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第5話Part17

 睨み合いの冷戦。そのまま数分が経っただろうか、ソンブルは呆れたように踵を返すと、依然としてこちらを凝視し続けているレザンに吐き捨てるような言葉を残した。

「はっ、お前は何も変わっちゃいねぇな。ま、せいぜいそこで苦しんで見てろ。……オレはプリキュアの所へ戻る」

 だが、その時、青い影がソンブルに向かって光の刃を向けた。

「させない!」
「っ……!キュアラメール、何故……」

 咄嗟に攻撃を弾いたソンブルは、憎らしげな顔でその影──ラメールに向かって荒々しく声を上げた。対するラメールは、慎重な面持ちでソンブルの退路を塞いだまま、ゆっくりと語りかけるように口を開く。

「私だけが、あなたとレザンの関係を知ってるから。ねぇ、どうしてなのソンブル?どうして、友達にそんなに簡単に剣を向けることができるの?」
「お前には関係無い話だ」
「関係あるわ! だって、私もレザンの友達だもの! 大切にしたいと思ってる、友達だから……!」
「ゆらちゃん……」

 ソンブルの背後で、安堵したようなレザンの声が響いた。自分に向けられた冷えきった声とは似ても似つかないその音を聞いて、ソンブルは逆上したように叫ぶ。

「友達友達って、うるせぇんだよ! 部外者のくせに! 何も知らないくせに!」