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【レガシー】青黒忍者 研究録 .Ninja

■はじめに

 はじめまして。えるっちと申します。

 レガシー・EDHを中心にマジックをプレイしています。 

 レガシー歴は8年程、引退や復帰を繰り返しているので、長さだけで言えば20年ぐらいはマジックをやっています。私はジョニープレイヤー(勝ちではなく楽しみを追求するタイプ)であるため、スパイク的な考え方はしません。週末のショップ大会でたまに優勝できれば十分だよねという考え方でいきます。

■レガシーの忍者デッキ

 忍者、カッコイイですよね。これはマジックを遊ぶ上で非常に重要なことです。イカしたデッキを持つことはクールなことなのです! 昔は、《深き刻の忍者》ディープ=アワー、サン!?と呼ばれるカードをベースに作成されていたデッキ、現在では《虎の影百合子》や《巧妙な潜入者》といったカードの登場により、大きく進化したデッキタイプであります。

 かくいう私も忍者には憧れがあり、昔から組みたかったこともあり忍者デッキを組んでみることにしました。《改良式鋳造所》タイプが話題のアーキタイプであり組んでみた所、とても面白いデッキで気に入ったため、研究することにしました。回して二週間程です。

 私が調査した所、現在では《改良式鋳造所》ベースのタイプか、《フェアリーの予見者》を利用したフェアリーベースの二種類が主流だと思います。

■フェアリーベースの忍者は流行らなさそう

 2タイプのデッキを回してみましたが、フェアリータイプは線が細く、単体のカードパワーが低いため、デッキの完成度は素晴らしいのですが、デッキとしては少し弱いかなという印象。また忍術の種が1マナのため、2T目忍術のテンポが悪く感じる点も良くありません。動き出しが3T目であり、必要パーツが多いのです。しかしながら決まった時の気持ちよさは此方の方が上です。4枚引けたりするので、気持ちがいいのです。

■改良式鋳造所が忍者のトレンドだ!

 《改良式鋳造所》を用いたタイプは、もはや忍者はおまけですが、デッキとしての完成度と、フリースロットの多さから魅力を感じます。私は此方のタイプを推します。

 このタイプの忍者デッキはつばささんが解説してくださっていますので其方を。キープ基準からプレイングまでよく研究されており、はっきり言って解りやすい。そのため色々試したカードの雑感と私が思う所を書いていきます。

 Tier1のデッキではないため(狙える力はあると思いますが)、発展途上のデッキです。

 《改良式鋳造所》採用の忍者デッキを握る優位点は下記だと考えます。

①カードが腐らず、粛々と殴れる。

 《改良式鋳造所》により、どのカードも腐らずに強く使えます。忍者の弱点であった種クリーチャーを、強力に使いまわせる点が評価点です。4/4の構築物は強力であり、全てのカードが《改良式鋳造所》により強カードに化けます。

②コンボデッキに対して強い。

 《思考囲い》+《目くらまし》に加え、忍者によるドロー+クロックは優位です。

③ロングゲームがこなせる。

 《改良式鋳造所》を一番強く使えるデッキタイプであり、ある程度のロングゲームがこなせる。

④マナ基盤は安定している。

 土地がフェッチ+基本地形であり、マナ基盤が安定している。また忍者デッキは2マナあれば問題なく動くため、18枚で必要十分です。《カラカス》や《不毛の大地》といったカードは不採用ですが、これらのカードをエンチャントのように考えるなら積むのもいいかもしれません。

 さらに《改良式鋳造所》により、マナフラッドが許容されています。 《改良式鋳造所》は忍者デッキを握る最たる理由だと思います。


■アイエー!!《羽ばたき飛行機械》がニンジャ!?

