選手名鑑を眺めていたら(ホークスの投手指名について)

あれは2月でした。選手名鑑が発売されて購入し、眺めていて気付きました。「あれ、ソフトバンクの投手、身長高くね?」

というわけでパリーグ各球団のピッチャーの平均身長を算出してみました。もともとの体格差を考慮し、アメリカ等からの助っ人を除き、日本人と台湾人(アジア系)の選手で算出しています。

西武 右:180.43 左:177.56

ソフトバンク 右:184.71 左:177.00

楽天 右:180.75 左:181.00

ロッテ 右:181.25 左:177.43

日本ハ:ム 右:181.95 左:178.22

オリックス 右:180.62 左:179.38

ソフトバンク以外の右投手の平均は180cmくらい。楽天の左腕が181cmとなっていますが、これは弓削(193cm)が平均値を引き上げているためです。まぁ、基本的に各球団、左腕は身長を重視していません。2019年のデータを拾ってみても、ソフトバンクの右投手の平均はパリーグの他球団より2cmほど高いです。

また、毎年のデータを取ったわけではないので確かなことは言えませんが、2016年のソフトバンクの日本人右腕平均身長が181.32cmであることを考えると、ここ数年に急激に平均値が上昇していると言えそうです。

ここで過去5年間にソフトバンクがドラフトで指名した右投手の身長を見てみます。

2015年 高橋純平 183cm 小沢怜史 182cm (野澤佑斗) 181cm (中村晨) 193cm

2016 田中正義 187cm

2017年 吉住晴斗 185cm 高橋礼 188cm 椎野新 196cm (尾形崇斗) 181cm

2018年 甲斐野央 187cm 杉山一樹 193cm 板東湧梧 181cm 泉圭輔 187cm 奥村政稔 176cm (重田倫明) 185cm

2019年 津森宥紀 177cm (大関友久) 186cm  ※括弧は育成枠

とても分かりやすいですね。この期間にドラフトで指名した右投手で180cm未満なのは2018年の奥村と2019年の津森のみ。しかも津森はサイドスローの投手ですから、まぁ実質1名みたいなもんです(188cmの高橋礼もアンダースローですけどね)。190cm台の投手も3名います。

あと、ソフトバンクの投手って球が速いなってイメージがあるのですが、実際どうなんでしょう?

2019年シーズン、最高球速TOP20の球団別の内訳です。(データで楽しむプロ野球参照)

ソフトバンク 7名 西武 3名 楽天 4名 オリックス 1名 ロッテ 2名 日本ハム 3名

実はこれ、これは外国籍選手を含む数字。日本人選手に限ればさほど有意な結果は得られませんでした。しかしあきらめずに(?)、仮説を立ててみました。「ソフトバンクは高身長で、なおかつ球速の速い日本人右投手を意図して集めている」。

次に示すのは、日本人(台湾人含む)右投手の身長と、2019年シーズン最高球速との相関係数です。

ソフトバンク 0.31① 西武 0.10⑥ オリックス 0.08⑤ 楽天 0.17② ロッテ -0.08④ 日本ハム 0.24③

意図した結果が出ました(←)。ソフトバンクの右投手は平均身長が高く、しかもそれに比例して最高球速も速くなっています。日本ハムも2番目に高いプラスの数値が出ていますが、平均身長そのものが高くないため、ソフトバンクと同様のことは言えなさそうです。ロッテはパリーグでは唯一、負の相関という結果に。実は投手の経歴についても調べてみたんですが(2019年現在)、ソフトバンクがドラフトで指名した右投手のうち、大卒社会人って1名(大学中退→社会人の奥村のみ)しかいないんです。ちなみにロッテは大卒社会人の右投手は8名。このことから、「ソフトバンクは若くて身長が高く、球の速い投手を集めている。ロッテは経験豊富で総合力に優れた投手を集めている」と言えるかもしれません。やや強引ですけど。まぁ、ドラフトの方針に明確な違いがあることは確かです。

あと、相関係数の横に付した丸数字は2019年シーズンのチーム防御率のリーグ順位なんですが、必ずしも「球が速けりゃいい」ってわけでもなさそうですね。我がライオンズが投手力で勝てる時代は来るのでしょうか。 

おわり(文中敬称略)



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