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警戒心が薄くて宗教勧誘に着いていった話

 皆様は信じている宗教とかありますか?私は基本的に実家の墓以外の宗教とは触れ合ってきていないんですけど、お寺とか神社に書いてある教えとか歴史や伝説とかは好きなんですよね。今回は先日遭遇した(首を突っ込んでしまった?)宗教勧誘のお話を書いていきたいと思います。

① 秋葉原でのファーストコンタクト

 1月26日(日)に私は秋葉原にいました。私の好きな声優アイドルグループ「22/7」のポップアップストアが秋葉原ゲーマーズで展開されていたからです。そこで限定グッズ等を買い、飾ってあるサインを写真に収めて満足のいくまで気持ち悪いオタクをやっていても大体30分程度しか滞在していませんでした。家から電車で30分足らずで到着するとはいえ、秋葉原まで来て30分で帰るのもつまらないということで、周辺の店を物色し始めました。ラジオ会館でフィギュアの展示を見たり、買えていなかったアニメグッズを買ったり。

 ところで皆様は「遊戯王」という日本ではプレイ人口トップクラスのカードゲームを御存じでしょうか?週刊少年ジャンプで連載されていた漫画を原作に持つ老若男に支持されているカードゲームです。これが宗教勧誘と関わってくるのです。

カードゲームをやらない人間にとってはなんのこっちゃわからないと思いますが、通常ランダム封入5枚150円程度で買えるカードを1枚ごと平均数百円単位で販売しているお店があります。業態としては古物商ですが、「カードショップ」として全国各地に存在しているお店です。私は小学生の頃よりずっと遊戯王で遊んでいますので、そこで新たなカードを買おうとショーケースを眺めておりました。すると後ろで              

「あのぅすみません」と声が……

お待たせしました。カルトとの遭遇です。

私はイヤホンをしておりましたので、耳からはずし、「どうしましたか?」と返事をしました。すると彼からは「遊戯王やるんですか?」と質問。

おかしいですよね、専門店まで来てショーケースを眺めている人に「遊戯王やるんですか」って質問。まあその時の私はあまり気にしなかったんですけど。「えっ?はい。大会とかは出ないんですけど、友達と少しやるくらいですね。今年働き出してからはそれも減っちゃって。」と返事をしました。この時点でそこそこの個人情報をさらしてますよね。「今年働き出して」って自分の年齢が何となくバレたわけです。この会話を皮切りに、二人の会話がしばらく続きます。以下、宗教勧誘の彼を「Kさん」と呼びます。(カルト・勧誘のKです。イニシャルなんかでは決してないよ!ほんとだよ!)これは普通の遊戯王談義なので興味ない人は別に飛ばしてもらって結構です。結論からいうと、 

 <カルトとラインを交換した>のです。

K「普段からアキバですか?」

私「いや、いつもは池袋ですね、今日はたまたま用事ついでに物色しているだけなんで。」(また性懲りもなく個人情報の開示)

K「遊戯王では何を使ってるんですか?」

私「僕は小難しい効果処理とかやるの面倒なので力業ごり押しができる”古代の機械”や”剛鬼”を使ってるんですよ」(いいカモの雰囲気が滲み出ている)

K「なるほど問答無用のパワーで潰す感じなんですね。僕はアレです、”サンダードラゴン”なんですけど、今は”サクリファイス”を作ろうと探してですね」

私「(カード恵んでほしいんかな?)サクリファイスですか?最近また種類増えてますもんね、いや最近は全然カードパックも買ってないし詳しくないんですけど、今日もデッキ持ってきてないですし。」(楽観的が過ぎる、こいつは勧誘だぞ!)

