見出し画像

クラウドアトラス

輪廻転生を描いた私の大好きな一本。

予告編だけでも楽しめる。その最後のベン・ウィショー(フロビシャー役、ほか)のナレーションで、一つ前の過去生を思い出して泣ける私である。

I believe there is another world waiting for us, Sixsmith. A better world. And l will be waiting for you there. 「きっとどこかに別の世界が待ってるよ、シックススミス(フロビシャ―の恋人の名)。もっと良い世界が。そこで君を待ってるよ。」きっとフロビシャ―が銃口を口に入れて自殺する時に、シックスッスミスに投げかけた想いなのだろう。

キャストの豪華さもさることながら、長編でも全く退屈することのないストーリー展開だ。音楽と映像も美しい。一度観ただけでは全部を理解することができないので、こういう作品が好みなら何度も観る人が多いと思う。

私は人の顔や名前を覚えるのが割と得意だと思うが(洋画俳優ならば特に)、この作品のキャストたちは複数の輪廻転生を演じているから、最初は気付いていなかった配役を、後で「え?ここにもいる!!」と知ったりした。エンドロールの最後まで観た人は、どの俳優が誰に扮しているか分かってしまうけれどね。

人は何度も生まれ変わって、前世でやり残したことをやったり、同じ失敗を犯してカルマが解消できずにまた似たような役回りで生まれて来たり、とにかくゲームなんだな。全員が今はただ、この容貌でこの場所でこの役をやっているだけで、それを超越したもっと大きなものが我々の魂なのだろう。

何をやっても、どこでどう失敗しても、全然大丈夫なのだ。もちろん、現実に目の前に何か問題があるときは、誰もがアワアワ焦ったりするけれど(見せない人でも内面では)、俯瞰したら少なくとも大丈夫だと分かる。死ぬことだって、生まれる前に居たところ(あった状態)に戻るだけではないか。

せっかく与えられた生ならば、誰かの真似をしないで、オーセンティックに生きたい。

そして自分が発したことが自分に返ってくることを、忘れないように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?