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第4話Part20

 ソンブルからの問いかけに、二人は不思議そうに顔を見合せた後、すぐに首を横に振る。

「meはしらね~。ガキが持ってそうなやつなんて買わないし」
「我も知らんな。それがどうかしたのか?」

 二人の反応を見て、嘘をついているわけではなさそうだと判断したソンブルは、苦い顔で話を続ける。

「いや、あいつ、今日は外に出ていい日の筈じゃないのに、見たこともない絆創膏貼って部屋に戻ってきてさ。問い詰めても、アジト内で貰ったとしか言ってくれねえんだ」

 困ったように髪をかきあげるソンブルを見て、シャグランは確かにと頷いた。カプリシューズの本社及びアジトにも、救護室や医務室なるものは存在するが、そこにある備品は全て、病院で使われているようなシンプルな医療品だった。子どもが好みそうなデザインのものは、ここには無い。

「それは妙だな。もしや、主の目を盗んで1人で外に出ていたのかもしれん」
「それな。アリよりのアリ」

 シャグランとラージュは、揃ってその仮説を推してくる。自分以上にカプリシューズに忠実で、言いつけを破った事など一度もなかった彼女が、そんな勝手な事をするとは考えられない、いや、考えたくなかったのだが、二人の話を聞いて、ソンブルの中にあった疑念は徐々に確信へと変わりつつあった。

「あいつ……ただでさえ体が強くないのに、一体どういうつもりなんだ……?」