K「あーそうなんですね。僕は仙台から出てきてやる友達もいないんで、よかったら今度一緒にプレイしてくださいよ」

私「あぁ、そんなことなら全然、いいっすよ」

K「じゃあラインやってます?交換してほしいんですけど」

私「ああもちろんもちろん」…………

② セカンドコンタクト前日譚・LINEの会話

 まあ、丁寧すぎるほど丁寧である点以外にはそれほど不可解な感じはしませんよね、いま改めて読んでもそう思います。そして、この丁寧すぎる部分が勧誘である所以であるとも思います。要はこの捕まえた玉瑛というカモを放したくないわけです。そのためには念には念を入れて丁寧に、かつ定期的に約束が反故にならないか確認を取っているわけです。この当時の私は勧誘とかそこまで意識していないので、「秋葉原で会った人が池袋で遊ぼうと誘ってくれるのは自分に気を使ってかなり無理をさせているのではないか」と心配しているんですよね。お人よしもいいところです。

ちなみに、この宗教の勧誘について検索をかけると、「池袋という単語が出たら要注意」だそうです。後述しますが、池袋から近い場所に施設があるんです。たまたま自分の行動範囲と宗教のテリトリーが重なってしまった結果発生した例です。多分、僕が以前「普段は池袋で~」と言っていなくても池袋で遊ぼうと誘っていたのだと思います。

 これが会う直前までのラインの会話になります。後で分かったことですが、この宗教は、朝晩二回祈るんだか経を唱えるんだかするんだそうで、午前中にその施設に寄って、私を誘い出すマニュアルかなんかを教わってから来たのだと思います。

 実は私は当日になってようやくこのKさんを怪しいと思うようになりました。なんというか、現代の若者にしてはラインのレスポンスが遅いのです。勧誘担当上司みたいな人に確認を取ってたんだと勝手に思っています。ただまあ、その時の自分は宗教の勧誘というよりも詐欺とか強盗のほうに意識が向いていて勝手に怖がっていたのを覚えています。

③ セカンドコンタクト・顕正会登場

ファーストコンタクトから2週間後の2月9日(日)どうにか池袋で合流することができたKさんと私は、カードショップ内のプレイスペースで遊び始めました。Kさんはスーツを着て、コートを羽織っていました。コートを脱ぐと羽を広げた鶴のバッジが襟についていました。ギラギラしたでかいバッジなので内心動揺しましたが、「アレ?スーツですか?夜勤とかです?」と質問しました。Kさんは「あー.....たまに朝呼び出しがかかるんですよ」と返答(礼拝は正装とかなんでしょうね)。たいへんですねぇと適当な返事をしながらも、私の眼はバッジに釘付けでした。

 羽を広げた鶴の紋章をみつめながら、どこかで見たことがあるなと考えていました。記憶がつながったときに私は「創価学会」を思い出しました。正確に言うと、創価でも顕正会でもなく「日蓮正宗」の紋章が羽を広げた鶴らしいのですけど。しかも創価学会と顕正会はめちゃくちゃ仲が悪いので、これをどちらの信者に読まれても怒られますね。

内心創価ならマシだなと思っていました。かつての同級生にも創価はいますし、私の居住地の選挙区は自公推薦で公明党のジジイが出馬してますし。変なところでなじみ深さがあったからです。

そこまで考えながら遊戯王で遊んでいるとKさんからひと言

「この後いきたいところがあるんで二時間くらい遊んだら付き合ってもらえますか?」

・・・怖っ

「えっカード関係ですか?」と私は聞き返しました。Kさんは「まあそうじゃないんですけど」とモゴモゴ返事。モゴモゴすんなよ不安だろ。

2時間くらいが経過して、「じゃあそろそろ行きますか」とKさん。別に私はそんな内容も場所も聞かされていないのに行きたかないんですけどと思いつつ一緒に店から出ようとすると、Kさんは「ちょっとトイレに」と私を待たせました。彼もおそらくトイレで教団に連絡していたのでしょうが、私もこのタイミングで私は彼が創価学会か顕正会であることを調べ上げ、純朴なデュエリストから宗教大好き人間へと進化しました。ちょうど以下のこの記事を読んだりして、同じだなと思いました。

