【MTG】青緑重厚/UG Backbone【エクスプローラー】
はじめに
ここ最近、青緑重厚(パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る)デッキの話を記事に出している。記事を読み返していてふと思ったが、そもそものデッキの話をしていないことに気づいた。
そこでMTGArenaのエクスプローラー環境で組んでいる青緑の非防衛型重厚デッキの解説をする。
まずはデッキリストから。
このデッキは何をするのかというと、クリーチャーを並べて重厚にして殴り抜けるのである。
以前紹介した白緑重厚のようなやや複雑な手順などもなく、クリーチャーを並べたら重厚にする置物を出して殴るだけだ。赤単に近いシンプルさだと言える。
基本的な動きとしては《樹上の草食獣》から2ターン目に3マナを出せるようにし、1マナのクリーチャー(理想は《神盾の海亀》)と2マナの《突撃陣形》が出せることを目指す。
2ターン目に実質3/3と5/5を2体並べることができれば、相手は後手に回らざるを得ず、そうなればあとは《逃亡者、梅澤哲子》でアンブロッカブルにしたり、《塔の防衛》で打点を急に上げたりすることで殴り勝てるだろう。
4マナ0/17の化け物《怒り狂う島嶼、キャリクス》がデッキに入っているので、いつでもワンチャンあるのと、《逃亡者、梅澤哲子》で全員アンブロッカブルになるので非常に殴りやすいところが長所。
以下採用カードとその理由を解説。
クリーチャー
《神盾の海亀》
1マナ0/5バニラ。以上。
これ以上ない非防衛の高タフネスクリーチャー。重厚の影響下では実質5/5になるという非常に頼もしい1枚。《致命的な一押し》を喰らってもお互い1マナで1:1交換!
何枚引いても嬉しいので4枚採用。
《樹上の草食獣》
1マナ0/3到達。ETBで土地を手札からタップインできる。
土地を加速させることで先行なら一手早く、後手なら先手に追いつけるようになるのが強い。
また、重厚にするカードが3マナなので、そこに最速で到達できるようになるのも偉い。
重厚になると1マナ3/3到達と、やや物足りないが許容範囲。
地味に持っている到達が非常に偉く、スピリットを止めたりフェニックスと相打ちしたりできる。
初手に1枚欲しいので4枚採用。
《神盾の海亀》共々モダンくらいまでは非防衛型の重厚デッキを組むなら確定で採用できると思う。
《逃亡者、梅澤哲子》
2マナ1/3と重厚デッキでは、やや頼りないP/Tをしているがパワーかタフネスが1以下のクリーチャーをアンブロッカブルにする非常に強力な能力を持っている。
このデッキにパワー2以上のクリーチャーは入っていないので全員アンブロッカブル確定。
重厚の影響下では自身もブロックされない実質3/3として機能するので重厚カードを見せる前に迂闊にマイナス能力を使ったPWなんかを叩き落としたりも。
伝説故に2枚目を引きたくないが、ゲーム中1回は引きたいので3枚採用。
ネタが割れると即座に除去が飛んで来るので4枚採用してもいいかもしれない。
《龍の眼の学者》
2マナ0/6という高タフネスのP/Tでありながら防衛を持たない、非常に珍しい1枚。
イゼット・フェニックスの5点火力を耐える硬さを持つ。
裏向きに出すための3マナなんて払ってられるかよ! と思っていたが《樹上の草食獣》から3マナは結構出ることに気づいたので採用。
仮に3マナが出なくとも2マナ6/6相当なのでだいぶ強い。パワー5を受け止められるのは偉大だった。
手札を見る能力も公開されたカードがずっと公開されるMTGAでは非常に強力。相手のデッキをぼんやり推測出来たりもする。
2点火力とかが飛んできたときに表にできると気持ちが良い。
それはそれとして《致命的な一押し》に弱すぎるのが欠点。
1度ネタがバレると2枚目以降は無駄になりがちなので1枚引けたらいいなの3枚採用。
イゼフェニ対策で満足しているが、別にこれがいなくても、そもそも微有利なので他のカードと替えてもいいかもしれない枠。
《世渡り上手の交渉人》
Q.2マナ0/2で熊相当のP/Tだけどなんで入ってるの?
