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最近観た面白エンタメ ~犬王・サムバディ~

ここ最近は面白そうなエンタメが輪をかけてバンバン出てますね。
最近めちゃくちゃ忙しくてロクに見れてないのが悔しくて仕方ないです。

漫画や小説、あとはネトフリ系の配信ドラマなど、比較的いつでも見られるエンタメは最悪取っておけますが(もちろん新鮮なうちに頬張りたい)、映画館で見たい映画や配信期限のある作品なんかはその瞬間を逃すともう手遅れ。

ということで今回は最近見たエンタメの中でも、もうすぐ手遅れになりそうな作品を手短に二本だけ紹介したいと思います。


犬王

平家物語で描かれた壇ノ浦の闘いから約200年後。足利が統べる室町時代に存在したとされる、現代には伝わらない能のパフォーマンススター『犬王』にフォーカスした圧巻のアニメーションライブ映画。

女王蜂のアブちゃんが声優を務めていることでちょっと話題になってる(なってる?)作品だが、想像以上にすごいパフォーマンスで見た感想としてはまさに「すっげえライブみれたぞ」だった。

映画を見終わり調べるまでは犬王が実在するとされる人間だとは思いもしなかったが、その演技の力強さや芸の幅広さから観阿弥・世阿弥と並ぶとされた犬王の魅力を表現するには、まさにアブちゃんがぴったり。

重厚なストーリーやどんでん返し、綿密に張り巡らされた伏線といった話メインでの名作を期待すると「微妙だな」となるかもしれないが、映像美と音楽で見せつけるまさにアニメーションライブとして楽しめるなら最高の作品。

犬王の存在を通して投げかけられる「異形の在り方」や「古きを重んじる伝統と先へと進む革新の対比」、「政治と芸術的表現の関係や在り方」などいくつかのメッセージが込められた作品だが、個人的には新しい価値観を得たり、自分の人生に重くのしかかったりするのではなく、「ただただすごい映画を見た」という感じで見やすいと思う。


サムバディ

「二回目からがより面白い」と自分たちで広告を打っている短編演劇のようなコント3作品からなる配信作品。三作品ともどこか同じ匂いがしながらもテーマや展開は全く異なり、それでいて作品同士の繋がりを感じさせる味わい深さもある。

もともとは舞台作品としてそのまま上映されていたようだが、配信として映像化するにあたって8台ものカメラによるマルチアングルで切り取られ構成されているらしく、面白さのために「どこをどう見せるのか」が本気で突き詰められているのも魅力の一つ。

どの作品も共通しているのが「日常の中でありふれている設定をベースに、一匙の違和感や異常性を混ぜている」ところ。その少しのねじ曲がった設定が、当たり前のように進んでいく物語のスパイスとして機能し、「思わず笑ってしまう面白さ」はもちろん、その日常を過ごす登場人物への「共感」や「哀愁」を引き起こしている。

「普段演劇なんて見ないよ」という人でも、お笑いを始めとしたエンタメが好きならまず間違いなく楽しめると思う。
配信自体は一度終わってしまったが、どうやら6月24日からまた数日限定で配信を行うらしいのでぜひ。


勿論その他にも最近見た作品で面白かったのはまだまだあるので(前科者の映画100カメ帝乃三姉妹は案外、チョロい。プロジェクト・ヘイル・メアリーよふかしのうた 等々)、感想をまとめる時間を作っていつか語りたいですね。

とにかく表題の二作品は、今だからこそ楽しめる魅力たっぷりな作品なので、もし少しでも興味を惹かれる要素があれば是非すぐにでも。

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