アフリカのマラウイという国は知っているだろうか?

「必要は発明の母」の言葉もあるように、斬新な発明は必要とする人がいなければならない。

新しい発明や工夫とは、大なり小なり不便さや不自由さから生まれる。

2001年、世界で最も貧しい国の一つであるアフリカのマラウイが干ばつに襲われ、国中が飢饉に陥った。

絶望的な状況に大人たちが手をこまねく中、当時14歳だったウイリアム・カムクワンバは、何とかして水を得る方法はないかと考えた末に、オリジナルの風車づくりに着手した。

自転車の部品やプラスチック板といった廃材だけを組み合わせて風力発電機を作り、見事ポンプで地下水をくみ上げることに成功した。

限界ギリギリの状況が少年の中に斬新な発想を育み、多くの人間を救った。

この奇跡的なエピソードは、後に世界中に報道され、カムクワンバ氏はタイム誌の「世界を変える30人」にも選ばれた。

これなどは、まさに制限の多い環境が斬新な発明を生んだ典型的な例と言える。

制限が創造性を育むことは、実際の研究でも証明されている。

①4個のおもちゃしなかい部屋で遊ぶグループ
②16個のおもちゃがある部屋で遊ぶグループ

子供達の行動にどのような違いが出るか観察したところ、グループにははっきりした違いが確認された。

4個のおもちゃだけで遊んだ子供達は、集中力が2倍になり、一つのおもちゃをいろんな方法で遊んでいた。

つまり、おもちゃが少ない環境の方が、子供達の創造性が上がったわけである。

これも制限の力なのでしょう。


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