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ワンピース108巻の「ウソップギャラリー」で生成AI作品の応募が認められなくなった件

2024年3月4日、尾田栄一郎先生による漫画「ONE PIECE」の最新巻である108巻が発売されました。

その108巻で生成AIについて興味深い扱いがあったので記事にしました。


私とワンピース(愛を語るだけなので読み飛ばしてもいいです)

私はワンピース大好きです。
親がジャンプを買い続けていたので人生の100%をジャンプとともに歩んでおり、第一話からジャンプで見続けているので、コミック派さえどこか遅れてるやつと思っている嫌なやつです。

108巻はエッグヘッド編が佳境に迫ってきました。
見どころを簡単に書くと

・ルフィ対黄猿
モンキー・D・ルフィと黄猿、海賊の猿と海軍の猿の激突が見逃せない
ルフィが海軍と戦うのは胸熱展開です。
海軍大将が初めて出たのはご存知の通り青キジ(クザン)。これは303話、単行本だと32巻です。
青キジにルフィは瞬殺されます。その後シャボンティ消灯で黄猿に、頂上戦争で赤狗に煮え湯を飲まされ来たのが、ルフィと大将の関係です。
それが108巻では黄猿をダウンさせます。ルフィ強くなっている!
奇しくも、大将初登場は2004年3月4日。108巻発売からちょうど20年前。
「黄猿!!  おれ達は2年前の100倍強ェぞ」というセリフがありますが、俺(この記事の作者)は現実世界で20年大将と渡り合えるのを待ってたんですよ〜〜(泣)

・バーソロミュー・くま、ジュエリー・ボニー過去編
ワンピースの中でも、非常に重い過去編です(胸糞とは言わない。その奥にある希望を信じているから)
くまの思いや、たどってきた人生、そして訪れた旅先はファンなら見逃せない。
ただ、1個言わせてもらえばくま、お前全然「だが 的を射ている」って言わねぇじゃねえか、あの思わせぶりなセリフを俺は聞きてぇよ。

・消えた尾田先生の消えた謝罪文
108巻に収録されていた1098話。
これ、ジャンプ掲載時と単行本では表紙が変わっています。
ジャンプがこちら。

ジャンプ掲載
単行本掲載

ジャンプではブルックの脚に「原稿上がりませんでした。ごめんね」とあります。
実際その話を読むと下書きのような絵があり、締切に間に合わせることができなかったようです。
人気漫画家の大変さを知るとともに、「魚人島のポーネグリフに書いてあるジョイボーイの謝罪文」を読んだ気持ちになりました。
これがコミックではなくなり、完成版となっています。
ジャンプ派には嬉しい楽しみですね。

と長くなりましたが、本題に入ります。

ワンピースのウソップギャラリーで生成AI作品の応募が認められなくなった。

生成AIでイラストを作っている私が、ワンピース108巻で最も注目をしたのがこの記載です。

ページだと180ページ。
「ウソップギャラリー」という、2次創作のファンアート(絵だけに限らずフィギュアや版画などもある)投稿ページです。
2行目の真ん中ら編
「投稿作品を作る際は、どのような方法でも生成AIの利用はおやめください」
という記載が加わりました。

107巻では生成AIに関する記述はなかった

ちなみにこれが1巻前、107巻の表記です。
(ちなみにコミック画像はすべて初版からの引用です)

107巻のウソップギャラリーの注意書

こちらでは生成AIの記載はありあません。
つまり、「108巻の初版で初めて生成AIの利用をやめるように言われた」ということです。

ここからどのようなことが考えられるのか考えて見ましょう。

ワンピースは二次創作を非常にうまく取り入れている

ワンピースは二次創作を積極に取り入れている作品です。
コミックの中の、ウソップギャラリー、さらに扉絵リクエスト、SBS(質問を募集するのだ)は広い意味で二次創作と言えるのではないでしょうか。

ウソップギャラリーでクリエイターの二次創作を取り入れた

ファンの創作物を取り上げることにより、イラスト好きや自分で作れる人のコミュニティを活性化させました。

扉絵リクエストで非クリエイターを取り入れた

読者のほとんどは自分で絵も書けないし、創作もできないでしょう。
しかし、そのような人たちは「こんなキャラクラー同士の絡みが見たい」といったアイデアがある。
作者自身がリクエストを受け扉絵にするという形で、アイデア、考え、思いつきレベルでファンを取り込んでいます。

SBSで考察を取り入れた

更に、SBSという読者の質問を作者が応えるコーナーを作り、疑問や作品はの解釈といった段階までうまくコンテンツ化することができています。
そのせいか、YouTubeで「ワンピース 考察」と検索すると画像が無限にでてきます。
これもワンピースファンを増やすには非常に大きな効果を生んでいるでしょう。

アイデアや考察などは厳密には創作とは認められないかもしれませんが、非常に面白い方法でファンを取り込んでいるのは間違いありません。

ワンピースで生成AIが認められなくなった理由の考察

そんなワンピースのウソップギャラリーで生成AIが認められなくなった理由を考えてみました。

生成AIの普及による応募作品の増加

シンプルに生成AIに作品応募が増えたのでしょう。
生成AIが一般に注目されるようになったのは2023年です。
それ以降、普及してきて、多くの人がファンアートを作るようになり、作品が増加したのだと思います。

似たようなAI作品が増えるとウソップギャラリーのコンテンツ価値が下がる

AI作品の増加により選定が大変になったり、AIによる似たような画風の作品が増えるとコンテンツとしての価値が下がると考えたのではないでしょうか。
ちなみに、生成AIでワンピースのメジャーキャラや、性転換などは簡単に生成できます。

参考:NovelAIで人気アニメキャラは作れるのか? 簡単な作り方と呪文(プロンプト)を紹介

権利関係がややこしくなる

生成AIサービスの中には商用利用を認めていなかったり、生成物の著作権をそのサービス自体が持つようにしているものがあります。

ウソップギャラリーへの応募では著作権が作者にあるものの、2次利用を許諾するルールになっています。

この2者の権利がぶつかることは予想されます。

参考:誰でも簡単!無料で使えるAIエロ画像生成ソフト5選

今後の生成AIの活用について予想

勝手に今後の生成AIの扱いを予想します。

将来的には一部AIの利用はOKになるのではないか

将来的に生成AIの活用は緩和されると考えています。
その理由として、まずマンガを書くのにAI利用が一般的になっていくと思うからです。

例えば背景を書くのとかには写真をAI処理して使うなどはすでに使われている技術でしょう。
それが今後も増えていくと予想すると「AIを使うな」というのが難しくなると予想します。

AIがNGだと、フランキー、くま、パシフィスタ、ペガパンクはどうなる

ワンピースは目下、未来島エックヘッド編です。
非常に多くの意志を持った機械やサイボーグがでてきており「お前らAI使っとらんのか?」と思っています。
未来島の技術をリアリティあるものとして描くならばAIは普通に使われているでしょう。
そういう意味でもAIを目の敵にしているということはなく、より面白いものを書くためならありになるのかなと思っています。

今度のワンピースとAIに注目しよう

ワンピースはご存知の通り日本で最も出版されている本です。
この生成AIの活用の方針はめちゃくちゃ注目しています。

続報があればぜひまた記事にしていきます!

こちらで生成AIの自動生成方法紹介しているからぜひ見てください。

Novel AIで自動で大量の画像を作り続ける方法


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