同時に、悪い人間としての自分が現れ、限界までカモだと思わせてついていこうと決めました。

二人で外に出るとKさんは「実はですね、ときわ台に玉瑛さんをぜひ連れていきたい場所があるんですよ」と言い始めました。

ときわ台、ご存じですかね?東武東上線の成増から池袋までの間にある、各駅停車しか止まってくれない中途半端な区間の中にある駅なんですけど。東武東上線ユーザーだった私だから「なんもねぇ住民以外はつまらない駅」だと知っていますが、生半可なオタクだと「常盤台?『とある科学の超電磁砲』の聖地巡礼でもするんだろうか」と思ってしまってもおかしくありません。主人公の通ってる中学が「常盤台中学」なんですよね確か。

そんな感じなので私は思わず「ときわ台ですか?あんなところに何があるっていうんですか?なんもないじゃないですか?変な勧誘とかだったら勘弁してくださいよ!」と言ってしまいました。

Kさん、そこから駅の中に入るまで黙っちゃったんですよ。だめだよ黙っちゃ勧誘なんだから良心を捨てろ。

ノコノコときわ台までついてきてくれる人なんていままでいなかったのか、東武東上線の乗り場まで案内したのは自分でした。ときわ台は前述のとおり各駅停車しか止まってくれないので、池袋から行きたい場合は各駅停車しか発着しないホームに向かうんですけど、「アレ電車合ってるかな」とか言い出す始末。俺が連れてきたんだから合ってるわ!と思いつつ「このホームは各駅しか止まらないんで間違いないですよー」と優しく教えてあげた。  Kさんは「アレ?詳しいんですね」とのんきに言ってくる。こっちはもう臨戦態勢なので「東上線沿線の出身なんでこのくらいは常識ですね」と冷たく返しつつ、決戦のときわ台へ。

顕正会は調べればわかりますが監禁や暴力、圧力系の被害報告がめちゃくちゃ多い宗教なので、気を引き締めてかかりましょう。

ときわ台の地に降りるとKさんがついに口を開きました。

「実は冨士大石寺顕正会というのがあって、仙台にいるときに僕が大変お世話になった人の展示があって、玉瑛さんにぜひ一緒に見てほしいんですよ」

いや勧誘抜きの本心だったとしても会ったのが二回目の人にそんな重要なもの見せないだろ!

予想通りの結果だったのでもううれしくて演技入っちゃって声色も変えながら私は

「ついに、名前を出してしまいましたね。言わなきゃいいものを」

心のCVは山路和弘さんですよもう、潜入した二重スパイみたいな気分でしたよ。

④ 逃げろ!顕正会!

Kさんは「アレ?もしかしてなんかネットで見たりしました?」とすっとぼける。いやそうじゃないんですけどと私は切り出した。

「母親が2回新興宗教に騙されかけてるんですよ」

これは嘘じゃないです。一回目は不安に駆られて未然にバックレて、二回目は真如苑という宗教の寺まで行って中に入って袈裟と数珠を買わされかけたことがありました。(正確には購入して名簿に名前を書かれかけたが、誘ってきたのが職場の同僚だったので「会社に言うぞ」と脅して金を返してもらい、入信させないことを確約させた)

カルト宗教の奴らは善人だろうとゴミクズなのは確定なんですよ。だって宗教の名前は近くに行くまで伏せてますから。本当にやましくないならもう少しはっきり言うでしょう。例えば「エホバの証人」は輸血を断って子供を殺す悪の教団ですけど、それに正当性があると信じてやまないのか、べつに隠さないじゃん。

そういう母親の宗教話を説明するとKさんは「いやでも本当に玉瑛さんには一緒に話を聞いてほしいだけなんで」と言う。いやおかしいでしょ、展示から講演会に格上げじゃん。現場が開けてて逃げられそうなら少しくらい話を聞いてやるかと思いつつ、そのまま自分はついていきました。

