おとなの秘密基地。

大人になって、誰かに認めてもらえなくて、
自分も自分が愛せなくて
どうしようもなくなったとき。

そういうときは逃げるんだよ。
あなたを苦しめる思考から、逃げて逃げて。

好きなものと懐中電灯だけ持って、
お布団の中に逃げ込むんだ。

大人にだってね、そんな日があるんだ。

布団の中はあったかくて、真っ暗。
でもだからほら、
懐中電灯を持ってきたんだった。
あんまり近くでつけたら眩しいな、
そうだお菓子も持ってくればよかったな。

短めの、大好きな映画を二、三見て、
わたしはそれにずっぽりと浸かる。
ずっぽり。変な言葉。

わたしの好きなものたちは
わたしを、大切にしたいわたしに戻してくれる。
そうだわたしは、好きなものに好きと言って、
それだけで生きていってもいいんだった。


どうか、
大人になっても時々こうして
逃げ回るわたしを許してください。

明日にはまた、なんてことない顔で行くから。

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