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なぜか初心者4人が音楽ライブイベントに出演させてもらえた話

半年ぶりにnoteを書くんですが、ちょっとだけいろいろあったのでそのことを書かせていただきます。ちょっと長めですがお願いします。
ぼくの回顧録、回顧・ざ・ロックを。


⇧こんな事言う虹夏嫌すぎる。

僕は4月にサマソニのオーディションに応募したことがあるんですけど、その続きの話です。
 
大学生 春 音楽編 |えせプレデターD.C. (note.com)

遡ること4か月前、8月ごろの話になります。
案の定、サマソニオーディションに落ちたんですけど、そんなことはもう忘れて各々普段の生活に戻っていました。僕とプロデューサーMの二人は河川敷で、「家の鍵を草むらに投げて、必死に探す」というスリルを味わう遊びを深夜1時にしたりしていました。
今年20の男たちが。

そんなある日、前回ボーカルをやってくれた友達NからLINEが来て、
「MVの撮影の手伝いをしてほしい」
と誘われました。最近はラップにハマってる奴なので、共通の友達をDisる動画の手伝いを乗り気で承諾して、別に投稿するわけでもないのにまたちょっとクリエイティブな夏休みを過ごしてました。

そんな時、僕の飼っていたペットのグリーンイグアナが亡くなってしまったんですが、ラッパーの友達が
「レクイエムを捧げよう」と言い出し、ラッパーは一人で曲を作り、僕に送ってくれました。ヒカリという名前だったので曲名は「R.I.P.H」
MVも河川敷で悲しみにくれる僕が映っていたり、慰めるシーンとかも撮って完成度が高かったのでこれなら成仏できるだろうなと話していました。

ちょっと日が経って11月、知り合いのバンドをやっているおじさんから連絡が来て「ラップのMV良かったよ~!ぜひ良ければライブしない?」
まじか。どこから漏れた?いや、楽しそうではあるけど。ど、どうする?
「出るしかないやろ。」
本番は12月10日。前回と同様、一か月もないまま初ライブに向けて練習を始めた。

これもまた前回同様なのだが、一か月無いのにメンバー集めから始まった。
前回のメンバーはギターが今回のイベントに全然乗り気じゃなく、抜けたので僕(Dr.)、友達N(Vo. Key)の二人である。前回プロデューサーだったMは「バイトや」と言って無理だった。練習には来てくれて口出ししてくるらしい。なんやねんそれ。

NはNSC生で、芸人志望なので相方Jがいる。Jはギターが弾けるので、こいつを入れることにした。僕も友達なので大歓迎である。
まず、曲数である。何曲やるか、何をするか、ペットのレクイエムは誘ってくれた原因でもあるし、やりたいね。とは話していた。僕だけ、リーダーとしてライブイベントの打ち合わせに行かせていただいた。知り合いのバンドのメンバーはゲームクリエイター、歯科医院長、某食品会社の関西支部長、コスプレイヤーである。メンツのキャラ濃くない??


4組出るイベントで、僕ら、知り合いのバンド、バッチバチにタトゥーが入っている女性のバンド、変態である。変態に関しては、音楽なので変態的技巧とかギタークッソ上手いとかなのかなー。と勝手に考えていたが、実際会ったら、女性用の下着だけを履いてローションでテカテカの本物の変態が現れた。絶句、唖然、開いた口が塞がらないとはこの事である。
ちょっと待って。僕の初舞台ということでどこから聞きつけたか知らないが、幼馴染の女の子来るんだけど!?10年ぶりに会うのにそんな変態いるところで感動の再会果たすの??

一組持ち時間は40分である。40分!?長すぎる。早速バンド会議である。
11月16日に初のスタジオ練習を入れてメンバー全員集まった。全員初心者の
ギターJ、ラッパー・キーボードN、ドラム僕、プロデューサーMである。
曲の合間、込み込みで1人1曲作ろうと決まり一週間後を期限にその日は解散した。

一週間後の11月23日、Jは高校生の時マッチングアプリで出会った43歳子持ち熟女との恋愛模様を歌った曲を持ってきた。気合入りまくりである。Nはラップを持ってきた。ギターとドラム両方むずすぎてオジャンになった。
そして僕は、その、何も思い浮かばなかった。本当に、まじでごめん。その、この一週間、大学が休講だったからおばあちゃんのいる東京に帰っていた。その、今からなら、ばあちゃんと行った東京の街中華に3時間並んだ末に出された定番メニューの角煮定食がデカすぎた曲とか作れるけど。角煮1個800gあって俺も死にかけたし、ばあちゃんも三途が見えたって言ってた歌とか作れるけど……。

12月3日、12月に入って、全員焦っていた。プロデューサーのMにも歌詞を考えてもらった。

俺はポイ活頑張っている~♪

知らないよ。ポイント貯めて効率的に買い物してるお前の事情は。僕ら別に頑張ってないし。

あんまり人の曲はやりたくないよな、カバーとか正直だせぇし。俺たちのロックンロールを貫きてぇよな。と、変な意地を張っていたが、決まらなさ過ぎてフジファブリックの「茜色の夕日」をやることにした。名曲だね。

