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友人がマジックに挑戦したいらしく、EDHデッキを組んでプレゼントしてみた話

友達がマジックを始めるチャンス

 友達とキャンプに遊びに行ったら、マジック(カジュアルEDH)を始めたいと言ってくれた。そんなことを言ってくれるチャンスは滅多にないので、沼に叩き落すことを決意した。運のいいことにその友人の誕生日が近いので、デッキを作ってプレゼントすることにした。
※その友人はマジック入門者になる。

一緒に遊ぶか!

前置き

 マジックを始めたいと相談してくれたのだから、楽しいマジック生活を送らせてあげたい。こういった出来事は、ファーストプレイ、最初の体験が肝要なのは言うまでもない。そしてまず大事なのは、「楽しいと思わせるより、つまらないと思わせないこと」だと推察した。楽しい体験は忘れるが、楽しくない体験は残る。それを回避するため、経験者である私がデッキを準備してプレゼントすることにし、マジックデビューしてもらったのが話の趣旨だ。経験上デッキプレゼントは、友人達にマジックを始めさせる上で有効かつ実績のある手法だったので、今回もそうすることにした。

デッキを構築する必要があるのか

 マジックを始めてもらう上で、構築済みデッキを購入してもらったり、貸出デッキをプレイしてもらったりと、様々な選択肢がある。しかし、私はデッキを構築してプレゼントすることをお勧めする。

デッキは、プレイ体験に大きく影響する

 新規プレイヤーにMTGが定着しない理由には色々ある。一つの理由として、デッキに問題がある場合を考える。
 プレイヤーではなくデッキに問題がある場合、つまらないゲーム体験が発生する。EDHだと、強すぎて卓が冷えるデッキもそうだし、弱すぎて遊べないデッキもそうだ。つまらない体験は心に残り、もうマジックをプレイしてくれないだろう。

 また初心者が選びたがる派手な統率者は、楽しそうに見えて問題が隠れている場合がある。例えば《約束された終末、エムラクール》で作られたデッキは、EDHデビューには相応しくないだろう。
 さらに誘うコミュニティのレベルは、友人目線では不明で分かりようがない。今回のケースは私のコミュニティでマジックを始めることになる。このコミュニティのパワーレベルに沿ったデッキが必要だ。

 だから経験者が真面目に検討して、デッキを作成して渡すべきだ。デッキ起因の不快さとはお別れしてもらう。作成後に、スリーブとケースも用意しておけば、友人は気楽に参加できるだろう。

「楽しい」より、「つまらない」を避ける

構築は日本語のカードを準備する

 100枚単位のデッキで、しかも他に3人いて盤面の状況を整理する際に、英語の解読はつまらないだろう。理解に手間取るカードは、マジックを嫌いにさせる。
 英語のカードを避け、日本語のカードを用意しなければならない。
私達プレイヤーは英語の方が読みとりやすいが、デビュー者に英語のカードを読ませるのは良くない。他人のデッキは無理だが、プレゼントするデッキを日本語化することは可能だ。

友人に、これを読ませたいとは思わない。

デッキ構築

つまらなくないデッキにするために

 今回はLv6帯の交流会で参加できるレベルで用意することにした。気を付けるべきはカジュアルで低予算だからと、弱くしないように心掛けること。あと懐が痛まないように、エコなカード群と個人的な資産を用意した。採用枚数などに関してはあくまで目安だが、一般的には間違いのない数字だ。

統率者の選定と条件

 楽しいデッキには、良い統率者が必要不可欠だ。この統率者の選定でデッキの出来を決定し、友人のEDH体験に直結する。下手に友人に相談せず独断で決めてしまい、問題のある統率者を選ばせないこと。

多色であること
 単色は、低予算だとプレイ範囲が狭くなりやすい。必須と言われるカードの代替カードの用意も難しく、予算が必要だ。2色はバランスが良く土地も安価で用意可能である。3色を超えると土地やマナファクトが難しくなるので2色とした。
コンボの勝利条件になれること
 統率者をカラーマーカーにするのはお寒いことだ。愛着をもってプレイしてほしいので、ジェネラルによる勝利が必要だ。
軽量であること
 重たい統率者では、統率者のプレイ時間が短いといった印象を与えるだろう。鈍重な統率者で「プレイする頃にはゲームが佳境。すぐに除去されて影響力がない」ではお寒い。タップインランドと安価なマナファクトを採用することを考えても軽量に越したことはない。3~4マナ域がよさそうだ。
適切なプレイ難度を考えること
 基本的に、EDHのデッキをプレイするのは難しい。友人のレベルを考えながら統率者を選定したい。今回の場合、友人はTCG経験者であるので、多少難しめのデッキを用意したいと思う。

