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PDCAは使えない

PDCAサイクルは現代では使えないと考えます。

なぜPDCAサイクルは使えないと思ったのか?
それは現代の仕事とPlan(計画)の相性が著しく悪いからだと考えます。

この記事では、私がなぜそう思うに至ったのかを説明します。

PDCAサイクルとは


PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、生産技術における品質管理などの継続的改善手法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する
https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB

この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。この手順に従う活動は本来的に、統計的品質管理(クオリティ・コントロール、QC)として工場でのQCサークル運動のツールであったが、多くのビジネス関係者がより広い経営活動一般に適用しようとしたため、PDCAの欠点や問題点が指摘されるに至っていた。https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB

私の疑問

* `Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)`の過程において、何を考えるべきなのか解釈の幅が広すぎる。
    * PDCAの過程において、それぞれのプロセス間の結びつきをどう考えるのか
* QCサークル運動のツールとなるのはなぜなのか
    * どうやってQCにつなげることができるのか

これを知るためにはPDCAが出てきた背景や歴史、具体的事例を見ないことにはわかりません

PDCAの歴史

1951年に日本科学技術連盟(日科技連)でデミングの講演を聞いた名前が特定されていない日本人の幹部が、PDCAサイクル(Plan, Do, Check, Action Cycle) (ActではなくAction)を作ったと言われています。http://iandco.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/pdca%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2/

つまりPDCAサイクルの元ネタはデミングの講演ということになります。

デミングの講演

1950年にシュワートの弟子の統計学者エドワーズ デミング William Edwards Deming が日本の日本科学技術連盟で統計的品質統制 SQC, Statiscal Quality Control の講演を行いました。
その際にシュワートサイクルを変更して「設計 Design →生産 Produce →販売 Sell →再設計 Redesign 」のサイクルを説明しました。これをデミング サークル Deming Circle と言う人もいます。
http://iandco.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/pdca%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2/

デミング サークルの主題は設計に着目して、再設計していくことによってQCにつなげていくということがわかります。

デミングサークルとPDCAの違い

デミングサークルとPDCAは根本的に違うということがわかります。

デミングサークルが設計を主軸に置いているのに対して、PDCAは計画を主軸に置いているからです。
もちろんPDCAで改善につながるのはCheck(評価)→ Act(改善)の部分です。
しかし、なにをCheck(評価)して、なにをAct(改善)するのかはどこにも記述がない。なにをCheck(評価)するかはPlan(計画)で検討しておく必要があることから、Plan(計画)に主軸があると考えらます。

PDSAサイクル

デミングは没年の1993年に再度シュワートサークルを修正し「学習と改善のためのPDSAサイクル(Plan(計画)、Do(実行)、Study(調査)、Act(改善) Cycle)」と呼びました。製品あるいはプロセスの改善と学習のためのフロー図 Flow Diagram だと述べました。チェックではなく調査であること、対象が製品あるいはプロセスの改善であることを訴えたのです。
http://iandco.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/pdca%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2/

PDCAサイクルのCをStudy(調査)に変えたPDSAサイクルを、後年デミングは主張しています。

PDCAサイクルとPDSAサイクルの違い

さて、PDCAとPDSAは同じものなのでしょうか?それとも違うものなのでしょうか?

PDCAが出てきた背景が不明なため、真相はわかりませんが、私は違うと考えます。
なぜならば、PDCAは計画を守るということを主軸に置いています。
それに対してPDSAはStudy(調査)を主軸に置いていると考えられるからです。

PDCAのCheck(評価)とはなんなのか?

Check(評価)の解釈は人によって、かなり解釈の幅があります。

私は、製品の品質チェックポイントと解釈し、PDCAとPDSAを別のものと認識するようにしました。

私は、おそらくこのCheck(評価)の解釈の幅が混乱の元になっていると考えます。

PDCAは使えるか?

私達の普段の仕事において、ちゃんとPlan(計画)することができるでしょうか?
また、Check(評価)を正しく決めることはできるでしょうか?

この変化が激しい現代において、ちゃんとPlan(計画)することはとても難易度が高いことです。
そしてCheck(評価)を正しく決めることも難しくなっています。

PDCAが提唱された時代から時が経ち、使えなくなっていると感じています。

現代に適したフレームワーク

私はデミングが提唱したPDSAサイクルや、意思決定と行動に関する理論であるOODAループが有効であると感じています。

激しい現代において、時代にあったフレームワークを活用していきたいですね。

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