Special No.12 将来の夢は、駆け巡る
12月26日
父、しぶしぶ八田の法事に出かけた。母は生け花。
私は、一日中本当に忙しい。掃除、料理等……。
で、これからこの一年を思い出してみよう。
楽しかったことは、修学旅行だけ。後は、つらい事ばかりだったような気がする。クラスのある人達と、仲たがいしたり、変人と言われたり、成績がすごく悪かったり、人間嫌いになったり、人をさけようとしたり、一度として人から好かれていない。
これが、私の17才の年だったのだ。いや、まだ17才の年は残っているのだ。「17才は一度だけ」だから、後残りの17才の年を力一杯送らなければならない。
でも、友人関係は良かった。伸ちゃん、友ちゃん、交換日記をやったり、教室では古川さん、青柳さんと、いろんな話をし、近藤さんともいろいろ話した。
昭和四十年を思うと、これから先いつも悲しくなってしまうだろう。あんな事があったんだもの、第一にあんな事がでも、もう済んだ事だ、クヨクヨしない。私は来年に大きな希望を持っているんだもん。
午後十時、風呂から上がってきたところだ。風呂の中で私は考えた。私の二十年先はどんなだろうと……。三十年経つと47才。今の母ちゃんくらいの年だ。私は平凡な平社員を夫とし、四、五人の子供に取り囲まれながら、自分もアクセク働く妻になっているだろうか?
私が思うには、こうなる可能性が一番高いと思う。でも、子どもの四、五人は多すぎる。まあ、二人がせいぜいだ。
少ない子供をより完成した人間に育てるのが理想的だ。
その点、この間までの考えと考え方が変ってきたようだ。この間まではたくさん子供がいるほど良いと思っていた。
私の未来って、分かるような気がするが、やっぱり分からない。
一年経ち、18才の今頃は就職が決まって、ソワソワしているだろうか? それとも、不景気でまだ決まらすションボリいるか?でも、一年振り返っていろんな思いにふけっているだろう。そして、今年は本当に良い年だったと思っているだろうか?
二年たった19才の今ごろ、職場に慣れ、みんなに好かれる人になっているか?
恋人が欲しいころじゃないか?
高校時代の誰かと交際しているか?
又は、新しい何か悩みを持っているか?
三年たったら、二十才、二十才までにたった三年、いやもう少しで来年になるんだから、後、二年程しかないんだ。びっくりしてしまう。だのに、私まだ子供、迷える子羊なのである。ちっとも安定しない人間なんだ。
私は、きっと結婚はお見合いだろう。落ち着いたおとなしい人が良いと思っていたけど、やっぱり朗らかな人がいいと思う。そして、私をずんずんリードしてくれる人。
私は、今まで独身だと思っていたけど……、私は弱い人間だと思うようになり、やっぱり家族は欲しいと思う。この家にずっといたいと思っても、やっぱり邪魔にされる時がくるのだ。
私は、その夫と好きになれるだろうか? それとも、好きになれないまま一生を送るのだろうか? その夫はやさしいだろうか? 思いやりがあるだろうか? それとも、大酒飲みの暴れん坊だろうか? それで、私は幸福だろうか? お姑さんはいるのか? その人とけんかするだろうか? 気が合うだろうか?
五十年先、子供達夫婦とうまくいくだろうか? そんな事を考えると、すごく不安になる。でも、運命は神が決めるものだ。私はただ人間らしく、確実に自分のやった事、又はやる事に対し責任を持って、一歩一歩力一杯進めば、それでよいのだ。そう力一杯……。
後一時間ちょっとで、来年まで後五日という事になる。この間に来年のしっかりした計画を立てなければならない。そして、自分の信条を決め、正しい道を力一杯歩むのだ。
【コメント】
楽しかった事と、嫌な事とが縦横に頭の中でぐるぐるまわっている。
それが、私だ。
変な私。でも、どうしようもないのだ。
自分で、コントロールできないのだから仕様がない。
これも私だ。
きっと、あれも私だ。どこがどう違うのか。
それが分からないのだ。
ただ、新年は訪れようとしている。
私の人生とは関係なしに。
誰もが、幸せを願っているのに。
祈ります。
心から。
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