A.隣に立ってる0/5とか0/6を打点上げて殴らせられるから。
2マナなので実質《突撃陣形》。
1ターン目に出した《神盾の海亀》を6/6にして殴らせることができる非常に優秀なやつ。
賛助での能力共有が1ターン限定なのが悔やまれるが、終わっても自身と合わせて最低3点出るのが偉い。
《樹上の草食獣》が初手に来なかったときのマリガン率を大幅に減らした(海亀とこれと土地があればキープして良くなったため)。
自分に+1/+1カウンターを乗せて2マナ3/3重厚として動いても十分優秀。
この状態でもP/T自体は1/3であるため《逃亡者、梅澤哲子》の恩恵を受けられる。
1ターン目《神盾の海亀》、2ターン目《突撃陣形》とやってることはほとんど変わらないのだが、殴った返しにヴェリアナ着地、みたいな最悪のパターンを回避できるため、クリーチャーが2体並ぶというのが重要。
また、こいつ自身は常に重厚のため、《塔の防衛》と実質2枚コンボになる。
何枚引いても嬉しいので4枚採用。
たまに本当に何枚も来て実質3/3を量産することになる(4/4や5/5を作ろうとすると《逃亡者、梅澤哲子》の恩恵を受けられないので基本的にしない)。
《怒り狂う島嶼、キャリクス》
フィニッシャー兼、アグロデッキへの蓋。重厚デッキで青を握る理由の半分を担う(残りは《逃亡者、梅澤哲子》と《神盾の海亀》)。
重厚能力下では実質17/17なので殴れた時の爽快感がすごい。
とはいえ、下環境の4マナは基本フィニッシャーの枠であり、キャリクスが本当にそうなるためには《逃亡者、梅澤哲子》によるアンブロッカブル化はほぼ必須。
デッキの土地は24枚だが、碌にドロソがないので4マナに到達できないこともしばしばあり、そうなると手札でモジモジするのが難点。
《太陽の義士、ファートリ》がいると17点回復できるため、赤単やイゼフェニが悶絶するし、そうでなくともダメージレースをぶっ壊せるので殴り合いなら勝ち筋にもなってくれる。
インクの染みとして、対戦相手がキャリクスを対象に取る場合、呪文のコストが2上昇する能力を持っており、時折そのことを忘れたであろう相手が、殴っているキャリクスを点滅させて爆発することも(護法ではなく追加コストのため打ち消されない呪文にも対応している)。
まあ、能力に対応してないので《放浪皇》に取られるんですけど……。
3マナ払って《島》の分だけP/Tが上下する能力は重厚カードが引けなかったときに結構使うので覚えておきたい。何も知らずに突っ込んでくる相手を返り討ちにできたりするので。
1枚は引きたいけど初手に引きたくないし、最悪引けなくてもいいことから2枚採用。できることなら3枚採用したいが……。
《秘密を知る者、トスキ》
どうしても後半手札が尽きてリソース負けするのでお試しで採用。
4マナという重さがどうしても気になるが、《塔の防衛》や《逃亡者、梅澤哲子》など、引ければ勝てるカードはそれなりにあるため採用。
コントロール相手に破壊されず、打ち消されないというのが非常に強い。
正方のP/Tなので重厚の恩恵は皆無だが、パワーが1以下なので《逃亡者、梅澤哲子》の恩恵を受けられる。哲子本人と合わせて2ドローできる可能性があるのは頼もしいところ。重厚にさえなれば《塔の防衛》で打点を上昇させられないこともない。
4マナ域はこのデッキだと重い部類なので2枚採用。
