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新語・流行語大賞ノミネート作ぶった切り Part1

毎年恒例の「2023 ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語が30個、発表されました。毎度のことながら、選出者の政治的意図、感性の鈍さなどを感じますが、全ワードについて知らないものも多いので調べつつ、個人的な感想を述べたいと思います。

1. I'm wearing pants!

概要:これはお笑い芸人のとにかく明るい安村さんが、ブリテンズ・ゴット・タレントにて自身の持ちネタ「安心してください、履いてますよ」を英語にして披露した時のワードです。なお、通常の日本語での「安心してください、履いてますよ」は2015年に流行語大賞のTOP10入りを果たしていました。

感想:お笑い好きの自分としては今回の候補作のなかで1番心地よい候補作に感じます。
アームストロングというコンビで「爆笑レッドカーペット」という番組にも出演し、既に人気だったところから解散し、「安心してください、履いてますよ」のネタで2回爆発できるのは彼の才能なのだろうと思います。芸歴を近くする中堅芸人たちの勢いにも繋がり「THE SECOND」が盛り上がった1つの要因になったかなと思います。

2. 憧れるのをやめましょう

概要:WBC決勝戦で大谷翔平選手が対戦相手のアメリカ代表のことを指し、試合前の円陣で言ったセリフ。

感想:好き。
使われたタイミングも勝利したということも含めて好きな言葉だ。
ただ「新語・流行語」か?と聞かれると微妙だが、「2023年グッときた名ゼリフ大賞」とかだったら間違いなく大賞だろうという感じ。
あーでも、おじさん連中とかは変なタイミングで「まーでもね、憧れるのをやめましょう!」とか言ってたんかなぁ?

3. 新しい学校のリーダーズ/首振りダンス

概要:「新しい学校のリーダーズ」という音楽グループの『オトナブルー』という曲のダンスが「首振りダンス」として人気になった。

感想:ファンの人は「今年か?」と思ってるらしい。
ファンじゃない自分としてはメディア露出が増えたのは今年だろうからキレるなよと思ってる。
古い感じの歌詞と古い感じの曲調、でメンバーも下手では全く無いが派手では無い歌唱力と表現力の「新しい学校のリーダーズ」というグループが、「懐かしい!」でおじさんおばさんが好み、若い人は1周まわってきたセンスで「新しい!」と感じるのはプロデュース力の妙味を感じる、不思議なムーブメントだと思った。
グループ全体の才能は凄いのに、CMとかでイロモノとして使われてるの勿体ないなと思ってちょっと不快。

4. 新しい戦前

概要:ロシアによるウクライナ侵攻や中国の台湾統一に意欲を見せていることなどにより日本も防衛力強化を迫られている現状を指した言葉。タモリの発言が火をつけたという認識らしい。

感想:新しい戦前という言葉自体は数年前から使われてた。集団的自衛権の時なんかも言われてたような気がする。積極的にこの言葉を使う人は日本の防衛力強化のみを指して言っているので、世界に対する解像度が低いなと感じる。日本が悪者として中国を攻めるシナリオのみを描いているのも、なんだか不思議に思う。
ウクライナだけならば去年の言葉なのかもしれないが、ずっと燻ってたパレスチナとイスラエルの問題がここ数ヶ月で爆発して、ノミネートしたのだろうという感じ。パレスチナを迫害してイスラエルにしたり、日本をアメリカが復興させ、同盟国にし、対中ロの盾としたというような第二次世界大戦の伏線回収的な意味も含め、「新しい戦前」なのだろうと思う。


5. アレ(A.R.E.)

概要:阪神の岡田監督がリーグ優勝のことを直接言わず「アレ」と表現し、実際に優勝を遂げたことも相まってリーグ優勝を指さずとも「That」の意味合いなのに粒立てて「アレ」と使う人が見られるようになった。

感想:知らない内に会話や文章での頻出単語が流行り言葉のように使われるようになったので、「あれ」を「アレ」として使ってるやつに思われないか不安になっている時期があった。
単語について調べたサイトでは阪神の「Vやねん!」がある種のトラウマになっていた結果、優勝言葉に出さなかったのではという解説があり、なんというか、長年ネットミームとして弱小チームの阪神を「Vやねん!」や「33-4」で遊んでいたが、ちゃんと球団としてダメージを受けてたんだなと思うと胸が痛む。


6. 頂き女子

概要:パパ活と呼称される売春のマニュアルを販売してた女性が自称してた名前。

感想:犯罪行為を嬉々としてノミネートするのはやくみつるを始めとした人間の品性下劣さを感じる。そもそも3流週刊誌が前のめりに食いついてただけで流行ってないよね。

7. X

概要:Twitterの社長イーロン・マスクが突如名称を「X」に変更したことでノミネートしたと考えられる。

感想:自分も使ってるサービスだが、未だにTwitterと言ってしまうので、話題性は抜群だが「流行語」にはなれていない悲しい単語のようにも感じる。


8. エッフェル姉さん

概要:松川るい参議院議員をはじめとした自民党女性局のフランス研修にて、エッフェル塔で記念撮影をしたことが税金の無駄使いではないかと問題視された件に付随して発生した造語。

感想:「エッフェル姉さん」って誰も言ってないよね。当時はもっと悪辣な誹謗中傷が多かったのでエッフェル姉さんなんてのは可愛らしいレベルに感じる。
これは邪推だが、立憲民主党との繋がりが指摘されている新語・流行語大賞の選考委員としては岸田総理を揶揄した「増税メガネ」をノミネートさせたかったのだが、細かく言うと増税してないし、人間の身体的特徴を悪口として使用するなど浅慮な差別的な思想が見られ、苦肉の策で自民党の政治的問題として話題性もありキャッチーだったエッフェル塔観光問題からどうにか「流行語」を「創作」したのだろうと思っている


9. NGリスト/ジャニーズ問題

概要:ジャニー喜多川による性加害問題の謝罪会見において、悪辣な記者をリスト化したNGリストを会見の運営を任された会社が作成していたという問題。
感想:ジャニーズ問題も合わせてノミネートしているのに性加害は別に置いてるのちょっとキモイっすね。厄介害悪記者として1部で有名な望月記者や、殺人犯を度々擁護する姿勢の記事を書いた鈴木エイト氏などが選ばれていたと言うが、そもそも芸能ニュースに専門外のお2人が出張ってきている点からして少し変な匂いもする。


10. オーバーツーリズム

概要:観光地の都市や自然環境が観光客の増加によって悪い影響を受けること、観光客側も、渋滞や混雑によって旅行の満足度を下げる要因にもなっていること全体を指した言葉。詳しくは以下。

感想:コロナからの揺り戻しで余計悪い影響を感じてしまうのだろうなと思う。京都に代表されるような常に観光客で溢れてるような地域で生活している人はどういう状況なのか想像してしまうが、現実味がなく全く想像できない。通学や出勤に苦労するだろうし日々の買い物にも苦労しそうに思える。

30語って多いですね。
今回は以上。
残りのノミネート作は以下。
・推しの子/アイドル
・OSO18/アーバンベア
・蛙化現象
・5類
・10円パン
・スエコザサ
・性加害
・生成AI
・地球沸騰化
・チャットGPT
・電動キックボード
・2024年問題/ライドシェア
・ひき肉です/ちょんまげ小僧
・藤井八冠
・ペッパーミル・パフォーマンス/ラーズ・ヌートバー
・別班/VIVANT
・観る将
・闇バイト
・4年ぶり/声出し応援
・Y2K


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