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高利益体質の秘訣は!■□下田コラム□■vol.78

先日お客様の会社と打ち合わせをしていてびっくりしました。

なんとその会社の経常利益率が業界平均の3倍もあるというのです。
経常利益率では業界第1位になったそうです。
当然、素晴らしい売り上げを誇っており、それに加えて、業界平均3倍の経常利益率です。
財務体質も非常に優秀です。

随分と長いお付き合いをしている会社さんなのですが改めて、社長の話を聞いて、この会社の素晴らしさを感じたのでした。

しかし、当初からこのような素晴らしい売り上げや経常利益率を誇っていたわけではありませんでした。

リーマンショックの頃はかなり苦しい経営をされていました。
それがここ10数年のことで、ここまで変わってきたということに感動するとともに、その秘訣が何なのかを推察してみました。

秘訣は、大きく分けると3つあるのではないかなと思います。

1つ目は、人を辞めさせないということ。
2つ目は、給与をたくさん支払うということ。
3つ目は、人に仕事を任せるということ。

この3つを徹底追求していった結果が、今の数字に現れているのではないかと思うのです。

1つ目の「辞めさせない」というのはどういうことかと言えば、まさに文字通りのことです。

「会社から社員に辞めていただく、ということはしない」ということです。

中にはなかなか活躍できない社員も、問題を起こす社員もいたそうです。
幹部社員の中からは、そのような社員は辞めてもらった方がいいのではないかという声も上がってきたりします。
しかし、社長はかたくなに幹部社員からの要求を拒んできました。

「せっかくご縁があってうちの会社で働いてもらったんだから、何か活躍できるところを探そう。今の部署では活躍できなかったとしても、何か活躍できる部署はないのか。部署がなかったとしても、何かその人が活躍できるような仕事を作ることができないのか」

そう考え、実際にその人のために新たな部門を作ったり、新たな役割を与えたり、そんなことをしながら社員さんを辞めさせることはせず、ずっと働いてもらってました。

これが、おそらく社員の心に安心感を与えていたのだと思います。

今の言葉で言えば、「心理的安全性」ということかもしれません。
この心理的安全性が組織の根底にあることによって、社員は安心して仕事に集中できる。そのような環境を作っていたのではないかなと思います。

2つ目は、給与をたくさん払うということです。
経常利益率が非常に高い会社と紹介をいたしました。
経常利益率を高める簡単な方法は、社員にたくさん支払わないことです。
給料をたくさん支払わなければ当然経費が減るわけですから、経常利益として残るものは多くなります。

しかしこの会社さんは全く別です。
給与水準も業界平均を大きく上回っています。
ここでは詳しくは述べられませんが、1人1人の社員に支払う決算賞与が通常では考えられないビックリするような額になっていたりします。

そこまでの支払いをしてもなお、利益が残る体質になっているのです。

社長が常々います。
「皆さんが頑張って働いてくれた結果に対しては大きく報いていきたい」
さらに、社長は、単にお金だけのことを考えてるわけではありません。
社員の幸せを考え、社員の家族の幸せを考え、多くの手当を支払っています。
コロナ禍で大変だった時には、家族の方も含めて、コロナ禍での不安を少しでも軽減できるように、そのような意味合いを込めて手当も多く支払われたりしていました。

そして、3つ目は任せるということです。
この会社では、経営計画の策定から、社長はタッチをしていません
幹部の社員を中心に自ら経営計画を立て、それを社長が承認し、その内容に基づいて部署に権限と役割をしっかりと分け、皆がその権限と役割に基づいて責任感を持ちながら、経営計画の達成に向かってみんなが動いています。
そのような組織が出来上がっています。

実際に社長は、「僕は何もしていません」と言います。
上がってきた経営計画を読み、幹部の社員にプレゼンしてもらい、基本的にはその内容を承認し、皆でやってもらいます。

まさに、本当に任せているのです。

私が推察するに、この会社が大きく成長し高利益体質になっていった背景には、このようなことがあるのではないかなという風に思っています。

そして1番私が伝えたいポイントは、高利益体質になったからこうなった、ということではないのです。

高利益体質になったから、社員を辞めさせなくなった。
給料をたくさん支払うようになった。
社員に任せるようになったではないのです。

社員を辞めさせないようにした。
社員にできるだけ多く給料を払うようにした。
社員に権限と責任を持たせて任せるようにした。

このようにしていったから、会社の売り上げが上がっていき、経常利益率が上っていき高利益体質の会社になったのです。

私が伝えたいのは、ここなのです。

良い会社を作る。
良い会社というのは、社員の幸福と利益が両立している会社だと思います。

そして、そのような会社になる秘訣は「ここだ!」と考えるのです。



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