようでカワイイですよね(笑)
罪と罰 大島優子さんへの印象コメント、稽古中での有名なエピソード。
(春馬が大島さんのことを器用な方と認識していたと話したあとに)稽古ちょうど中盤あたりですかね。演出家の求めること、役を構築するにあたってのメソッドを試してみる最中に、なかなかこう上手くできない瞬間があったんです。で、彼女はそこで感極まってしまったときがあって、その時僕ももちろんそうなんですけど、皆さん思ったことがあってきっと、『こんなに真っ直ぐに向き合う方なんだ。』っていう風に思ったんです。悔しかったら感極まるし、だから彼女のこの悔しいって思いだったりとか、そのやる気に、なんかこうカンパニー全体がその時すごくこう前を向いて、彼女も頑張っているんだから、僕たちも頑張らなきゃいけない!っていう風に思わせてくれたんですね。だから、何かこうホントに素敵な方だなと思いました。
20代でこんな承認の言葉を伝えられる方は、そうそういないのでは?と初めてこのインタビューを観たときに感動してしまいました。
大島さんも途中から目がうるうるしていますよね。そわそわしちゃっていますしね。
これはカンパニー単位でのWEメッセージ。その向き合う姿にみんなが力をもらったという仲間としては最大の承認かなと思います。最後に真面目に『ホントにそうだから』と念押ししてるのが、春馬らしいです(^^)
そして、太陽の子で共演した有村架純さんのインタビュー。
「春馬さんが笑ったら、本当にみんなが笑顔になる。それくらい笑顔が輝いていた。ご自分で心から『いい』と思ったことは、必ず伝えてくれるんです。さっき(インタビューで語った3人)のシーンを撮り終わった日も、わざわざ連絡をくださって。あのシーンは刺激をもらった、学ばせてもらったって。そうやって人の背中を押すようなひと言を必ずかけられる方だったし、本当に真っすぐな方という印象です」
これも、Iメッセージですね。
”あのシーンで僕は刺激をもらった。学ばせてもらった。”と、あのシーン良かったよという評価ではなく、僕はこう感じたというのが素敵なところ。
本当に優しくて素敵な人ですよね。確か天外者での葵さんも同じことをおっしゃっていたと思います。
まとめ
作品の裏側の私たちには見えないところで、こうして共演者やスタッフとの絆を大切に育んでいく人だったんだなと思います。
NightDiverのドキュメンタリーもそう。
撮影が終わってスタジオを出るときに、何人ものスタッフに「お疲れさまでした」と頭下げてますよね。こういう挨拶も相手への存在承認です。周囲の人すべてに挨拶している芸能人っているの??と驚きました。数は少ないですがTV撮影現場を体験した際に、こんな芸能人さんはいなかったです…。
押しつけでもなく、上から目線でもなく、相手がそのメッセージを受け取りりやすいと感じるコミュニケーション~その承認力を磨くには、実は伝える側の意識がとても大切なのです。
①相手も周囲も、よく観察していること。
②自分自身のメンタルがニュートラルであること。
③人に対して、敬意と感謝をベースに持っていること。
春馬はもともと、感じたことは伝えたいタイプ。ネイティブだったとは思いますが、その人に対する丁寧さには、ホント頭が下がります。それと共に、彼がこのようなコミュニケーションを大切にしていた源が生い立ちや成長してきた環境から少し分かる気がします。
今ではたくさんの方々が春馬への承認メッセージを送っていることでしょう。それを春馬だけでなく、自分の半径2メートルぐらいの人には、春馬から学んだ承認を伝えたら、もっと社会が暖かいものになるんじゃないかなと思います。
しかも自分が伝えることで、実は最終的に自分に戻ってくるものだと私は実感していますので、お薦めです♪
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