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新卒時代の学びと40代のリスキルの違い

20年以上も会社員をやっていると、誰でも感じることだと思いますが、新入社員と自分との年齢差がめちゃ離れているということに驚きます。私も、いつの間にか、自分の娘(高1)とも6歳しか違わず、ほぼ自分の子供と同世代の新入社員が入社するようになってきました。

『マイ・インターン』を観た当時、自分は幼子の世話と仕事の両立に奮闘するアン・ハサウェイ側だと疑いもなく思っていたのが、7年たって改めて見返すと、少しずつ、子供が独立して定年を迎えたロバート・デ・ニーロ側も視界に入ってきた感覚ですね。

新卒メンバーから「一緒に住んでいる親が~」といった会話を聞くと、彼らの食事も含めた家事などを担う「親側」の心境になります。

人生100年時代、これまで以上に20代から60代まで幅広い世代の人同士が同僚として、上司部下として(上司の年代が上とも限らず、その逆のパターンももちろんある)、フラットに、互いの強みをいかしながら、チームとしての成果を出していくことが求められます。

家では、デジタルネイティブな娘の方がスマホの操作も早くて詳しく、人間としても頼れる存在になってきました。これからは、家庭で娘に頼るだけでなく、会社でもどんどん新卒めた若手世代の人たちに頼っていくことにします笑

新卒時代の仕事が楽しい理由

さて、先日、今年入社のフレッシュな新卒の女性社員とのオンラインで会話をしたとき、「今仕事がすごく楽しい」とのことだったので、どういう点が楽しいと感じるのか尋ねてみました。

すると答えは、

「すべてが初めてのことで、自分がスポンジのように色々なことを吸収していることが楽しい」

とのことでした。それを聞いて、明確に思い出したのは、まさに私も新卒で入社した後1~2年は、まったく同じことを思っていたということです。

私は文系出身でIT業界に入ったため、telnetやらftpやら、今思えば会話に出てくる基本的なIT用語も、いちいち意味を聞いたり調べたり、理解するまで時間がかかりました。でも、仕事でやることすべてが初めてで、何をやっても成長にしかならない、何でもやりたい、同期の友人がやっている仕事内容を聞いては、それもやってそのスキルも伸ばしたい、そんな風に思っていました。

そして、その新しい学びが苦行ではなく、楽しみながらできたのは、性格的に私が知的好奇心が旺盛なタイプだったのと、自分でITの専門知識を身に着けようと決めて飛び込んだ業界・仕事だったからです。

40代のリスキルと新卒時代の学びの違い

そして、40代になった今、私は新しい領域のリスキルの真っ只中です。初めての経験するプロジェクト、初めて聞く用語、初めてのロール。

初めての経験に身を置く状況としては、新卒時代と同じで、むしろこれまでのプロジェクト経験で身に着けた汎用的なスキルやITのバックグラウンドがある分、理解力や勘所のとらえやすさはあります。

ただ、新卒時代と同じ感覚で、その新しい経験を純粋に楽しんでいるかというと、少し違います。

新しいキャリアの軸を持とうと思って自分で決めたことではあるし、仕事でも必要な新しい専門知識の習得や経験ですが、やはり「IT経験はあるからある一定レベルはできて当然」というプレッシャーが、純粋に楽しめいない原因になっています。(経験が長いからといって、それをすべて今の仕事に適用できるわけでもないし、経験年数に比例して仕事のスキルレベルが上がるわけでもない)

あとは、純粋に大変であることも一因です。「大変」とは「大きく変わる」とき。新しいことにチャレンジしているから大変なのは当然ですが、常に新しいことや役割にストレッチし続けるためのエネルギーは、20代30代のころに比べると、減少しているとは思います。

新しい領域で仕事を楽しむために必要なこと

新卒時代のスポンジは、誰でも弾力やエネルギーがあって、まっさらの何も水分を含まないところに、初めて水をガンガン吸収するのに対して、40代になると、もともと一定レベルの水分があるところからの吸収なので、吸収するスピードは落ちてはいます。それでも、まだ新しい水を吸収させることはできるし、角が取れてどんな状況にも柔軟に対応できるようになっているという強みもあります。

自分の強みを活かして仕事は楽しむために、私は自分が目の前のお客様やチームの課題解決の役に立って、喜んでいただけることを自分の喜びにすることを目指しています。そのために、今はまだ不足している経験を地道に積み上げて、少しずつ自分の中の知識やコンテンツを増やすことが必要なので、一足飛びには解決しません。

おそらく、あと1~2年はかかると思いますが、ゆっくりでもいいので、過去の自分より少しずつ成長している自分を認めてあげながら、気長に歩んでいきたいと思います。

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