《怒り狂う島嶼、キャリクス》と合わせて4枚(=どちらかをゲーム中に複数枚引けるはず)という考えで採用している。
スピリットとかに打ち消されなくてコントロールの全体除去に耐えてリソースを稼げて低パワー高タフネスのカードが他にあれば良いのだが……。
呪文
《渦巻く霧の行進》
全体除去回避兼、5枚目以降の《逃亡者、梅澤哲子》。
基本的に手札を全部盤面に叩きつけてオールインする感じのデッキなので全体除去を撃たれると詰む。それを回避するために入っているのが半分。
もう半分の理由としては対戦相手のクリーチャーをどかすために使っている。
打点が優秀なクリーチャーでも、いずれ同じくらいのサイズのクリーチャーや接死持ちなどが出てくると膠着状態になるので、それらの邪魔ものをどかして無理やりダメージを与えて勝つ。
勝ち筋を作るカードでもあり、負け筋を潰すカードでもあるのでお気に入り。
哲子やキャリクスのような手札で余りがちなカードをマナコスト軽減用の弾にできるのも良い。緑行進もこれくらい強かったら余った《突撃陣形》弾にできて良かったんですけどね。
基本は5枚目以降の《逃亡者、梅澤哲子》のため、1枚引ければ良いの精神で3枚採用。
《塔の防衛》
自軍クリーチャーに+0/+5修整と到達を与えるカード。
重厚状態であれば実質+5/+5、クリーチャーが2体いれば打点が10点伸びるため、《樹上の草食獣》と《神盾の海亀》の8点ダメージが18点になる。
1体ごとに5点の伸びが素晴らしく、上振れしたときは上位のデッキにも引けを取らない速度で勝つ。
時折、到達付与を利用して、飛行クリーチャーを返り討ちにすることも。
クリーチャーがいて、重厚にするカードがあって、これがあって初めて機能する3枚コンボなので正直安定性を重視するなら入れたいカードではないのだが、メタ上位に上がれないデッキが安定性とか追及しても仕方ないので採用している。尖らなきゃ勝てねえんだ。
最近は《世渡り上手の交渉人》のおかげで重厚になったクリーチャーを用意しやすくなったり、交渉人本人が重厚なので2枚コンボになったりと以前よりは使いやすくなった。
2枚以上引きたくないが1枚は引かないと殺意が足りないので3枚採用。
《突撃陣形》
重厚デッキを作るなら必須のカード。
これ以外の全体重厚付与カードは3マナ以上と重いのでいつまでもこれが最高の1枚。1マナ軽いのは正義。そろそろ11年経つんですけど、いつまでこれをしゃぶってればいいんですか……?
防衛持ちを動かす能力はこのデッキでは一切使わないインクの染み。
3マナで全体に+0/+1する能力は実質+1/+1なのでそれなりに使う。相打ちできると思って突っ込んできた相手を返り討ちにしたり、1点ライフが残ると思っていた相手をそのまま爆発させたり。
青行進(や火力が予想される場合の)《塔の防衛》用のマナを立てておきたいので、勝てるか圧倒的な盤面破壊がない限り、3マナだけが立っていても起動しないのが吉。6マナあっても1回の起動が良い。
何枚も引きたくないけど初手にないと困るし可能な限り序盤に引きたいので4枚採用。
《太陽の義士、ファートリ》
3マナで自軍を重厚にする常在型能力を持つPW。防衛持ちを殴れるようにはしてくれない。
何故かクリーチャーがいないと機能しない能力を起動するのに-3も忠誠度を取られる。同じサイクルで同じ忠誠度のキオーラは消費-1で土地を対象に取れるから腐らないのにおかしいよなあ!?
