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プライドを投げ捨てる勇気。

今日は久々に、
少し大切だなと思ったことを
書こうと思います。

ーーーーーー

⁡先週、とある後輩から突然のLINEがあった。
目的は書かれてなく、
ただ会って相談したいという
何やら深刻そうなメッセージ。


普段滅多に連絡してこない後輩だから、
なおさら何があったのかって、
急遽夜中に時間をつくり、
自宅に招いて話を聞くことになりました。


***


奥さんと小さなお子さん2人もいて、
あえて家族に知られないように
相談に来たのが分かりましたから、

最初は「マジ、離婚とか家出された!?」
と思い、
これはかなり深刻な相談になりそうだ…
と覚悟したけど、
実際は仕事の悩みでした。


コロナによる打撃で従業員も辞めさせられ、
残った自分に突然の昇進が舞い込んで、
いきなり多数の部下をしきらねばならない
立場になったとのこと。


何もわかない、教えてももらえない
殺伐とした環境の中、
毎日のように売上ノルマを課せられ、
マネジメントも求められ、
出来なければ叱り飛ばされる日々に、
身も心もボロボロで
精神的にやられてしまったというのです。


病院に行き、
医師に仕事は休むべきと言われたが、
休むわけにもいかない。
毎日残業が続き、
部下からも心配されているという。


***


彼は数年前から気にかけていた人間で、
タイミングを見ては話しかけ、
手紙を何度か残してきました。


時折り僕が家に来てくれていたことも、
インターフォンのカメラに録画されるから
知っていました。


どん底まできて、
もう自分ではどうしてよいのか
分からなくなり、そんなとき、
真っ先に僕のことが頭に浮かんで
LINEしたと話してくれたのです。


いざという時に頭に浮かんで
頼ってくれるのは本当に嬉しいし、
気にかけていた気持ちが2年かけて伝わり、
逆に自分が励まされる気がしました。


***


話をずっと聞く中、
過去の人間不信や傷つけられたトラウマ、
お付き合いしていた人と
まさかの出来事から別れたいきさつなど、
孤独感と人に敏感になって
ストレスを抱える苦しさが
ひしひしと伝わってきました。


自己嫌悪もたくさんしたらしい。


話を聞き終えて、
少し間を置いてから、

僕の体験や、精神的に追い詰められ、
地獄のような日々を過ごした過去を
思い出しながら、

当時、何を考え、どう行動し、
苦しみながらもがきながら闇を吹き払ったか。
乗り越えてきたかを、
彼の表情を見ながら、
確認しながらゆっくりと話していきました。


***


内容は長くなるから割愛するとして、


自己嫌悪することの無意味さ。
他人と比較したり、
過去の自分と比較して、
自信を失うことの無意味さ。


自分でも気づけない
命に染み付いたクセの怖さ。
落ちに落ちて、
それでも自分を信じて
前を向き続ける勇気の大切さ。


など、


具体的に体験をかみくだきながら
話をしていきました。


人間はさらけ出さないと強くならない。
弱さを認めなければ変われない。

当たり前の幸せも、
当たり前の感謝も、
弱さを素直に引き受け、
だからこそ強くならなければと、
何があろうと自分で自分にダメ出しせず、
あきらめずに前を向く勇気があって、
深い気づきを得ていく。


そして、


自分を救ってくれたのは
模範とすべき人が常に心の真ん中にいて、
その人を基準に自分を見つめ、
他者を見つめ続けてきたことでした。


世の中ではメンターとか言うらしいですが、
僕にとっては横文字で表現するような
軽いものではなく、
人生の模範とすべき師に当たる人です。


それも分かってもらえないかもしれないが、
赤裸々に語って聞かせたとき、
彼の中から少し反発に近い自我が
現れるのに気付きました。


本気で赤裸々に語ったとき、
反発心が出ることは素晴らしいことで、
毒を薬に変えるようなものと言えばよいのか、
それは今までさらけ出せなかった
プライドとか、考え方とかを
表に引きずり出す形になるからです。


それからしばらく寄り添うように話し、
結局、自己嫌悪するのも、
自信をなくすのも、
プライドという思い上がりが原因なんだよと。


***


慢心と臆病は紙一重。


こんな自分なわけがないじゃないか。
そんなプライドを全て投げ捨てて、
自分はなんの力もない。
なんにも分かっていない。

だから、前を向いて、
わからないことはわからない、
助けて欲しいなら助けてください、
教えてくださいと、
素直に他人にぶつかる勇気を。


後輩であろうと部下であろうと
格好なんてどうでもいい。
ありのままにぶつけていくこと。


それが逆に他人を感動させ、
すごいなと思われ、
カッコイイなって思われるんだよと。


***


人は弱さを知って強くなるものだし、
本気で戦って負けてみなければ
気づけないものだってあります。


負けることから逃げないことなんですよね。
惨めさから逃げないことなんですよね。


真正面から自分を見つめなければ、
いつになっても仮面を被り続け、
調子の良い時には傲慢になり、
悪くなれば環境や他人、
しまいには過去の自分のせいにして、
うじうじするもの。


***


真正面から自分を見つめてこそ、
自分を信じることができるし、
自分を信じられなければ
他人を信じるなんて無理な話です。


結局、みじめな人生を
歩むことになるのは明らかです。


一人で生きていけるほど強くはないですから。


弱さを認めていいんだよ。
そこから他人や環境に対する感謝も
わかってくるんだよ。


正しいアドバイスなんてしようとも思わない。
頑張ってなんて言うつもりもない。
負けるななんて言うつもりもない。


ただ、自分だけで背負うとせず、
必ず人を頼っていこう。
いつでも相談してほしい。


そんな話し合いの後、数日後、
少しずつ前を向けるようになりました。
まだまだまともに寝れない日が続いてますが、
なんとかやっています…
と連絡をいただきました。


ーーーーーー

彼はいずれ乗り越えていきます。
間違いなく。

理由は見捨てない人間がいる限り、
人は必ず救われるからです。

目の前にいる人を大切にできない人間が、
なぜ他の人を大切にできるのか。
親をも愛せない人間が、
なぜ他人を愛せるのかと同じ道理なんだから。

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