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Interview with HOSTIA

<Interview date / 11.30.2020~12.7.2020>

―ニューアルバム「Carnivore Carnival」リリースおめでとうございます!2年ぶりのアルバムリリースですね。周囲の反応はどうですか?
St. Anacletus(Gt:以下St.A) 順調だよ!反応はかなりポジティブで、リリース以降今でも嬉しい声を聞かせてもらってるし、いつも最高の気分だよ!


―なによりです!日本のリスナーに向けて簡単にHOSTIAのキャリアを紹介してください。

St.Sixtus(Vo / 以下St.S):俺たちは90年から様々なポーランドのバンドで演奏してきた友人の集まりで、2017年に一緒にジャムをするために集まったんだ。その後バンドで活動するようになったんだけど、デビューアルバムに対して予想外に良いフィードバックがあったからね。スタジオワークに加えてライブもするようになった。そして、2020年秋にセカンドアルバム「Carnivore Carnival」をリリースした。簡潔でシンプルなストーリーさ(笑)


―過去に受けたインタビューで、覆面をしている理由を話してましたよね。「ex.○○」という肩書の印象を避ける為とのことですが、スタンスは今でも変わっていないようですね。

St.A:もちろん。リスナーには音楽に集中してもらいたいんだ。だってそれがバンドの目的だろ?



―新譜「Carnivore Carnival」について。制作前に目指すサウンドや伝えるメッセージのコンセプトは決めてましたか?
St.A:う~ん、そういう目標を設定しようとは考えなかったな。
というのも、音楽は自分の中から出てくるもので、創作は純粋で自然なものであるべきだと思うんだ。だから毎回自分たちが聴いて楽しいと思えるような曲を作りたいと思ってる。ルールを設けないことのメリットはそこなんだよね。


―前作では遊び心のあるパートも聴けたけど、今作はよりアグレッションに特化している感じですね。

St.A:そうだね。同じような曲を何度も録音するのではなく、できるだけ残虐な音楽を作るということを自分たちに課してるんだ。
「Carnivore Carnival」にはこれまでにやった中で最も速い瞬間と、最も遅くて重い瞬間がある。Hostiaのコンセプトを考えてみると反宗教的な態度をとっているのは明らかだよね(笑)。俺にとってその反抗心は心の自由をもたらしてくれるんだ。


―なるほど。曲はどんな風に作ってるんですか?

St.A:大体の作曲は家でギターを弾きながらアイデアを録音するところからスタートかな。デモを作って、それをSt.Sixtus(Vo)に送って、ボーカルをどう乗せるかを確認する。その後バンドでストンプしていくわけ。


―全体通してパンク・ハードコアライクな面も多いと思ってます。

St.A:そうだね。コンチェルトに影響を与えるものは全て削ぎ落とすようにしていて、ムカついた時にこういう音楽を聴くと怒りを克服して元気になれる。少なくとも俺には効くよ(笑)。
偉大なテクニカル・メタル・バンドを侮辱しているわけではないし、高い技術を披露している素晴らしい音楽はたくさんあるんだけど、正直言ってほとんどのそういう音楽を聴いていると眠ってしまうんだよね...(笑)



―制作中に起こったハプニングや苦労したこととかってありますか?
St.A:苦労と言うか、ミックスルームでの作業を最小限にして可能な限りライブ感と生々しさを維持したいと思っているんだ。だから最大の挑戦はミックスの生々しさと活気を保ちつつ、どんなプレーヤーで聴いても良い音が出るようにしっかりとしたプロダクションにすることだった。
2枚のアルバムではそれが達成されたと思うけど、その方法は少しずつ違うよ。


―音作りと言えば、ギターキッズにおすすめのペダルがあれば教えください。もちろん「Carnivore Carnival」で使っているペダルの中から。

St.A:俺は常にミニマリストなんだ。しかもソロやクリーントーンを弾かないから、可能な限り最小の機材を使うことを目標にしてる。ギターのサウンドメイクに使ったのはMesa BoogieアンプとTSペダルだけ。単純な話さ。
フルチューブのハイゲインアンプのピュアなサウンドが大好き (笑)
だけど別にオススメってわけではないよ。どんな音を出したいかは人それぞれだし、それを実現するには色々な方法があるんだ。


―完全にナチュラルなハイゲインチューブサウンドですね。ライブでも同じ仕様ですか?

St.A:Hostiaのギタリストは俺だけだから、ライブではよりパワフルな音を出すためにハイブリッド・チューブ・フロアボード・アンプを2台(Taurus Stomp Head / BlueGuitar Iridium)使って、2台のキャビネットを鳴らしてるんだ。
この2台は完璧にミックスされていて、スタックを50キロのフルチューブヘッド2台から5キロの小さなフロアヘッドに減らすことができた!あとはブースターとしてTube Screamerのコピーペダル、BOSSのNS-2、特注のラインセレクターくらいかな。


―まだ歌詞を詳しく確認してないですが、テーマはシリアスな内容ですよね。インスピレーションはどこから得ていますか?