キオーラと同じ消費量だったら非常に便利だったのだが、そんなことはないので基本的に忠誠度能力は使用しない。赤単やイゼフェニ相手には生き残ることが大事なので落とされるのが見えていても使う。キャリクスが横に立っていると赤単はたまに爆発する。
腐ってもPWなので、割と殴られる。手札に2枚目がある場合や、他の重厚付与カードがある場合にはわざと忠誠度を下げて攻撃や火力の的として誘導するのも手。これしか重厚付与カードがない場合は適当に守ろう。忠誠度能力を使わなければノーガードでも2回くらいは耐えられるので相打ちしてでも守ることはおすすめしない(守れば勝てる、みたいな状況はあまりないため)。
なんだかんだPWなのでクリーチャーを展開していると触られづらく、それなりに頼りになることもある。
《突撃陣形》より重く、複数枚引きたくないので3枚採用。
《世渡り上手の交渉人》の重厚付与が1ターン限りなことを考えると、4枚にした方が良いのでは……と思わなくもない。
《レンと次元壊し》
対コントロールデッキ、あるいはクリーチャーをひたすら除去され続けた時用の立ってるだけで勝てるPW。
《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》の代理。
ニッサはパイオニア範囲のPWだが、エクスプローラーに実装されていないので、マナコストが同じで立ってるだけでコントロールに勝てそうなPWとして《レンと次元壊し》を採用。
小マイナスと奥義は良いが、小プラスがターンを跨いで土地をクリーチャー化する能力なので、全体除去への耐性がないのがいまいち。
早いところ《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》の実装が待たれる。
1枚で戦況をどうにかする予定なので1枚採用。
土地
ショックランド4、ダメージランド4を基本に適当に。
タップインが辛いデッキなのでファストもスロウも入っていないが、《樹上の草食獣》のことを考えるとスロウは2枚くらい入れていいかもしれない(初手に引きたくはないが途中で引ければ色事故を軽減できるため)。
《ヴァントレス城》はこのデッキにおける貴重な疑似ドローソース。3枚にした方が良い気がするが、《樹上の草食獣》を初手で出すためにデッキ内の青土地の比率はあまり上げたくないので悩ましいところ。
《眠らずの蔓茎》は起動が重くクリーチャー化したときに正方になるためあまり恩恵はない。ただ、トランプルを持っているので最後の一押しなどには役に立つし、重厚にする置物を破壊され尽くした後に隣に立っているクリーチャーの打点を3点に引き上げられるのも偉い。
《天上都市、大田原》も大概だが、《耐え抜くもの母聖樹》が高すぎて紙で作るのを躊躇う。
サイドボード
サイドボード下手くそマンなので全然わからない。誰か教えてください。
なんなら上振れたら勝てるの精神で弄らない方が強いかもしれない。
コントロールとコンボとランプと撹乱アグロに弱いので主にそれらへの対策を積んでいる。ラクドス・ミッドレンジみたいな除去してくるタイプのミッドレンジにも弱いけど枠がないので対策は諦めました。ブン回ることを祈ろう。
《呪文貫き》3枚
困ったらこれ。主にコンボデッキ用。あとは《創案の火》とか5ハゲみたいな重めのカード対策。テンポさえ取れれば勝てるはずなので《否認》ではなく構えやすいこっち。
基本は相手の4マナ5マナ域の捲り札を止めてそのまま殴り抜けるためにトスキやキャリクスなど重めのカードを抜いて入れる。全体除去がなさそうなコンボ相手なら青行進とチェンジでも良さげ。
《墓掘りの檻》2枚
ライブラリから踏み倒してくる系対策……なのだが《不屈の独創力》に効かないので抜いた方が良い説あります。なんで入ってるんだっけ……追加の《魂なき看守》だっけ……?