 ということで現在の私が今使っているリストが下記です。やはり思考錯誤ということで、色々試していますので、少し乱雑です。

Screenshot_2019-10-28 デッキ出力|TeamY's


 さて、このデッキの基本は《羽ばたき飛行機械》君をどれだけ使い倒すかという所に焦点が当たっています。《変わり身ののけ者》君は、1マナかかるのが嫌だったので不採用にしました。《渦まく知識》が2枚なのは、長くなるので、最後のページにおまけで考えを書いておきます。《渦まく知識》は4枚入れた方がいいのは間違いないんだけどね。


 忍者として必要な固定枠は下記です。

・《羽ばたき飛行機械》 3~4枚 /《改良式鋳造所》 3~4枚 

・忍者カード6枚 →《虎の影、百合子》や《巧妙な潜入者》等

・《悪意の大梟》 3~4枚

・打消し呪文 《force of will》/《目くらまし》etc 6枚以上

・《思案》/《渦まく知識》 8枚(ただし私は独自の考え方に基づき6枚)

・クリーチャー除去カード 《致命的な一押し》/《残忍な切断》etc 4枚以上

・土地18枚 →色の出る土地、フェッチや基本土地等


 以上51~54枚が基本的な固定スロットになると思います。       《羽ばたき飛行機械》や《悪意の大梟》、《改良式鋳造所》を3枚ずつにしてカードを幅広く選択するデッキも良く見ます。残り6~9枚を自由にといった所ですね。

 基本的な動きは、2パターンです。

A.1T目に《改良式鋳造所》+《羽ばたき飛行機械》 → 2T目から4/4の構築物で殴り倒すプラン

B.《羽ばたき飛行機械》or《悪意の大梟》+《忍者》 → 忍術で《改良式鋳造所》に使用するリソースを得て長期戦へ持ち込むプラン

 上述のプランから《目くらまし》や《force of will》でクロックを守りながらライフを詰め切ります。AプランとBプランは対戦相手によって良い・悪いがあり、対戦相手を見ながら決めます。デルバーデッキとの差異は、4/4のクロックがデルバーよりも強いという点です。しかし本体火力を要さず、《虎の影、百合子》の得点も安定しないため、ライフを詰め切るのが不安定という欠点があります。ギリギリの試合で、《虎の影、百合子》の誘発公開で点数が足りず負けたという経験をそれなりにしました。そのため、5/5で殴りにいける《ボーラスの工作員、テゼレット》を採用しています。

 テゼレット以外の他の選択として《アーティファクトの魂込め》は悪くはないし、此方でもいいと思います。《改良式鋳造所》+《羽ばたき飛行機械》→4/4構築物から、《改良式鋳造所》に《アーティファクトの魂込め》をすると勝てますが、流石に上回りです。そして忍者が抜けて、テゼレッターになります(笑)

 デッキとして目指す基本的な動きは《改良式鋳造所》から4/4の構築物で圧殺するプランです。忍術はできますが、忍術自体は2マナ使ってカードを1枚引くだけであり、《虎の影、百合子》のクロックも安定しないため(一般的なレシピの平均公開できる点数は約2点です)、やはり《改良式鋳造所》の力が必要不可欠です。そもそも《羽ばたき飛行機械》→《巧妙な潜入者》は《悪意の大梟》をキャストしているのと大差ありません。打ち消されず、後続の忍者や《改良式鋳造所》を考えるとメリットは存分にあるのですが、2T目のみを切り取ると上述の通りです。

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 また《悪意の大梟》は《レンと六番》に対して弱いものの、他のカードに対しては総じて強く、忍者デッキとも良いシナジーを持つため、やはり3~4枚は採用したい所です。実験的に《悪意の大梟》を抜いて対戦しましたが、10戦して全敗していまいました。《悪意の大梟》は重要なカードです。《ボーラスの工作員、テゼレット》抜きでも《悪意の大梟》で勝ててしまえるので不思議なものです。

