見出し画像

ここ10数年くらいのギターエフェクター界隈の推移と未来の考察

僕はやっている音楽が古いジャズやブルースが中心なので、エフェクターの種類自体はそんなに必要ではなく以前の記事にあるようにJC-120の音を如何に良くするかという観点でエフェクターを使用していました。そのあたりは以前の記事で書いています。

そんなこともあり、エフェクターは十数年前に選別した結果、満足する音を作れたので、2023年までほとんど新製品のチェックなどもしてませんでした。しかし、2022年の年末に技術進歩を体感することがあり、そこから色々調べてみるとこの十数年での変化が大変面白くもあり、そこから新しい未来を考察していきたいと思います。


1.デジタル機材の技術進歩

この十数年間で一番驚いたのは、デジタル機材系の進歩ですね。特にアンプシミュレーターやキャビネットシミュレーターは、全くの別物と言っても過言ではないでしょう。以前はDTMのために少しリアルにするための機材でしたが、今や「実際のアンプが要らないんじゃないか」というレベルにまで達している機材も幾つかあり、実際に野外フェスなので、PAのみでやっているアーティストがいるくらいですね。
また、リバーブなどの空間系もデジタル系の機材が増え、その機材が多種多様になってきていますね。strymonが特に顕著で、リバーブ単体のペダルに機能を詰め込みすぎて500mAが必要な機材もあります。


2.歪み系の世代交代と混沌

歪み系のペダルは相変わらずアナログ設計で進んでいましたが、少しいびつな形で世代交代が行われた形ですね。十数年前では、安価なモデルと言えばBOSS・MAXSONあたりで、TS系が大人気で個人制作家たちは独自のTS系のペダルが量産されてましたね。あとは、高級路線でケンタウロスやランドグラフなどが有名どころとして存在していた感じでしたな。
そこからの大きな変化として、ケンタウロスが生産停止になり、高騰してしまったことで、個人製作家たちはケンタウロスのクローンを作っている状況ですね。これにより「ケンタウロス系」というジャンルが出来ているのが面白いですね。当時はあのトーンが出したくていろいろなペダルを試しましたが、結局ケンタウロスしかないってなったのが印象的だったのですが、こんなに増殖尻ことになるとは。。。。また、ケンタウロスに変わる存在としてTimmyやJanRayがあらわれていることで、「トランスペアレント系」というジャンルも確立しているようですね。特に近年のトレンドはJanRayで、Youtubeに出演しているようなギタリストの足元には、ほとんどあるくらいで、世代交代の象徴のようなイメージがありますね。
そして、Effects Bakeryをはじめとするさらに低価格帯ペダルが出てきて、BOSSなどは中途半端な価格帯になってしまって、技クラフトなどのシリーズを出してきて、中価格帯としてブランドを確立していこうという戦略が見えてきています。
最終的には、これらの新製品に中古市場では旧世代の製品も逆に人気が出てきて、かなり混沌とした市場になってきましたね。


3.エフェクターがコンパクトに

コンパクトエフェクターと言えば、以前はBOSSやMXRのサイズ感ですが、今やOne Control を始めとする多くのブランドがよりコンパクトサイズのエフェクターを出し始め、今や昔からの定番機と言われるものもコンパクトサイズの出るが発売されていますね。BigMuffのNanoサイズを見た時は驚きましたね。あの弁当箱サイズを好んでみんな使ってると思っていたので・・・ww
ただ、良くわからないのでかすが、エフェクターでもサイズを小さくすることで音が変わっていることが多いです。個人的にはまったくかわらない機種には出会えなかったことがないレベルです。おそらくはサイズを、小さくすることで回路の修正を行った結果なのかなと感じます。


4.今後の考察

①デジタル機材の台頭

この10年で1番変わったデジタル機材ですが、まだまだ進化がでてくる様子ですね。モデリング機材の増加、デジタル技術による新しいエフェクト、また音質の向上など期待できる要素が沢山あります。逆にアナログ系のエフェクターは部品の枯渇などの影響をうけて、無駄に高くなるか、謳い文句は違えど似たようなものがでてくる事が多くなりそうですね。まぁ、修理のしやすさなどを考慮すると中古市場で長生きしそうではありますね。

②コンパクト化

コンパクト化はますます進むのは間違いないでしょう。中華メーカーは何故かコンパクトサイズにこだわっている節があるますし、マルチエフェクターもGT-1000coreやHX-Stompなどの小型モデルが人気ですね。需要があるのであれば、供給がもたらされるのが世の常です。

③上記の変化に対応するために

このような状況を考慮すると1番大事なことはパワーサプライだと思います。デジタル機材が台頭することで今まで以上にデジタル機器とアナログ機器を併用する機会が増えると思います。その為、デジアナ混在ノイズを考慮するとフルアイソレートのパワーサプライが必須です。また、コンパクト化に伴い、同じボードサイズでも配置できるペダル数が増えたり、GT-1000coreなどを動作させるためにカレントダブラーケーブルを使用するなど、ポートが多いパワーサプライが必要になってきます。
そのため、ココの予算を出し惜しみすると、新しい機材を導入しても、電源供給問題で現状のエフェクターボードの構成をかなり変える必要が出てきてしまいます。

ちなみに、僕のオススメはK.E.S の KIP-V.A.C.9 です。少し高いですが、このパワーサプライならまず困ることはないという感じですね。



④プロファイラーについて


Kemperなどのプロファイリング機能がついた機材はプロの現場では重宝されることはあっても、アマチュアが使いこなすことは難しいと思います。レコーディングのときに使用した機材をプロファイリングして、ソレをライブで使用する場合などはかなり有効な使い方ですが、ネット上に無数に存在するリグから自分の好みやセッティングを探し出すのはかなり難しいことだと思います。それよりかは、モデリングアンプの方が扱いやすく、また技術の進歩でより実機に近い音が出せるようになります。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?