《減衰球》3枚
ニクソスと《睡蓮の原野》が許せないので入っている。重めのカードと交換して、相手がもたついてる間に《塔の防衛》で殴り勝とう。
《魂なき看守》3枚
クロクサは元気に脱出してくるし砕骨や借り手も元気に追放領域から出てくるので看守を名乗らないで欲しい。
主に猫かまどとパルヘリオン対策を取りながら殴れるカード。
猫かまどはクリーチャー除去入ってるから《墓掘りの檻》のが良い説あります(パクられてサクられた上に食物2個出るので相性最悪)。
イゼフェニに処理強要してるときが一番輝いてるけど元々有利な相手の首を更に絞めても仕方ないし、こっちも檻でいい。
同じ2マナなら《風化したルーン石》のが強そう。せめて《墓掘りの檻》内蔵だったら……と思うことが多いので檻と枚数逆にするかこっちを抜いたほうがいいかもしれない。
マナコスト的に《龍の眼の学者》と交換が良さげ。
《アゾカンの射手》3枚
タフネス1のクリーチャーの処理方法が思いつかなくて入れた苦肉の策。
3マナなのが重すぎ。一応到達を持っているのでブン回ったときにスピリットに刺さる。基本は《龍の眼の学者》と交換が良さげ。バウンスするカードでいいんじゃないか枠。
《レンと次元壊し》1枚
コントロール対策枠。《突撃陣形》かファートリと交換。コントロール対策としては不安な面が多いので、一刻も早い《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》の実装が待たれる。
重厚にするカードの分、他のデッキより枠がカツカツなので、正直メインデッキの動きを阻害せずに上手くサイドボード交換ができてる気がしない。
役割に余裕のあるカードが一部のクリーチャーしかないので、実質アグロデッキなのに打点を減らして対策をせざるを得ないのも問題。
クリーチャーが引けなくてゲームが伸び、結果、対策を乗り越えられて負け、という本末転倒な事態によく陥っている(重厚付与カードを抜いても似たような状況になる)。
そもそものデッキ構造が、コンボを達成してようやく始動するアグロデッキなのでいろいろなものに弱すぎるというのもあるが……(クリーチャーを除去されても重厚付与置物を割られても辛い)。
ちょっとテンポを取っても押し込めないことが多いので、いっそのことコンボとかコントロールを大幅に減速させるために《石の脳》あたりを入れたほうが良さそうだと最近は感じている。
あるいはアグロ対策・重厚置物対策に入れてくるであろう除去を見越して生物と重厚付与置物抜いた上で、PWと置いてるだけで勝てる置物を大量投入してデッキの構造を変えたほうが強いんじゃないかという説があります。ちょっと重くても《樹上の草食獣》で一応マナ加速できるしね。
回し方
1.1マナのクリーチャーと重厚付与カードが引けることを祈って初手確認。どちらも引けてない場合はマリガンしたほうが良い。手札の状況によるが土地は3枚あるのが理想(2マナが多い場合は2枚でも可)。
2.初手《樹上の草食獣》だった場合は3マナに到達したい。1マナクリーチャーと《突撃陣形》が置けるとベスト。できない場合は《突撃陣形》よりも2マナのクリーチャーを出すことを優先。
3.ファートリや《突撃陣形》を設置して攻撃開始。《逃亡者、梅澤哲子》を引き当ててアンブロでダメージレースを仕掛けるか、《塔の防衛》や《渦巻く霧の行進》でゲームを終わらせる。
4.《怒り狂う島嶼、キャリクス》で蓋か《秘密を知るもの、トスキ》でリソースを確保しに行く。
以上。
初手の優先度は基本的に以下のようになる。
1位:1マナクリーチャー
2位:土地(緑マナ発生源>青マナ発生源)
3位:重厚にする置物か《世渡り上手の交渉人》
4位:それ以外
クリーチャーを2体以上展開した上で《突撃陣形》などを置いて殴り始めるのがこのデッキのオーソドックスな動きとなる。2体いれば《塔の防衛》で10点追加できるというのが主な理由。
そのため、2ターン目に3マナと1マナクリーチャーを確保できていると2体展開しながら1ターン目に出した《樹上の草食獣》で殴れてテンポが非常に良い。
とはいえこの動きはブン回り限定なので、大体2ターン目にマナを構えて1マナか2マナのクリーチャーを展開することになる。
2ターン目に《突撃陣形》を出して殴り始めても良いのだが、返しに除去されると1:1交換をされ続けてゆっくり負けていくため、除去などの妨害を間に合わせないために2体以上は欲しい。
特に2ターン目に、1ターン目に出したクリーチャーだけで殴り始めると3ターン目に2マナ以上のクリーチャーを追加して4ターン目に2体で殴ることになる。
それよりも2ターン目に2体目を出して3ターン目に2体で殴るほうが基本的にキルターンが早いので、2体以上並べてから殴ることは常に心掛けたい。
