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【確率・グラフ】から考える、隣の芝狩り(ウィッチクラフト)

最初に

隣の芝狩りにおける数学的なデータが見当たらずデータ算出を行いました。折角計算したのでデータとしてnoteに記載しておきます。これは隣の芝刈りを採用するデッキ全般に活用できると思います。特に「表-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率について」は便利かと思います。

下級ウィッチクラフトが初手の5枚で丁度1枚引くためには

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結論から言うと、「表-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」から60枚の場合は11枚前後の採用が最大化されます。ウィッチクラフトの場合、ウィッチクラフトクリエイションの存在から、8枚前後の下級ウィッチの採用が最大化になります。ただし、1%を競うレベルでの最適化ですので、9枚や13枚での採用も大きな支障をきたさないと思われます。8枚あたりから確率の差異が大きくなるので、9枚~13枚に収まればいいと思います。

※1.ウィッチクラフトでは召喚権を要求するため、手札に複数のウィッチクラフトが来ると手札の有効枚数が減ってしまいます。また手札のウィッチクラフト魔法の枚数がアドバンテージに直結するため、ウィッチクラフト下級モンスターがウィッチクラフト魔法カードである場合では、デッキの出力が大きく異なるため、手札に丁度1枚来る確率を求めました。

※2.個人の感想ですが、様々な方のウィッチクラフトデッキを見てきて、下級ウィッチクラフトの採用枚数は人それぞれでした。しかし「図-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」を確認する限り、クリエイション込みで9~13枚に収まっていれば大きな問題はなく、4枚の採用有無という違いがありながらも、どれも正解であることがわかります。これが芝刈りウィッチクラフトデッキの多様性を生んでいた要因だと思います。またクリエイションの存在が大きく、クリエイションは下級ウィッチと一緒に引いた場合はコストとして使われる嬉しい性質があります。下級ウィッチクラフト8枚採用で2枚以上引く確率が12.75%と抑えられているため、手札事故率が少ないものと思われます。下級ウィッチ6枚採用の場合、7.35%と相当低いです。私は、似た確率であるならばウィッチクラフトモンスターが少ない方が良いと考えるため、60枚中の9枚採用(クリエイション込み)が良いのではと考えます。

ところで「図-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」を見ると、Aが8枚を境に1枚以上ドローする確率のグラフの傾きが少し鈍化していることがわかります。つまり8枚から9枚と採用枚数を増やすにつれて、搭載枚数に対するドロー効率が少し落ちていることが考察されます。一時関数的に増えないのは意外でした。また金満で謙虚な壺(6枚)を採用した際、ドローの確率に10%近くの差異がでていて、金満で謙虚な壺は採用必須であることがわかります。

「表-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」

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「図-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」

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上級ウィッチクラフトが手札に来てしまう場合について

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上級ウィッチクラフトは手札に引き込みたくありません。60枚デッキであるため、40枚デッキ以上に引き込みづらいはずですが、やはり素引きは避けたいものです。一般的なウィッチクラフトデッキは上級ウィッチが4枚+マスターピース2枚を採用していると思われるため、初手に引いて困るカードが6枚入っている計算とします。この場合、「表-1 60枚デッキにおける初手5枚でのAをドローする確率」を参照すると約42%の確率で不要なカードが手札に来てしまうことになります。よってウィッチクラフトでは、ドローして捨てることのできるピットレの採用が必要なことが示唆されています。

デッキの最適枚数と墓地について

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A)隣の芝狩りにおいてデッキの最適枚数は何枚か。

デッキ枚数を減らせば、特定のカードをドローする確率が上昇します。「表-2 デッキ枚数における初手5枚でのAをドローする確率」を確認します。3枚ずつデッキ枚数を減らしていくと、3枚採用したカードを引く確率は約1%ずつ上昇します。6枚採用したカードは2%ずつ上昇します。9枚採用は3%ずつ上昇します。9枚以上採用した場合は、3%の差がでることから、57枚デッキは60枚デッキに比べて特定のカードを確率的にひきやすくなると考えます。有意な確率差については最後に言及します。しかしデッキ枚数を減らすと、隣の芝刈りの墓地枚数も減ります。

また「図-2B デッキ枚数における初手5枚でのAを丁度1枚ドローする確率」から、デッキ枚数が少ないほど、引きたいカードを丁度1枚、引き込む可能性が上がっていることがわかります。つまりデッキは少ないほど、1枚だけカードを引き込む場合に好ましく、この場合は40枚デッキが理想的となります。ちなみに7枚が丁度1枚引く際の最大値となります。

以上のことから、芝刈りで何枚落とす必要があるのかを考え、上述の割合を考慮してデッキ枚数を決定する必要があります。例えばシラユキの場合、墓地除外7枚+本人1枚ですから、8枚・15枚墓地の枚数を使用することになります。ウィッチクラフト魔法2枚を回収+シラユキ1回分となると、最低10枚・17枚以上落ちれば良く、57枚構築の可能性でも良い可能性が示唆されます。シャドールの場合は、シラユキのみ必要として55枚構築なども存在しそうです。ただし後述する「表-3 隣の芝狩りで落ちた枚数から、デッキに残っているAが落ちる枚数期待値について」から60枚構築は単純に墓地枚数の期待値が最大でリターンが大きく60枚がベターだと思います。

「表-2 デッキ枚数における初手5枚でのAをドローする確率」

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「図-2A デッキ枚数における初手5枚でのAを1枚以上ドローする確率」

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「図-2B デッキ枚数における初手5枚でのAを丁度1枚ドローする確率」

