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「気づかれない」という強みの特徴

松原靖樹コラムから秘書がピックする今日のイチオシ。本日は
強み《1章 - 虎はなぜ強いのか》より『「気づかれない」という強みの特徴』です。


ストレスがないのに「できてしまう」のだから、それはそれはうらやましい物事に思うかもしれないが(実際に周囲はそう思う)、強みはストレスがないのと同じように、実は充実感も満足感もない

だって、できてしまうのだ。
物が見えるとか、歩いたり走ったりできるというのと変わらない。
「よし!見える」とか「走ってるよ。ステキ♪」とかいちいち感じないのと同じである。

つまりは普通なのだ。

この普通というのがクセ者で、だから強みは誰にとってもほとんど気づかれることなく、その人の心の奥底で安らかな眠りについている。

どうやったら気がつくことができるか誰も教えてくれないということもあるし、生活をしていくために「能力」の方を高める必要があって忙しいということもあるかもしれない。

けれどもおもしろいことに、強みを誰かに指摘されるようなことがあったとしても、通常は「そんなことないよ」と否定するか、せいぜい「うーん」と首をかしげてそれはどうだろう?という態度を取ることが多い。

「強み」は哀れにも、本人が全く「気づいていない」「指摘されても否定する」というという特徴がある。

幸せの青い鳥はその鳥かごの中に、あなたが探しているメガネはおでこに、それぞれ「ちゃんとあります!」と伝えてあげたいものである。



春過ぎの突然。私は7年住んだ東京から神戸に引っ越すことにした。
理由を聞かれると結構困るのだが、インスピレーションといえばそうだし、感覚ではないといえばそれもそうかもしれない。

ともかく、引越業者のトラックが出発した後に、私は車の助手席に犬を乗せて600キロの旅をスタートした。
その中間地点で立ち寄った友人宅でこんな話をした。

お腹がすいた私はその友人(女性)のお宅で、彼女のお母さんが作ってくれた晩ご飯をガツガツと食べた。
食べに食べた。
友人の旦那さんが帰ってくる前に食べた。
昨日までおいしいものを食べたことがない子のように、あるいは遭難してボートで広い海を2週間さまよった挙句に救出された船員のように食べた。しばらくして旦那さんが帰ってきた。
私は既に食べ終わっていた。
一家の大黒柱が食べる頃には料理の皿はどれも中途半端に減っていた。そこで友人は話をはじめた。



聞けば契約社員としての契約があと1年半で切れてしまう。
「私(その後の仕事なども含めた生活)だいじょうぶかなぁ」という相談に私は答えた。

「○○さんは誰にも真似できない強みを持っているからだいじょうぶ」と結論を先に言うと、「え。私なんかある?」と聞く。

食事を頂いたこともあって、私は張り切って応えることにした。
実際彼女ほどわかりやすく、素晴らしい強みを持っている人はなかなかいない。
そういう意味では答えやすくもあった。

「○○さんって、どんなに人間関係に時間や距離の隔たりがあっても、絶対に人間関係が切れないでしょ。
一度つながった糸が切れないというか。距離が近ければそれが一番素晴らしい付き合い方をするし、距離が遠ければ遠くにいてもつながっている付き合い方をするでしょ。
10年ぶりに会った人と親しく話ができるし、周囲にいる誰もがそれを知っているからいつも人間関係が円満でしょう」と言った。

するとまず、私の隣に座っていた旦那さんが「うんうん」とうなずいて、彼が知っている同じような例を話してくれた。

ところが彼女は「うーん。そっかー」と最後まで煮え切らない様子のままだった。

これが強みを「指摘されても否定する」という実例である。

考えてみればこの反応は実に正しくて、本人にとっては「あなたは歩けます」「箸を上手に使うことができます」と言われていることとあまり変わらない。
「だから何?」と思ってしまうのもある意味仕方がないことなのだ。

これは何も彼女に限らず、ほとんどの人に見られる反応である。



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