「あっ、ここです」とKさんが指さしたのはコンクリ3~4階建ての建造物、歩いてきた道路沿いには、入口とのほかにはハメ殺しの窓が1枚あるだけで中がうかがえない。その瞬間、逃げることを決意しました。だって怖すぎる。中に入ったら最後でしょう。

「さすがに急に本拠地は無理ですよKさん!親がカルトに騙されたこともあるんですから!!」と割と大きな声で言ってしまった。入口の奥で事務方の信者のおっさんがにらんでてめちゃくちゃ怖かった。せめて笑えよ宗教で救われてんだろお前ら。

「Kさんはいい人ですけど、大変なのもお察ししますけど、無理ですから!」と言い放ち、私は踵を返して早歩きで駅へと戻りました。

「こわがらせてしまいましたか?ごめんなさい。でも本当に変なことじゃないんですよ」隣でKさんが言ってきます……っ!ついてきてんじゃねーよ!!

改札の前で少し止められました。「顕正会というのはですね……」と話し始めてくれました。お前宗教スイッチ入ったほうが饒舌で面白いじゃねぇか。

ともあれ、Kがついてきてはいるものの、顕正会本部に入らずに済んだのでした。この後池袋までKと一緒に戻り、別れたあとストーキングされないようにめちゃくちゃ遠回りをして帰りました。

⑤ K、曰く

ここからはKさんに説明してもらった顕正会のあれこれについて書いていきます。覚えている限りを、ネットで保管しつつ書きますので結局自分で調べても変わらないかもしれません。

・南無妙法蓮華経の総本山

 K曰く、顕正会というのは「真の日蓮宗」なのだそう。ちなみに、私の実家のお墓も日蓮宗です。それを伝えた時は「今一般的に日蓮宗と言われているものは正しくないんです。日蓮大聖人の弟子の中でも本当のご本尊を持っているのが我々顕正会なんです。全世界の人が南無妙法蓮華経を唱えることで救われるのです。」とか言っていた。ご本尊について、「日蓮大聖人が首をはねられるときにその剣が朽ちて切れなかった」「死んだ後に歯が抜けて、そこに歯茎がついていてそれが今でもきれいな状態で残っているミイラ化もしていない」「日本に危機が訪れた時、その歯を肉が包み込み、輝く」などとよくわからないことを言われた。その歯茎も光るだけで救いを与えるとかもないんだそう。それを信じてどうなるよ。あと極めつけはアレだね、「ここ最近の災害が続くのは日本人に信心が足らなくて、正しき南無妙法蓮華経を唱えないからだ。原発も冒涜的行為だ。」というやつ。弱みに付け込む宗教はカス確定だから。

・ネットの記事は全て嘘

 これも結構被害報告の記事でも言われてますが、ネットは嘘ばかりで、私たちを貶めようとしているのだ、安倍政権や創価学会の云々と言っていました。安倍政権がそんなネット工作できるならIT担当大臣はもう少しまともなことが言えると思うけどね。創価もネットに詳しいなら久本のMADとかどうにかしたほうがいいと思うし。Kさんやっぱり根がいい人なのか、「とはいえ結構強引な入信を迫る地区とかもあるんですよね。うちは全然違うんですけど、そういうのが評判を落としてしまうので困るんですよ、うちは全然なんですけど」と言っていました。

まとめ

私はそんなひどい目には遭いませんでした。むしろいろいろ知れて面白かったとすら思っています。ただし、むやみに首を突っ込むのは危険です。下記のような記事もありますので下手にかかわるのはお勧めしません。

被害者側の心理ですので話を盛っている可能性も大いにあります。ので、一応本家のURLも貼っておきます。HTMLのコードもシンプルで読み込みが早い出来の良いサイトです。ネットは嘘という割に結構頑張ってますね。

以上、カルト宗教についていった話でした。

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