 クロックパーミッションとしてみれば、URデルバー等の方が優秀です。  本体火力を擁している、《赤霊破》が使える、アーティファクトに触れる、《戦慄衆の秘儀術師》の方が《虎の影、百合子》より強い等、単体で完結しない忍者デッキは明確に劣ります。かしながら忍者デッキは《改良式鋳造所》が強く使えるという明確な利点があります。またコンボデッキに対しても強く、《思考囲い》や忍者によるクロック+ドローで圧力をかけられる点は優位です。

 では上記の最低限の忍者デッキで試してみたカードを説明します。

■試してみたカード達

①《ボーラスの工作員、テゼレット》

 4マナと重いですが、各カードとシナジーがあります。《羽ばたき飛行機械》や《悪意の大梟》を肯定的に使える点が良いです。近頃流行の《王冠泥棒オーコ》に対して、《アーカムの天球技》や 《食物トークン》を5/5にして返せます。

 《改良式鋳造所》でのミラーの睨み合いに対して[+1]→[-4]で試合を動かせる点、[+1]で《羽ばたき飛行機械》を見つけてそのまま本体を護れる点、[-1]で《悪意の大梟》で止めをさせる点等、ピッタリなカードだと思います。出せば勝てるという試合も多く、3枚採用です。

 土地18枚のためプレイまではシンドイですが、それでも採用したくなるほどのカードパワーはあります。採用にいくらかの疑問のあるカードですが、使い込んでみようと思います。

②《消灯》

 MTGをうまぶるためのカードです。忍術後の《羽ばたき飛行機械》の出し直しに対して良くあっており、ブロッカーをどかしながら再度忍術を決めることができます。テンポも良く、使うと「ほぉ、消灯ですか……」と感心されること請け合い。ハッキリ言ってお遊びのカードであり不要ですが、忍術を楽しむという観点では最高のカードです。採用! サイドアウトするけどね。

③《目くらまし》

 忍者デッキには必要だと思いました。採用型と不採用型があり、何方も結果を出しています。何より忍者を護る際にベストマッチであり、このデッキの楽しさの一つだと思うので採用推奨です。《呪文貫き》でもいいと思いますが、2T目忍術は楽しさの根本であるため、《目くらまし》がいいと思います。《呪文貫き》は言うまでもなく強いですが、「忍者である必要ある?」ってなりました。

④《疫病を仕組むもの》

 必要なカードです。《改良式鋳造所》で睨み合った際や、《苦花》といったトークン生成系のカード、《真の名の宿敵》等、基本的に苦手なカードを見ることができるため非常に良いです。

⑤《墓忍び》

 強いです。一枚で完結しているため、有用です。2マナ5/5飛行、弱いわけがありません。飛んでいるため最後の一押しにも使えますし、5/5のためブロッカーとしても役に立ち、《致命的な一押し》や《突然の衰微》に対して耐性があるため良い子です。ただし《ボーラスの工作員、テゼレット》と枠が被ったため、今回は不採用となりました。

⑥《瞬唱の魔導士》

 忍者にマッチしていますが、飛んでいない点がネックです。デッキとメタによって採用を決めるべきカードです。3T目以降から強く使えるカードで、《瞬唱の魔導士》から《思考囲い》や《致命的な一押し》、《思案》などは言うまでもなく強い動きです。忍術で再利用まで可能ですし、《消灯》等も合っています。

 しかしこれを採用するのであれば他のデッキを握った方が良いと思うため(白青や赤青の方が楽しく強く使えると思います)、私は不採用です。しかしながら採用を必ず考慮すべきカードです。サイドカードにまで影響を与えるカードであり、パワーカードです。


⑦《思考囲い》等のハンデスカード

 必要です。忍者は細かなシナジーで戦うデッキであり、対処できないカードは多いです。特に対処できない一枚で負け、という試合も多く、《思考囲い》は重要です。そうでなくても《稲妻》等で忍術を止められたり、《タルモゴイフ》に勝てなかったりするため、《思考囲い》の価値は高いです。ゲームプランを決める際にも便利です。ダブると困るため2枚採用としました。