12月6日、本番4日前。予定的にちゃんと合わせられるのはこの日だけだったので、夜11時から翌朝5時までスタジオを取り、練習にあてた。ラッパーのNは
「せっかくお前のおかげで誘ってもらえたんやし1曲くらい歌えよ。」
いや、いいよ。歌いたくないからドラムやってるんだし。
「歌詞も考えたから。お前のこと想って。」
まじか。まあ一応見せてもらうわ。

内臓ぶちまけそうな 形相で
今日も異常を偽装 奥底で
毎度 本音を埋葬 マイホームで
愛想尽く周り皆 そりゃそうで

え?これ僕?
「ほら、鬱病の人ってこんな感じの曲好きやん。」
僕、鬱病だと思われてんの???お前と8年の付き合いになるんだけどずっと???

悪くないなとは思ったけど、別に鬱病じゃないし。鬱病の人が好きそうなのも偏見すぎるだろ。

練習を続けて朝の4時、全員限界である。Jがタバコを吸うため、休憩がてらみんなで喫煙所に行った。芸人志望が2人、お笑い好きが2人なので謎の即興で缶チューハイと漫才をするノリが始まった。ここが地獄である。笑い無しの中、僕の番で「マッチングアプリで来た男がヤリモクすぎる」というネタをやった。感想は「最悪だ……」「終わってる……」「言葉が出ない……」言い過ぎよ。おもんなかったとしても。ダブル勃起ドラゴンとかやったのに。おもろいやろダブル勃起ドラゴン。
プロデューサーのMが急に
「あっ。そういえば俺本番バイトじゃなかったわ。」
え??
Mは面白いやつなので何かやらせたいと思い、とりあえず何かやれよ。タンバリンとかでもええから。と言った。

12月10日、本番当日。ライブは19時からだったので、14時に集まって最後の練習をした。Mはタンバリンを持っている。なんかやけに本物っぽいやつ。
どこで買ったん?
「しまむら。」
え?洋服の?
「島村楽器や。」
高そうやけど、なんぼしたん?
「5500円。」
嘘だろ。僕らが想定してたのはドンキで売っている300円くらいのタンバリンだった。
「見ろ、本革や。」
こいつ、めちゃくちゃアホなんじゃないのかな。

本番である。心斎橋にある雑居ビルに入っているバーが会場だ。リーゼントの店長に挨拶をし、リハを終え、19時になり続々とお客さんが入ってくる。マジモンの知らない人の前でやると思うと冷や汗が止まらない。
客層でいえば、タトゥーがめちゃくちゃ入っているおばさん、尖ったカップル、超地雷メイクの若い子。その他諸々カオスだった。


超地雷メイクの子と目が合い、手を振ってきた。人見知りなので「誰だてめぇこら。舐めんなよボケ」と思い睨んだらその子が幼馴染だった。10年で人は変わります。Jが幼馴染にライターを貸してもらってから僕の方に寄ってきて
「悪い。好きになっちゃったかも。」
嘘だろ。チョロすぎるよ。
ええやんけ。とだけ返してライブが始まる。

こんばんは~。今日はよろしくお願いします!早速やらせてもらいまーす!!

セットリストは
・鬱病の人が好きそうな曲(歌うのはN)
・菊の花(Jの恋愛模様を歌った曲)
・茜色の夕日(フジファブリックのカバー)
・R.I.P.H(レクイエム)

1曲目と2曲目の合間にJの43歳子持ち熟女との恋愛模様の語りを入れた。

もうすでに良い曲やんけーー!  最高やんけーー!!

ヤジが飛び交い反応が良かった。大阪府民の本領発揮である。Jも嬉しそうだった。

2曲目と3曲目の合間にメンバー紹介をし、これがハマって嬉しかった。
それぞれソロで演奏させようと計画をしていて、オチにタンバリンを持ってきたらウケると考えていたら、ちゃんとウケて大盛り上がりだった。Mが参加してくれて本当に良かった。擦りまくって結局3回メンバー紹介した。

40分の持ち時間で結局30分ちょっとしかできなかったが、想定は20分くらいだったので初心者の初舞台にしては上出来?だった。
ライブが終わってから主催者のおばちゃんが寄ってきて

「あんたらヘッタクソやなぁ!!!でもそれでええねん!!あんたらはそのまま金稼ぎ!!」

とほぼ酔っ払いに言われ、褒めてんのか分からないがお礼を言って僕らの初舞台は幕を閉じた。

そこからはタトゥーバッチバチの女性のバンドのときに、酒でびちゃびちゃの床ででんぐり返しをさせられたり、Mが気に入られて連れていかれたりと楽しい時間を過ごした。

帰りに心斎橋商店街でMが

「いやぁー、S〇Xより貴重な体験させてもらいましたわ!!」

声がでけぇ。確かにそうだと思うけど。あんま公共の場で言うもんじゃない。

軽音サークルでもないのになぜかライブイベントに出演させていただいた話でした。また機会があればよろしくお願いします。

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