ただ、相手も1マナのクリーチャーを出して来たり、黒っぽくないと思った場合、あるいは《塔の防衛》を抱えているなら1体から殴り始めても良いかも(ex.緑単相手に《神盾の海亀》→《突撃陣形》は適正なプレイング)。
重厚にすることさえできればあとは普通のビートダウンなので殴るだけである。
重厚にする置物が破壊されたりするかもしれないが、3種11枚入っているので自然と2枚以上引く上に、それぞれクリーチャー、エンチャント、PWと別種のパーマネントなので意外と全部に触れられることはない。 キープ基準に困った場合、クリーチャーを除去され続けると弱いので、基本的にはクリーチャーを多めに確保すること。重厚にする置物は後から引ければ十分。
また、《怒り狂う島嶼、キャリクス》での17点パンチワンチャンがあるため、最後まで諦めないこと。除去されたら諦めよう。
終わりに
改めて握っているデッキを俯瞰して見ると、なんとまあ線が細いデッキであることか。
サブプランがほぼないため重厚デッキの欠点である、クリーチャーと置物をバランスよく出して維持しなければならないという部分が丸だしである。
根本のギミック部分がバレると、ほとんどのデッキがプレイングでどうにかできてしまう(置物かクリーチャーに干渉できれば良い)タイプのびっくりどっきりデッキのため、今まではメインで握っているデッキの存在を動画やSNSなどに公開することもなく秘匿し、改良を一人寂しく行っていた。
しかしデッキリストを公開・共有する風潮になって20年くらい経つし、一人での調整に限界を感じ始めてきたのでMTGAで握っているデッキを公開することにした。
重厚デッキに一家言ある、あるいは単純にこうしたほうが良いのでは、と思われた方からのアドバイスお待ちしております。具体的にはコントロールとラクドス・ミッドレンジ辺りに強くなりてぇ……。
教義上の理由で3マナ2/4とか、あるいはP/Tが3/5とか4/5のそれだけで殴って勝てるクリーチャーはなるべく入れたくないです(わがまま)。
あと当然、2/1や3/1のような頭でっかちはこのデッキでは実質1/1ということはお伝えしておきます。
今後の改良案としては、文中で何度も触れているように《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》がMTGAに実装されてくれれば非常に優秀なサブプランとなってくれる。
そうなればトスキも《レンと次元壊し》も入れなくて済むので、多少はデッキに余裕ができるはずだ。
ちょっと意義が怪しい《龍の眼の学者》と合わせて6枚の枠が3枚のニッサに圧縮できれば、余った枠に《呪文貫き》でも入れてサイドのやりくりをもう少し簡単にできるだろう。
また、《床岩の亀》の採用も考えている。
後詰である《怒り狂う島嶼、キャリクス》と同じマナ域であることに怒り狂いそうだが、腐っても重厚にする置物を兼ねた非伝説生物であるという点はデッキ内の役割として非常に融通が利く。2マナ0/4や3マナ0/5であってくれれば一切文句なく採用できたのだが……。
この記事の公開で、4マナで全体に重厚付与するカードは、よほど能力を盛らない限り採用するのが辛いということが広まってほしい。
呪禁永続にして重厚自ターン限定になりません? あと打ち消されなくして?
この記事によって重厚デッキに触れてくれる人が増えてくれたらなあという気持ちと、もし本当に増えてミラーマッチになったら引きが良かったほうが勝つからミラーマッチやりたくないんだよな……という気持ちが今もせめぎ合っているが、上述の通り、個人でこのデッキを調整するのは限界だと感じたので公開することにした。
なんやかんや言ってるが、非防衛重厚デッキの中では勝ちやすい方だと思うので余裕があれば使ってみて欲しい。
感想とアドバイスはいつでも受け付けています。
願わくば奇跡が起こってWotCに重厚の現状が届き、1マナ以下で触れられにくくハンデスにも強く複数枚並べることに意味があり、固有色が緑か白を選べる《突撃陣形》がデザインされることを祈っている(固有色緑だと統率者でE本田に入れられず、白単色だとこのデッキに入れられないため)。
本腰を入れて書いたデッキは有料で追加コンテンツを書くのが個人的な習わしなのだが、今回はすべて公開することにした。
それはそれとして本腰を入れたので、本当に心動かされた場合は、わずかばかりの心づけをいただければ幸いである。
主に《耐え抜くもの、母聖樹》購入資金の足しにします。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?