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B)隣の芝狩りの場合、デッキに残っているAをどれぐらい墓地へ送れるのか

①60枚デッキ ②57枚デッキ ③54枚デッキ ④51枚デッキについて、隣の芝刈りを発動した際に、デッキのAをどれぐらい墓地へ送れるのかを計算してみました。「表-3 隣の芝狩りで落ちた枚数から、デッキに残っているAが落ちる枚数期待値について」より、60枚デッキで3枚採用したカードは約1枚を墓地へ送ることができることがわかります。またデッキ枚数が3枚ずつ減るとAを落とす期待値が0.4~0.7枚落ちていくことがわかります。しかし墓地枚数が減りはすれど、もともとの落ちる母体の枚数が多いため問題とはなりづらく、60枚で構築する必要性がないことを示唆しています。

※3.墓地に送ったカードの種類が被ることについては、人によって採用枚数が違うため、計算しません。これは墓地に落ちた枚数、ウィッチクラフト魔法の種類と採用枚数から求めることができますが大変です。目安3~4枚ぐらい落ちていればいいと思います。「表-3 隣の芝狩りで落ちた枚数から、デッキに残っているAが落ちる枚数期待値について」を見ると、特定のカード(ウィッチクラフト魔法)は少ない採用枚数でも、十分に墓地に落ちることがわかります。

「表-3 隣の芝狩りで落ちた枚数から、デッキに残っているAが落ちる枚数期待値について」 ※4枚~10枚は省略しています。一次関数的に増減するため、推測は計算なくとも容易かと思います。

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「図-3 隣の芝狩りで落ちた枚数から、デッキに残っているAが落ちる枚数期待値について」 ※4枚~10枚は省略しています。

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C)名推理の場合、デッキに残っているAをどれぐらい墓地へ送れるのか

①最大化されたモンスター11枚 ②クリエイションを使って1枚モンスターを減らした場合 ③クリエイションから下級を呼び出し4枚圧縮した場合 ④誘発モンスター(G3枚うらら3枚ニビル2枚、計8枚)を採用した場合を求めました。※名推理の墓地期待値は(デッキ枚数/(モンスターの数+1))で計算しています。

「表-4 名推理が落とす枚数の期待値とデッキに残っているAが落ちる確率について」から①~②の場合、名推理の期待値がそもそも低いことがわかります。ただしAのカード(例えばウィッチクラフト魔法群)を1枚の期待値で落とすことができるので意義があると思います。Aグループのカードが11枚以上あり、ウィッチクラフトのモンスター11枚前後の採用であれば、名推理は十分に使えることがわかります。

③のようにウィッチクラフトクリエイションからモンスターを4枚抜いた場合、期待値が2枚以上になることがわかります。4体取り除いた影響は大きく、Aグループが15枚残っている場合、2枚以上の期待値で落とすことができることがわかります。

④誘発を採用し、名推理の墓地期待値が3枚割ってる場合は、Aのカード(例えばウィッチクラフト魔法群)が落ちないようです。墓地リソース目当てではなく、特殊召喚目的で打つ名推理となります。また名推理の外れを考えると、手札損も発生し、墓地にウィッチクラフト魔法も落ちないことがわかります。この場合は名推理は採用しない方がいいことを示唆しています。

「表-4 名推理が落とす枚数の期待値とデッキに残っているAが落ちる確率について」※4枚~10枚は省略しています。一次関数的に増減するため、推測は計算なくとも容易かと思います。

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「図-4 名推理が落とす枚数の期待値とウィッチクラフト魔法が落ちる確率について」※4枚~10枚は省略しています。

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資料の表について、有意な確率の違い

分布表や専門書を参考に、差が出てくるであろう確率の値を求めてみようとしました。様々なアプローチがありましたが、どれもしっくりこず、答えを見つけることができませんでした。例えば初手ドロー時の確率は何%の差が出れば、採択する価値があるのか、その基準を求めることはとても難解でした。しかしながら、参考となる値が必要なのは確かです。有意水準及びp値の考え方や、分布表の考え方などを考慮しながら、独自に算出してみました。素人計算ですし、統計警察も怖いので、詳細な考え方は載せません。結論を述べると、表の3%以下の差は気にしなくて良いと思いました。実際問題、この手の統計問題は前提となる課題を、求めたい答えにフィットするように都合よく設定していまう問題(ハッキング問題)があり、正しく求めることは難しいといえます。正直、TCGのドロー確率において、有意に差がでる確率基準を誰か教えてほしいです。私の求めた基準では、3%以内で収まるなら、無理して寄せる必要はないかなと考えました。

3%は指標として一応記述しますが、不確かなものです。

この資料は一つの参考として、確率以外からも総合的に勘案する助けとして使用してください。

計算に用いたシミュレーター

手計算及び各計算サイトを利用しました。

カードドロー期待値計算機

金謙確率計算機(β版)

高精度計算サイト

最後に・謝辞

表・図に関しては、カードAをグループとして表現することにより、柔軟に数値を確認することができると思います。例えば、役割が同じカードをAとして纏めて確認して確認したり、不要なカードを合計しAと表現して引いてしまう確率を確認したり等、簡単な確認に使えると思います。

本note記述にあたり、kuroさん、クオリアさんにお手伝い頂きました。ここに感謝を述べさせていただきます。ありがとうございました。

意見交換等は、マシュマロを用意しました。私も素人であるため、指摘などは優しく程々にお願いします。長文をお読みいただきありがとうございました。本記事がデッキ構築の一助となれば幸いです。

スキとかしてもらえるとテンションがあがります。前記事もよろしくお願いします。

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