St.S:ポーランドのカトリック教団に対する怒りと憤りだよ。彼らは愚かな人々を危険な狂信者に変えてしまう。
それから、"Leatherface Kiss "や "Jason's Cardio "を聞いてくれたら分かる通り俺は大のホラーフリークで、狂った殺人者の実話をリーチするのも好きなんだ。おとぎ話や悪魔は必要ない。本物の悪魔は地球上にいて、俺たちの間を歩いていることを示したいんだ。


―アートワークを手掛けたSt.Sixtusに。デザインするときに重視してるのはどんな事ですか?

St.S:HOSTIAのデザインには一貫性というか、カノンのようなものを持っていると言えるね。
冒涜的なインパクトを保ちつつ、モダンとオールドスクールなデザインをミックスしてバランスが取れているものをイメージするんだ。マーチャンダイジングの時は、自分が着たいと思うようなデザインを作るようにしてる(笑)


―HOSTIAは一つのジャンルには括れないけどあえて質問します。「あなたたちのジャンルは何ですか?」

St.S:俺たちはみんな違う音楽を聴いているから、ロックンロールやパンク、ハードコアの影響を受けているし結果的にHOSTIAではグラインドコア以上のものを聴くことができる。俺達はこれを「Godless Groovy Grindcore」と名付けてるんだ。


―話を変えて、ポーランドのメタルシーンの状況を聞かせてください。バンドの雰囲気やファン、若い世代の存在とか。
St.A:メタル、パンク、ハードコアなどの素晴らしいバンドがたくさんいるし、シーンにはプロモーター、クラブオーナー、ジャーナリスト、カメラマンなど、本当に情熱を持った素晴らしい人たちがたくさんいるよ!
重視すべきはそこで、一部のろくでもない連中の事は気にしていないんだ。
たくさんの友人や素晴らしい人たちとステージやバックステージを共有するのはいつも楽しいよ(笑)
バンドは、Vader、Behemoth、Decapitated、Riversideを知っていると思うけど、他にもAntigama、Frontside、Hate、Dead Infection、Mentor、Schizma、1125、Bottom、Shodan、Acid Drinkers、Kat、Illusionのように良いバンドが沢山いるからチェックしてみて欲しいね。


―最高ですね。HOSTIAのホームはワルシャワでしたっけ?他の都市でも同じような状況でしょうか。

St.A:実際のところ、俺らは特定のホームを持っているわけじゃない。あまりにも多くのバンドやショーがありすぎて、ファンはどのライブに足を運ぶかのチョイスにより敏感になってしまったかな。
でも、それって普通のことなんだよ。自分の街の全てのショーを見たいと思ったら2日に1回はライブに行かないといけない時もあったしね(笑)
そしてそれは年々変化していく。コロナ禍も大きく影響しているけど。チケットが売り切れるようなショーでも数ヶ月後にはファンが1/4になっていたりすることもあるし、その逆もある。俺たちの背中に隠れているコロナとの新しい現実がどうなるのか、俺たちはみんな見ているつもりだ。


―パンデミックで色々なことが変化したと思います。HOSTIAの音楽に影響はありましたか?

St.A:明らかにライブへの影響はあったけど、音楽そのものに影響を与えたかというと…Noだね。そうは思わない。


―残念ながら日本では、COVID対策という名目で効果の薄い政策に多くの税金が使われてしまっています。現在のポーランドの状況はどうでしょう。

St.A:恐ろしいことに俺たちの政府は完全なクソバカの集まりだ。知っているかもしれないけど、第二次世界大戦後のポーランドは90年代までソビエト連邦に属していた。今の与党はその時代にタイムスリップしているようなもんだ。右翼とカトリックが混ざっていることを除けばね。
コロナ禍のドサクサの間ポーランド市民の世話をする代わりに、この状況を利用してさらに公金を盗み、法の上に立つことを可能にするバカげた法律を強要している。独裁者なんて俺は望んではいない。
経済的に強く、自由で、世界に開かれた近代的な国である代わりに、俺たちは再び深い戯言の中にいる。

―音楽の話題に戻しましょうか。2020年中に聴いた好きな音楽は?あと、日本のバンドでお気に入りがあれば教えてください。
St.A:日本のバンドで確実に思い浮かぶのはFinal Exitだね!
そして2020年のうちによく聴いたものはParadise Lost、Vltimas、Napalm Death、Metallica、Jinger、Hatebreed、Godsmack、Lipali、それから…Miley Cyrus!


―2017年に結成してからの3年間でフルアルバム2枚・ミュージックビデオ数本・マーチが沢山。めちゃくちゃハイペースな活動ですが、原動力はどんなところですか?

St.S:サタンと地獄の炎(笑)。キック・アスな音楽とクールでクオリティの高いマーチをメタルファンに届けたいだけだよ。Hostiaは多くの楽しみを与えてくれるからね。多くの時間を費やしているよ。


―サタン(笑)今後のスケジュールについて具体的に決まってる事や目標はありますか?
St.A:世界征服!?(笑)


―ワールドツアーと受け取ります(笑) 
最後に何かあったらどうぞ!
St.A:私たちと一緒に地獄で焼かれましょう(笑)。あなたの心にHOSTIAを!


<interview & text by JAPAN(yosuke harada) / ESAGOYA Records>