マシュマロ回答(大学院でやっていけるか)

ご質問頂きありがとうございます。そして、回答が大変遅くなってしまい申し訳ありません。
回答していないのになぜか回答済みの方に入れてしまっており、すっかり見落としていました…。

(1)質問者様にお伝えしたいこと

まず、頂いたご質問にお答えする前に是非ともお伝えしたいことがあります。

ご自分のことを「内向的で勤勉ではない」「意識高くない系」とおっしゃっていますが(そして「意識高い」というワードは往々にしてポジティブな意味で使われないのは理解しますが)、

きっかけは何であれ海外の大学院に行こうかな?と思い立った人のうち、
そこから実際に語学試験を受験して最低限のスコアを取り、
学部の成績をキープし、
周りがとっくに内定を取り、卒論執筆もそこそこに残りの学生生活を楽しんでいる中で出願書類を揃え、
進路が決まらないまま卒業し、
それでも自分の心に決めた道を行くことができる人が果たしてどれだけいますか?

質問者様の心の中では、もう答えは決まっているのではないですか。
あとほんの少しだけ誰かに背中を押してほしくて私に質問してくださったのではないですか。

学歴に箔をつけたいとか、とりあえず1回留学してみたいとか、まだ就職したくないとか、動機は何でもよいのです。
間違っても留学先のクラスメイトに「学歴に箔を付けたいから来たの?」などと聞いてくる人はいません。

「英語が得意じゃないから」「意識高い系じゃないから」という理由付けは、留学しないという選択をするのに充分すぎると思います。
ですが質問者様は、それにも勝る「行く理由」を探して情報を収集し、時間を割いて私に質問を送ってくださいましたね。
何かを始めない言い訳を探すことは簡単ですが、何かを始める理由を見つけることはそれだけで尊いのです。

今はまだおぼろげでも、ご自身の心の中に芽生えた新たな可能性を、まだ何も始まっていないのに自ら摘み取ってしまうのではなく、一歩を踏み出すことを選んだ質問者様なら、きっとどこに行ってもご自分の力で道を切り拓けるはずです。

前置きが非常に長くなりましたが、以下でご質問頂いた点にお答えします。

(2)英語力が高くないとダメ?

まず前提として私は英国の大学院にしか行ったことがなく、また理系の留学事情については一切分かりませんので、その旨をご了承頂いた上でお読みください。

結論としては、大学側が求める最低限のラインの英語力があればどうにでもなります
大学側は「それくらいのスコアがあれば学位を修了できる」という基準として出願時に求めるスコアを設定しているはずだからです。

私が承知している限りにおいては、IELTS 6.5~7.0くらいの英語力で留学する人がほとんどだったと思います。
ちなみに、私が修了した大学院の専攻はその分野において7年連続世界ランク1位ですが、それでもなお日本人学生の英語力はそれくらいでした。私が出願した時のスコアもoverall 7.0です。
それくらいの英語力の学生でも、Distinction(優等)を取って修了していくことは全く珍しくありません。

確かに、最初のうちは英語圏や欧州出身の学生と自分を比べて落ち込むこともあると思いますが、語学留学ではなくて学位を取りに行っているのだからあまり気にする必要はないと思います。
また、学生間の英語力に差があることは先生方も承知しているので、そこで評価に差がつくことはありません

繰り返しになりますが語学留学ではないので、DeepLやGrammerly等のツールを遠慮なく駆使してください。
後から獲得した言語よりも母語の方がより深く思考できるのは当たり前です。重要なのは、母語であっても文献の内容を正しく理解し、きちんと準備した上で授業に臨むことです。
私はこれを分かっていなかった前期の授業ではほとんど発言できませんでしたが、後期では開き直って現代技術を大いに活用した結果、自分の専攻どころか他学部の講義でも「非常によく勉強している」と先生に褒められるようになりました。

(3)意識高い系じゃないとダメ?

私自身が所謂「意識高い系」の学生(何やら高尚かつ明確な目的意識を持って留学を志したタイプ)だったのですが、どんなに立派な留学生活のビジョンを持ち、入念に準備して行ってもどうせそのとおりになりません

理想と現実の乖離が大きければ大きいほど後から苦しむので、個人的には意識高くない系=目の前の現実をあるがままに受け入れられる系の方が留学に向いている気がします。

(4)就活に有利になる?

これを言ってしまうと元も子もないのですが、日本の新卒採用は「これから人材を育成すること」を目的としており採用の時点で専門性など求めていないので、学歴や専門性どうこうをアピールしようとするより、ご自身の人となりで勝負された方が新卒採用においては有利な気がします。
さらに申し上げると、よっぽどハーバードやオックスフォードくらいの誰でも知っている大学でないと日本の一般的な企業の人事には通じません。

一般論として考えられる、海外の大学院に行ってから就活するメリットとデメリットを以下に挙げてみます。

【メリット】
●ボストンキャリアフォーラムやロンドンキャリアフォーラムで早々に内定を獲得するチャンスがある。大抵の場合、通常選考より選考ステップが少なくて済む
●書類で落とされない

【メリット・デメリット両方】
●9月に修了して翌年4月に入社する場合は暇を持て余す。この期間でインターンや語学の勉強をする場合は逆にメリットかもしれない

【デメリット】
●修士課程が1年制の場合、早いと入学前から就活を始めることになる(ボストンキャリアフォーラムは11月上旬に開催されるが、実際は開催期間の前に選考が進むため)
●海外大生用のルートで通常の選考を受ける場合、途中まではオンラインで選考を受けることができても、最終面接は日本に帰国しないといけないケースが多い
●Webテストの対策がしづらい。テストセンターもないので、webテストを自力で解いているのか疑われることがある(私はとある商社の海外選考の最終面接の場で、企業側が用意したパソコンで再度webテストを受けたことがあります。海外大生にwebテストを解いてくれる友達なんかいるわけないだろと思いましたが

長々と読みづらい文章で申し訳ありませんが、少しでもご参考になりましたら幸いです。
追加のご質問や、質問じゃないけど話を聞いてほしいなどありましたらいつでもDMやマシュマロでご連絡ください。お待ちしています。

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