忘れ方を教えて欲しい

「忘れ方を教えてほしい」から始まり、「どうか気づかないで」で終わる物語。

忘れ方を教えて欲しい。
仕事帰りに2人で飲みに行った居酒屋。
電車が止まって、動かないことを理由に初めて君を飲みに誘ったのが始まり。
それから2人でよく飲みに行ったね。
お酒のペースが同じで、一緒にいても疲れないのがすごく楽しかった。
今でもたまに近くを通ると思い出します。

忘れ方を教えて欲しい。
2人で見てきた桜の花。
ちょうど桃が満開で、桜も8分咲きと見応えがあり、桜の花ばかり写真に納めてた。
桜を見てはしゃぐ君が可愛くてその姿を納めたくてカメラを向けたけど何となく恥ずかしくて辞めたの後悔してます。
今年も春が近づくと、あの桜を思い出します。

忘れ方を教えて欲しい。
2人で行った京都。
引きこもりがちな君を連れ出したくて、トロッコ列車を乗りに行こうと誘ったね。
嵐山で見たオルゴール館や竹林、SL記念館も宇治川で見た夕日もほんとに心に残った思い出です。
電車の吊り広告を見ると、あの日の京都を思い出します。

忘れ方を教えて欲しい。
貴方と食べに行ったカレーや炉端焼き、居酒屋とどれも美味しかった。
イカの姿焼きや赤ウインナー、ハムカツや焼き鳥、他にもいっぱいいっぱい食べたね。
でも、その中でも1番美味しかったのは2人で食べた納豆でした。
もうあの納豆は食べれないんだなと寂しく思います。

忘れ方を教えて欲しい。
貴方と過ごした街を僕だけがまだ過ごしています。
もう貴方と会うこともないと思ってますし、会っても元に戻らないと思ってます。
だから、どうか、このまま綺麗な思い出として忘れれるように貴女への思いを忘れさせて欲しい。
君への思いを忘れて、そしてどうか気づかないで。


こちらは朗読用に書いたフリー台本です。
ご利用の際には以下のページを一読お願いします。 


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