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アモアコ・ボアフォ
2020年内に書こうと思っていた記事。年末年始、バタバタしてたらもうすっかり1月末。
2019年末から気になっていたガーナ人のアーティスト、アモアコ・ボアフォ。エゴン・シーレのようなタッチに合わせた、ポップなモチーフや背景のカラー。抽象的な絵が人気なこの時代だからこそ、ボアフォの肖像画は親しみやすく、限りなくフレッシュに感じる。
以下、こちらの記事を参考に書いています:
数年前までは無名だったが、筆を捨て、キャンバスに直接指先で表現するようになったボアフォは2018年頃から世界的に注目を集め始める。
2019年2月にロサンゼルスのロバーツ・プロジェクトにて開催された個展は二日目でソールドアウト。その後ロサンゼルスのFriezeアートフェアやジェフリー・ダイチのギャラリーに出展されたり、ルベル夫妻のレジデンシーに選ばれるなどと、引っ張りだこ。
2019年6月のマイアミのアート・バーゼルが開かれた頃には、彼の作品への需要は急激に高まり、ボアフォはただただ描き続ける。
そして2020年に入って早々、彼の「The Lemon Bathing Suit」が、売られて間も無くオークションに出されるという噂が彼自身の耳に届く。噂通り、2月に開催されたロンドンのフィリップスに出されるが、最大65,000ドルで落札されると言われていた予測を大きく上回り、900,000ドル弱で落札される。落札したのはアラサーデュオのアリ・ロススタインとラファエル・ヘルド。クライアントのためだったと。
しかしなんとそのクライアントは、アモアコ・ボアフォだった。
なぜ、ボアフォはこんなことをしたのだろうか?実はボアフォは、注目され始めてからオークションまで、わずか2年だったがすでにアート業界のいろんなプレイヤーに振り回されていて、もう散々だった。もともと「The Lemon Bathing Suit」はシムショヴィチという、業界では有名なディーラーが22,500ドルで買っていたとのこと。「プライベート用に、どうしても欲しい」と言って手に入れた作品だったにも関わらず、一年も経たないうちにオークションに出すというのは、そもそも買った理由は、オークションの売り上げ目当てだったのだろう。
フィリップスで自身の作品を取り戻せたと思いきや、手元に届く前にロススタインとヘルドに再度市場に出されたり、個展は各地で開かれいいこともあるなか、信用していた人たちに裏切られたりと、ボアフォの2020年はアップダウン激しいジェットコースターだったとのこと。
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作品が純粋に好きだから購入するコレクターも入れば、現代では投資目的として買う人も増えてきている。
特にここ最近アート業界は、人種差別問題が幅広く取り上げられている中、一般的な美術史に登場するアーティストや、美術館のコレクションに所蔵されているアーティストの大半は白人アーティストだと気づき始めた。
ダイバーシティーが求められ、黒人アーティストの作品への需要が高まっている中に、新人アーティストのボアフォは35歳の若さで、良くも悪くも荒々しいアート業界に放り込まれた。
デビュー直後に高額で落札されるアーティストは最近少なくはないし、それは悪いことだけではない。だけど市場の期待に答えようと、同じような作品を作り続け、コマーシャルになってしまうことが懸念されるので、簡単にオークションやセカンダリー・マーケットに出されないよう、そういうことの心配をする必要がなく、作品作りに取り組める環境を提供できる大きなギャラリーについてほしいですね。
個人的に、見た瞬間彼の絵のタッチと、題材の強く物語る視線に惹かれ、それ以来ずっとファンです。透明感あふれる黒い肌と、パキッとした背景やグラフィックのコントラストは、クラシックとコンテンポラリーが絶妙に中和されていると感じていて、早く日本でも個展が開催されないかと待ち遠しいです。
2020年のマイブームはボアフォでしたが、今年はどんなアーティストに出会えるのか。楽しみです!
また、皆様のおすすめアーティストも、ぜひ教えてください😊
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