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自分に合った職場を探したい?障害者トライアル雇用制度を活用しましょう!

近年、障害者雇用が推進されていますが、まだまだ課題は多く、取り組まなければならないことは山積みです。

その課題の1つに「定着率の低さ」があります。障害を抱えているため、なかなか思った通りに仕事を継続できなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

そんな悩みの一助になる制度が「障害者トライアル雇用制度」です。

この制度を利用することで、抱えている不安を解消しながら、障害者雇用枠での就職を目指すことができます。

本記事では、制度概要やメリットについて解説していきます。


1. 障害者トライアル雇用制度とは

障害者雇用を行う企業側が、障害を抱える求職者を、本採用を前提に一定のお試し期間として雇用する制度です。

原則3か月から半年間、お試しで働いてみることで、通勤や職場環境が自分に合うのか見極め、その後安定した就労に繋がることができます。

企業側からしても、本採用前に業務が遂行できるか、スキルがあるか等を確認することができるため、双方にメリットがあります。

トライアル期間終了後は、求職者と企業の双方が合意した場合、改めて雇用契約を締結し本採用となります。

ここで業務内容や職場環境が合わなかったと思えば、本採用を断ることもできます。

この制度は障害を抱えている方だけではなく、離職後長期間無職であった方、特別な事情で就職が不安な方なども利用することができる制度でもあり、障害者ではない場合は一般トライアル雇用と呼ばれます。


2.対象者

障害を抱えている方で、次のいずれかの要件を満たす方が対象です。

① 紹介日の時点で、未経験の職業への就労を希望している

② 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上の離職や転職がある

③ 紹介日の前日時点で、離職期間が6か月を超えている

障害者手帳を持っていなくても対象となることがあります。

また重度の身体障害や知的障害、精神疾患がある人は、①~③の要件に当てはまらなくても対象になります。


3.障害者短時間トライアルコース

障害者トライアル雇用では週20時間以上の勤務をすることとなっていますが、いきなりそんなに働けないという方のために設定されたのが、障害者短時間トライアルコースです。

まずは週10時間~20時間未満の短時間勤務からスタートし、徐々に週20時間勤務を目指します。

ただしこのコースは障害者トライアル雇用とは異なり、「精神疾患または発達障害を抱えている」方のみが対象となりますので、注意しましょう。


4.応募の流れ

障害者トライアル雇用制度は基本的にハローワークが窓口になりますが、職業紹介会社等でも利用することができます。

また就労移行支援事業所、障害者職業センターといった機関を利用していれば、その機関経由でハローワークに繋がることでも利用が可能です。

まずは窓口で障害者トライアル雇用を利用したい旨を伝えましょう。

ハローワークでは障害者専用の相談窓口も設けられているので、相談の中であなたが障害者トライアル雇用に向いていると判断されれば、向こうから提案してきてくれることもあります。

あなたが制度の対象者であることが確認できたら、求人に応募します。

障害者トライアル雇用制度では、書類選考ではなく必ず面接で選考することが企業側に義務付けられていますので、書類選考で不採用となることはありません。

面接の結果、採用となればそこから3~6か月間のトライアル雇用が開始されます。


5.メリット

①仕事内容が確認できる

障害を抱えている求職者にとって、未経験の職種であったり、長期間働けていなかったとき、その仕事が自分に合っているのかを確認できることが、最大のメリットと言えるでしょう。

②実際の職場環境に入ることができる

仕事内容は良くとも、そこで働く環境や雰囲気も安定した就労には必要な要素です。

実際に同僚や先輩、上司と一緒に働くことで、本採用後の姿をより具体的にイメージすることで、自分はこの会社でやっていけそうか判断することができるでしょう。

また自分にあっていると判断できたなら、本採用後も見知った環境で仕事をすることができるため、定着率も高まります。

③企業側へサポートを求めやすい

あらかじめ自分の障害特性との相性を把握でき、そこから企業側へ自身の障害の配慮事項を伝えやすくなります。

例えば、新しい環境が苦手という障害特性がある自閉症の方であれば、本採用後もサポートを受けながら、就労を継続することができるでしょう。

厚生労働省の調査では、トライアル雇用から常用雇用への就労移行割合が約80%と、職場定着率が高くなっていることもメリットといえます。


6.まとめ

ここまで障害者トライアル雇用制度の概要やメリットを見てきました。

障害者トライアル雇用制度を利用することで、より安定して就労を継続することができることは分かっていただけたと思います。

この施度が利用できる企業はまだ多いとは言えませんが、企業側にもメリットがあり、障害者雇用がますます推進されているところなので、徐々に利用できる企業も増えていくことでしょう。

障害者トライアル雇用で本採用に至らなくとも「実際に働いた、働くことができた」という経験は、今後の就職活動に活かしていくことのできる貴重な経験です。

この記事を読んで少しでも障害者雇用枠での就職・転職を検討したいと思ったら、是非私たちまでご連絡ください。

一緒により良い就職・転職を目指していきましょう。