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まいにち決算①【WOWOWは巣ごもりの恩恵を得られていない?】

今日からまいにち決算分析始めてみます!

簡単に①テーマ企業の概要と事業内容、②決算から見える直近の動向、③今後の分析と課題をまとめます!
(いつまで続くかわかりませんが…笑)

記念すべき一回目は放送&配信事業者のWOWOWの2021年3月期 第二四半期決算です!

企業の概要と事業内容

株式会社WOWOW
・1984年設立
・社員数573名(単体299名)
・コーポレートメッセージ:見るほどに、新しい出会い。WOWOW
 (新たな世界との出会いを生み、多様な価値観を求める社会を目指す)

・企業理念:私たちはエンターテインメントを通じ人々の幸福と豊かな文化の創造に貢献します

事業内容:①放送事業
自社で番組の制作・調達をして行う、BSデジタル有料放送サービス
WOWOWメンバーズオンデマンドという加入者限定の動画配信サービスも運営

事業内容:②テレマーケティング
WOWOWの顧客管理とテレマーケティング
顧客のフォローで解約率の抑制に貢献しています

事業としては上の2つを掲げていますが、言わずもがなメインは放送事業で、前年通期では売上高の約9割を占めています!


WOWOWへのコロナの影響は?

それでは決算書を見ていきましょう、2021年3月期 第二四半期決算です!

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表のとおり、前年同期比で売上高が-4%営業利益が+68%となりました
売上高に関しては、コロナの特需で大きく業績を伸ばしたネットフリックスと比べると微妙な印象を受けます

ここでの問いとしては、①なぜWOWOWはコロナで業績を伸ばせなかったのか? ②なぜ売上高が減少しているのに営業利益が大幅に出ているのか?の2つが出てきます。

そんなWOWOWの放送事業の売上は以下の式で決まります

売上高 = 有料会員数 × 視聴料

視聴料が基本据え置きという事を考えると、有料会員数が重要なKPI(業績を評価する指標)となります。
その有料会員数について、コロナ後の推移を示したものがこちらです!

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コロナの感染拡大が始まった3月から減少し、7月を底に直近は回復してきています。この推移の理由が先ほどの2つの問いの答えに直結します。



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そう、8月から9月にかけて開催された全米オープンテニスです!

実は、WOWOWの主力コンテンツは、映画やドラマでなく音楽ライブやステージ、スポーツイベントであり、有料登録会員数もその人気に大きく左右されます。

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コロナによってスポーツイベントや音楽ライブが延期・中止となったことが今回は大きな痛手となりました。

そういう意味で、WOWOWのビジネスは現時点では外部要因に大きく左右されるモデルと判断できます。

ちなみに、売上高が減少しているのに営業利益が増加していたのも、イベントの中止によって番組費が大きく減少してコスト構造が変化した影響で、一時的なものと考えられます!

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今後の事業戦略の分析

中期経営計画によると、WOWOWは今年度までの戦略に①オリジナルコンテンツの強化、②マーケティング改革による顧客創造、③サービスの高度化を掲げています。

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ネットフリックスやAmazonプライムなどのVODを明確に意識している節がありますが、正直ネットフリックスの「全裸監督」、Huluの「Niji Project」のようなヒット作は未だ出ていません…

放送と連動したリアルイベントの先駆けであった、パラリンピックとのコラボ事業も延期になった事から当分は耐える期間が続くと思われます。(この企画今回初めて知ったけどおもしろそう)

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将来的にKDDIが「5G×VR」で参入を計画しているライブ領域も競合しますね…
WOWOWの行く先は正直 前途多難。外部要因に左右されない継続的なヒットコンテンツをリアル×放送領域の強みで生み出せるかが今後のポイントですかね…!

今日の「まいにち決算」は以上です!ありがとうございました!!


僕もまだまだ勉強中ですが、決算分析に関心を持った方は以下の書籍がリーズナブルでおすすめです
・決算資料からビジネスの仕組みが見えてくる/シバタナオキ著


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