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みんな帰ったら


はじめに

投稿するの忘れてたついでに加筆修正してみた。
後半に元バージョンや企画にも出てたのでその時のバージョンも載せておきます。

みんな帰ったら

  ピロン、と通知がなる。彼女からのメール。
 学生の頃はスマホなんかなく、ガラケーだった。だからSNSが普及したにもかかわらず、もっぱら彼女とのやり取りはメール。
 その彼女のメールには「今度そっちに行くから遊ぼう」と記されてあった。
 彼女は学生時代に憧れていた女性で、クラスのみんなから好かれていた。クラスのマドンナ、というのは古い言い方かもだが、まさにクラスのマドンナ的女性だ。彼女は気さくに話しかけてくれて屈託のない笑顔で笑ってくれる。そんな彼女に秘めた想いを持っていたのは多分、僕だけじゃないだろう。
 そしてその想いはいつまでも自分の胸の中にしまう事なてしまったのは彼女が進級と同時に地元に帰ることになったからだ。
 とはいえ、彼女とはメールで繋がっていた。時折、こっちに来てくれると学生時代の仲間が集まって同窓会が始まる。とはいえ、その仲間も年を追うごとに集まるのは少なくっていく。
 今回もそんな感じでみんなに連絡をとってみた。本音を言えば、2人きりで会いたいと思ったけれど。
 しかし、みんなの顔が見れたり、彼女が楽しそうにしているのを見ると、みんなに連絡をとって良かったと思う。
 それに彼女の屈託のない笑顔はあの頃と変わらなくて、自然とあの頃のように彼女に惹かれる自分がいた。それだけで充分じゃないかと、お酒が進む。
 そんな僕に彼女が「ほら、LINE教えて」とスマホを見せる。「お前は美人を目の前にして連絡先を聞かないから、いつまでも彼女が出来ないんだぞ」って悪戯っぽく笑う。僕はその笑顔にドキッとした。それを悟られないように「自分で美人て言うなよ」と冗談ほど返すと「ホントのことでしょ」と笑顔で返される。そんな彼女がやっぱり素敵だなと思いながら口元が緩む。
 そんな楽しい時間はあっという間に終わりを迎え、そしてみんなが散り散りに帰路に着く。彼女が泊まる予定のホテルまで送り届ける。もう少し喋りたい。だから誘ってみた。
「このあと一杯飲みに行かない?」

企画投稿バージョン

オリジナル

利用に当たってのお願い

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こちらは朗読用に書いたフリー台本です。
ご利用の際には以下のページを一読お願いします。


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