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第6話Part3
「ごめんねみづきちゃん、ちょっと待ってて! 」
バタバタとした足取りで忙しなく教室を出ていくまつり達。その後ろ姿を見送りながら、あすなはからかうようにニヤニヤと口の端をあげる。
「相変わらずそそっかしいですね~、まつり先輩」
「ふふ、面白そうな人達ね」
みづきも無難に相づちをうち、二人はそのまま何事も無かったかのように談笑を続けた。だが、みづきの脳裏には、先程のゆららの怪訝そうな表情が焼きついて離れなかった。
(バレちゃうかと思ったけど、大丈夫だったみたいね。……でも、あのゆららって子は、危険だわ)
あすなの話に笑顔で答えながらも、みづきは、机の下でそっと手のひらを握りしめた。