⑧《致命的な一押し》/《残忍な切断》

 文句なしに強いです。忍者に必要な除去は1マナです。忍者は場に出た後は飛んでいないため、クリーチャーをどかすカードは必要です。《残忍な切断》はとても強く感じます。探査の関係で1枚としていますが、2枚にしたいぐらいです。

⑨《The Abyss》

 悪くはありません。が4マナが問題点です。後ろ向きなカードであったため不採用となりました。


⑩《心霊波》/《魂の打ち込み》

 クリーチャーのみで20点削り切るのは難しく(デルパーですら稲妻を本体に打ちます)、青黒忍者でも火力がほしくなるのは当然です。

 しかしながら本体火力を打つなら赤タッチすべきであり、忍者らしくなかったので不採用となりました。《虎の影、百合子》で《魂の打ち込み》をめくると11点でるのは良いのですけどね。

⑪《誤った指図》

 お洒落カードです。《目くらまし》の方がデッキ的に強かったので不採用です。環境には合っていると思います。《トーラックの賛歌》を打ち返すと絶頂できます。《稲妻》や続唱の待機カードを打ち返せると勝ちに大きく近づきます。

■サイドカードについて

 おそらくMTGで最も難しいのがサイドカードです。正解がなく、サイドカードによってはデッキが弱体化してしまうからです。そのため、予めどのデッキに勝ちたいかを考えてサイドカードをするのが良いと思います。

 忍者デッキの場合は、《虎の影、百合子》を抜くか、《目くらまし》もしくはクリーチャー除去カードを抜けば綺麗にサイドインできます。サイド後のプランとして私の場合は、《改良式鋳造所》と《ボーラスの工作員、テゼレット》で勝つプランを取ることにしました。

①墓地への対策

 レガシーの嗜みです。しかし忍者は墓地利用デッキが特に苦手であるため、《虚空の力線》を採用しました。力線を採用する際は4枚入れましょう。サイドが圧迫している場合は、《墓掘りの檻》2枚が良いと思います。

②リセットカード

 《毒の濁流》等がありますが、後述の《仕組まれた爆薬》を採用しました。こういったカードは受け身であり、忍者には似合わないと思うからです。

③多色・特定色への対策

 土地の関係上、《基本に帰れ》を利用することができます。勝ちに行くためのカードです。《青霊破》は触りたいカードがあまりない事に気付いたため、不採用です。《赤霊破》を《青霊破》で打ち消す気も起きませんし、《レンと六番》はこのデッキにとって脅威ではありません。無視して殴った方が強くて速くて簡単です。《王冠泥棒オーコ》は困りますが《青霊破》が効かないのは残念なポイント。

④置物への対策

 青黒の伝統、《仕組まれた爆薬》です。メインに積みたいぐらいのカードです。必ず積みましょう。《残響する真実》と言ったカードもアリだと思います。

⑤ストームへの対策

 言わずと知れたストーム対策カードである《狼狽の嵐》。強いです。特にハイタイドやアドストームやベルチャー等に安定して勝てるようになります。《虚空の力線》と合わせて積むだけでほぼ勝てますから、このサイドカードは優先しましょう。《精神壊しの罠》でもいいけど、《狼狽の嵐》の方が便利よ。

⑥マリットレイジへの対策

 私はスローデプスと呼ばれるデッキを六年ほど使っており詳しいのですが、白が混じってないデッキに対して、スローデプスデッキは非常に有利です。つまりデプスデッキにとって青黒忍者は良いカモです。そのため、マリットレイジは対策すべきだと思います。青のカウンターを握っているデッキは《水没》が良いと思います。私がデプスを握っている時に最も嫌な呪文でした。他の選択肢として《威圧》がありますが、どちらを選ぶかは好みかと思います。《水没》はデプス側でも《輪作》等で《森》を生贄にしてケアできるの欠点ですが、それでも強いです。《死滅都市、ボガーク》やその他のテンポデッキも一緒に見れるため、《水没》を採用です。デッキトップに戻る点がミソです。


