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きっと誰も見ていない

そんなに人の目が気になりますか?

大丈夫。きっと誰も、たいして人のことを見ていませんよ。みんな自分のことで精一杯です。人のことを見ているヒマなどないのです。


SNSの普及により「承認欲求」という感情が生まれ、誰かに認められたいと思うようになりました。それも多ければ多いほど良いと言います。


本当にそうでしょうか?


ボルダルールという投票の仕組みがあるそうです。

1位→3点
2位→2点
3位→1点

というように順位と点数を付けて、一番点数が高かった選択肢が採用される仕組みのことです。

ボルダルールは、18世紀にフランスの数学者ジャン=シャルル=ド=ボルダが多数決の欠陥を指摘し、新しい投票の仕組みとして提唱しました。
現在このボルダルールが選挙で使われている国もあります。

多数決は単純に、一番多くの票を獲得した人が選ばれます。

例えば、3人の候補者の中から5人の投票で1人を選ぶ場合、3票以上獲得した人が勝ちです。

A→3票
B→0票
C→2票
この場合はAさんが選ばれます。

A→2票
B→1票
C→2票
この場合はAさんとCさんの決戦投票になりますが、どちらにしてもBさんは最下位です。


では、5人の投票者(①〜⑤)がそれぞれ支持する順に順位を付けるとどうなるでしょうか?

①A>B>C
②A>B>C
③A>B>C
④C>B>A
⑤C>B>A

順位がこのようになった場合、
Aさんが選ばれることに変わりはないですが、全員がBさんを2番目に支持していることがわかります。

この順位をボルダルール(1位:3点、2位:2点、3位:1点)にあてはめると、

Aさん→9点
Bさん→10点
Cさん→6点

Bさんが一番高い点数となりました。

ボルダルールで決める場合はBさんが選ばれる、ということになるのです。

Bさんは1番ではないけれども、全員から2番目に支持されている。つまり、より多くの人に支持されているということです。

ボルダルールは、好きな人もいるけどアンチもいるという人ではなく、誰からも嫌われていない人が選ばれる仕組みになっているわけです。

このような点から、ボルダルールのメリットは「万人の意見として納得感があること」とされています。



うーん、なんだか違和感があります。

選挙はそれで良いかもしれませんが、選ばれる側の承認欲求としてはどちらが良いのでしょう?


誰からも嫌われないのは良いことですが、何があっても離れていかない熱狂的ファンは誰もいない、とも言えます。そう考えると、ずっと嫌われないように振る舞わなければいけない気がしてきます。


誰からも嫌われたくないのか
誰か1人に熱狂的に好かれるのか

自分のことを好きな人が1人でも居てくれるなら、もうそれで良いのではないでしょうか。


もし、あなたのことをいつも見ている人がいたとしたら、あなたの微妙な変化にも気づくはずです。

きっとその人は、あなたのことが好きな人です。

そんな人のことを、ちゃんと見ていなければいけません。

おやすみなさい。明日も生きよう。

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