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旅とアート:2つのマティス展。

2023年の4月から8月まで、東京都美術館で「マティス展」が行われました。そして2024年にもまた、2月14日から国立新美術館で「マティス 自由なフォルム」展が行われます(5月27日まで)。

私は、2023年「マティス展」の主催社のご協力を得て2023年2月末〜3月初めにフランスを取材し、雑誌『家庭画報』(世界文化社刊)にてマティス特集を担当しました。それを元にした単行本『マティスを旅する』(世界文化社/家庭画報ビジネスパートーナーズ刊)も発売中です。この本は「マティス展」の開催期間にギリギリ間に合い、最後の20日間ほどですが、ミュージアムショップで取り扱っていただきました。現在は、全国書店にて発売中です。


1600円(税込1760円)で絶賛発売中!


2023年、2024年ともに、すべてがマティスの作品で構成される展覧会です。このように1人のアーティストの大回顧展が2年連続で開催されるのは、とても珍しいことだと思います。

つまり、2023-2024は、日本におけるマティスイヤー! この本も買ってね!ということで、しばらく取材のこぼれ話などを書いていきたいと思います。

最初に、2つの展覧会の日程について。

国立新美術館「マティス 自由なフォルム」は2021年9月から12月にかけて開催される予定でしたが、パンデミックにより2024年に延期になりました。本来であれば2021年国立新美「マティス 自由なフォルム」、2023年都美「マティス展」という順序で1年間のブランクがあったところ、順序が入れ替わり2年連続での開催となったのです。

しかしながら、1年間ブランクがあったとしても、なぜマティスの大回顧がこんなに近い日程で2つ開催されることになったのでしょうか。

まず、2023年に行われた「マティス展」。こちらはパリのポンピドゥ・センターから作品が貸し出されました。ポンピドゥは、2023年末から約3年間大規模改修工事のために休館する予定でしたので、休館を見据えた引っ越し展覧会のひとつだったのかもしれません(しかしながら工事開始の予定が遅れ、2025年から約5年間の休館に変更されました)。

次に、2024年2月から行われる、本来は2021年に行われるはずだった「マティス 自由なフォルム」展」。この展覧会は、1951年、東京国立博物館での初マティス展から70周年にあたる節目に開催される予定だったのです。こちらはニース市マティス美術館から作品が貸し出されます。目玉は4.1m×8.7mという切り紙絵の大作《花と果実》。この作品は、本展覧会のために大規模修復され、修復後初お披露目として日本に運ばれる予定だったのですが、前述のとおり日程が後ろ倒しになったため、まずはニース市マティス美術館のメインホールに飾られ、来日の時を待つことになりました。

まとめると、
2023年「マティス展」はポンピドゥ・センターの引っ越し展覧会。どちらかというとマティスの作風の変遷が大づかみできる展示内容。
2024年はニース市マティス美術館の貸し出しで、本来は2021年に初マティス展70周年および《花と果実》修復後初披露の予定だった展覧会。晩年の切り紙絵にフォーカスした展示内容。
ともに世界最大のマティス・コレクションを誇る2つの美術館からそれぞれ作品が貸し出されているため、すべてマティスの作品で構成された2回の大回顧展が可能になり、それがたまたま日程が近くなったということになるのかなと思います。


マティス 自由なフォルム 国立新美術館 2/14〜5/27
行く前、行った後にぜひどうぞ。ミュージアムショップでも販売されています!


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