⑦《真髄の針》等は不採用

 デッキの都合上アーティファクトが多く、「ついで」で割られてしまうため不採用です。

⑧アグレッシブサイドカード

 私は、ヘルムヴォイドと呼ばれるコンボが嫌いです。しかしながら、テゼレット採用により[+1]でサーチまでこなせるため、《Helm of Obedience》をお試しで入れてみました。《虎の影、百合子》をサイドアウトしてこの戦略を取ると結果はそこそこです。ただ、《惰性の網》の方がデッキ的に合っている気がします。この場合は《ボーラスの工作員、テゼレット》をアウトして《惰性の網》を入れます。後は《改良式鋳造所》で勝てるはずです。しかしこのプランは自分でも疑問であり、考慮中です。

⑨メインに入っているカードを増量

 これはサイドカードを考える上で良い考えだと思います。このレシピの場合は、《疫病を仕組むもの》等になるでしょう。私は《force of will》をメインで3枚とっているため、サイドに1枚です。

■さいごに

 ショップ大会にて様々なデッキと対戦してみましたが、十分に手ごたえがあり、レガシーで楽しく遊べるデッキであることに疑いようはありません。良いデッキであり、プレイングも奥深さがあるので遊び甲斐も十分です。

 未だ調整中のデッキですが手応えを感じています。私の負けの殆どがプレイミスに起因するものであり、ゲーム中の選択肢も幅広く、信頼できるデッキだからです。

 さらにUndergroundseaも絶対に必要というわけではなく、高額カードはフェッチとウィルだけで遊べるデッキのため、忍者デッキからレガシーを始めることはお勧めできます。コンバット等覚えることは多いですが、それも経験。楽しいという点において、このデッキは十分な魅力を持っています。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

■おまけ、忍者の《渦まく知識》についての所感

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 《渦まく知識》は、レガシー史上で最強のカードです。《時を超えた探索》並みに禁止すべきパワーを持つカードであり、疑いようもなく強力で「4枚つまない人を、私は理解しない」と思います。しかしながら、忍者デッキを利用する上で、《渦まく知識》について疑問点を多く感じたため、採用枚数を減らすに至りました。その理由は下記となります。

①忍者デッキはマリガンするデッキである。

 忍者デッキはマリガンするデッキです。ワンマリガン、ツーマリガン、スリーマリガンまであり得ます。そして《渦まく知識》の強さは手札の枚数に直結します。《渦まく知識》を唱える目的は手札の質の向上です。忍者デッキに置いて手札がある時というのは、勝っている時です。さらには十分にマリガンをしているため、手札の品質はすこぶる高いのです。つまり《渦まく知識》を唱える必要がないのです。探したいカードというのは大抵はクロックを通すための除去か打消し、そして土地です。そして3マナを基本に動きます。つまり、忍術の2マナ+何かする1マナということです。その際の《渦まく知識》は大変な負担です。後続の呪文が《目くらまし》されるかもしれませんし、《呪文貫き》用のマナがとられるかもしれません。《改良式鋳造所》でトークンも出せたかもしれません。

 《渦まく知識》を唱えないという選択を取る場面があまりに多かったのです。そして死力を尽くした結果(引いた全てのカードが上手く使えた!)、手札に残った最後の1枚は《渦まく知識》なんてパターンが多かったのです。そして1枚で何とかなるカードが入っていないこのデッキに置いて、それは負けを意味しています。《稲妻》なんて入ってないのですから! 

②《渦まく知識》を唱えなければ負けという場面

 とりあえず3枚引いて考えるという台詞があります。殆どは相手のマスカンに対して、回答を探すためでしょう。しかしそんなものは《思案》や忍者のドローで予め持っておくべきなのです。そして3枚引いて何とかなったという確率はどれ程あるのでしょうか。私はあまり高くないと考えますし、メインでそこまで対処する必要はないと思うのです。サイド後であれば十分に考えるべきですが、しかし不要牌はサイドアウトされているべきです。メインマッチでアドストームやドレッジに勝とうなんて虫の良い話で、除去カードが不要牌になる場合等は特殊な例なのです。そして負けないために唱える《渦まく知識》は弱く、勝つために《渦まく知識》を唱えなければいけないのですが、忍者においてそういった場面はあまりありません。このデッキが《稲妻》を探せるなら、《渦まく知識》は4枚積んでいたと思います。

③シャッフル手段がフェッチランドしかない!

 忍者デッキに置いて、デッキを混ぜる手段はフェッチランドと《思案》しかありません。そして《思案》をそのために使おうとは思いません。つまりフェッチランドを使う訳ですが、忍者はマナ食い虫のため、《渦まく知識》のためにフェッチを切る場面は序盤にはなく、ロングゲームになった時です。そしてその時は《改良式鋳造所》を動かしたほうが強いのです。忍術と《改良式鋳造所》の為にマナを生み出すのですから、当然の結末です。そして4枚目まで見ることのできる《思案》が優先されると考えたのです。キープ基準には《改良式鋳造所》があり、《思案》で1枚でも見つけておければ、後は困らないのです。《改良式鋳造所》は複数枚出ても強い!


④《渦まく知識》で戻すカードはその時にいらないカードだけど……

 だいたいの場合において、例えば最も強い、ドロー後のメインフェイズでの《渦まく知識》ですが、この場合に戻すカードは大抵は不要な土地です。しかし忍者デッキは土地を伸ばしたい場合が殆ど。忍者と梟だけでドローカードは10枚以上入っています。つまり掘るデッキなのです。そして引いたら弱いカードというものはこのデッキに存在せず、デッキ構築に置いて克服できています。昔ならば《羽ばたき飛行機械》は《渦まく知識》で戻したいカードの筆頭でした。しかし《改良式鋳造所》がある今、そうではありません。最もがっかりするであろう土地引きもそんなに困らないのです。《改良式鋳造所》で勝てないマッチアップは、おそらく《渦まく知識》をしても勝てません。


⑤《ボーラスの工作員、テゼレット》を採用している

 テゼレッターにおいて、《思案》と《渦まく知識》は採用しません。それは《虚空の杯》を採用しているから、ということもありますが、それだけが理由ではありません。マナファクトから高速でのテゼレット降臨を目的としている上に、テゼレットの[+1]を考えて、デッキ内のアーティファクトを増やさなければならない点になります。このデッキにおいても、《ボーラスの工作員、テゼレット》を採用しているからにはファクト数は稼いでおきたく、《悪意の大梟》《羽ばたき飛行機械》《改良式鋳造所》どれも4枚積みたかったためです。


■しかしながら……

 とはいっても、困った時に唱えたいカードには違いなく(あまり唱えたくありませんが)、この忍者レシピの場合は《目くらまし》が不要牌にあたります。だいたいウィルのコストになるので、問題とはなりませんが、やはりワンゲームに1回ぐらい《渦まく知識》唱えるのが丁度良い塩梅でした。それに《思考囲い》を交わしたり、《外科的摘出》を交わしたり、ツール的に非常に便利なのは間違いないです。《思案》や忍術をしていると大抵1枚は見つかるため、以上の理由と合わして2枚採用と相成りました。

 いや本当は4枚積みたいんです! 本能がそう叫ぶのですが、理性がいらなくね? って言うので試してるんです! だから言い訳を考えました。しかしながら結果は悪くないので、実際はどうなんでしょうね? 特にリアクションの早いデッキに対して、効果が上がっています。

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