※友人にプレゼントする統率者は《現実の設計者、タメシ》を選定した。条件を達成している上で、楽しく遊べそうだ。またお金を用意すれば十分に強くなる素養がある。

まぁまぁ強くて、新しめのカード。

事故を回避する

 EDHで最もつまらない出来事は、誰かがマナ事故を起こして4人でゲームできない場合だ。EDHを始めた友人にそんな思いをさせるわけにはいかない。ふんわりとマナベースを決めるのではなく競技レベルの安定性を求める。基本的な指針としてデッキの49枚がマナに寄与する必要がある。平均は、土地34枚に対してマナファクト15枚。用意した後で統率者やデッキの性格に合わせて微調整すると良い。多少の前後はあれど、マナに寄与するカードが49枚が無難な構築手法だ。今回はマナシンボルを数えて調整はせず、友人が好きなカードを入れ替えた時でも問題ないように、色が潤沢に使えるようにした。積極的に多色のタップインランドを活用する。

デッキは動いてこそ!

マナを出すカードの選定
 《manacrypt》や《moxシリーズ》は使えない。安価で強い下記マナファクトを活用する。15枚を目標として、ジェネラルと相性の良いカードを入れる。

軽量安価な2マナファクト
《旅人のガラクタ》
《探検の地図》
《永遠溢れの杯》
《太陽の指輪》
《秘儀の印鑑》
《精神石》
《思考の器》
《友なる意思》
《思考の器》
《虹色のレンズ》
《冷鉄の心臓》
《液鋼の首飾り》
《極楽の羽ばたき飛行機械》
+無難な3マナファクト
《統率者の宝球》
《彩色の灯篭》
+5マナ以上のジェネラルなら
《スランの発電機》
《金粉の睡蓮》
+色によって
《森の占術》や《土地の寄進》や《真面目な身代わり》等

安価で性能の高いマナファクト

土地の選定
 
デュアルランドやフェッチランドは採用できない。積極的にタップインランドを採用しよう。500円以下。

タップイン13枚
《進化する未開地》
《高原なる変幻地》
《ミラージュフェッチ》
《全景フェッチ》
《カペナフェッチ》2種
《バトルランド》
《サイクリングデュアルランド》
《氷雪デュアルランド》
《バウンスランド》
《占術ランド》
《アーティファクト橋ランド》
《スローランド》※実質タップイン

アンタップイン21枚
《ショックランド》
《クラウドランド》
《フィルターランド》
《ペインランド》
《統率の塔》
《基本地形》16枚

 これらで34枚の土地が用意できた。予算があるならここから変更していくと良いだろう。この配分だと3枚に1枚以上がタップインとなるがプレイングで誤魔化せるレベルだろう。土地にお金をかけるのは統率者ではコストパフォーマンスが悪い。

安い土地でもマナ基盤は安定する。

汎用カードを投入する

単体除去呪文の選定
 除去カードは10枚前後の採用が推奨される。
 たくさん入れすぎると勝てなくなり、少ないと痛い目を見る。10枚前後の採用が良い。

しっかりと採用しよう。

全体除去呪文の選定
 全体除去は2枚程度の採用が推奨される。カジュアル卓は、しばしばパーマネントが並びすぎてゲームが硬直するので、それを打破するために必要だ。自軍にも被害が及ぶため、特別な理由がない限り、たくさん採用すべきではない。

適切な枚数を採用しよう。

打ち消し呪文の選定(青の場合)
 打ち消し呪文は3枚~8枚程度が良い。カジュアル帯の打ち消しは勝利をもたらさないし大概はパーマネント呪文なので、消すべき呪文は少ない。しかし適切な打ち消しは場を盛り上げる。青くないデッキの場合は後述の妨害カードの追加となる。

安くて強い!

妨害カードの選定
 除去や打ち消しの他にも相手を妨害するためのカードを選定することがある。しかし目的無く採用すべきではなく、打ち消しの代替として採用したい。採用するならば、4枚程度の採用が無難であろう。

程々に採用しよう。

ユーティリティカードの選定
 
基本的に15枚前後を採用する。
アドバンテージ・サーチ・墓地対策等。

ドローソース/アドバンテージカード

 相手の手札が潤沢にあるのに、自分の手札がない時は辛い。面白くない体験に直結する。そんなわけでアドバンテージを獲得できるカードが求められる。ドローソースとアドバンテージソースは似て非なるモノではあるが、併せて10枚程度採用しておきたい所だ。

手札がないのは悲しい。

サーチカード
 
ゲームは終わらなければならない。カジュアルでのサーチカードには問題がいっぱいだが、果たして不採用が正解なのだろうか。4T目にコンボカードをサーチすることはお寒いが、10T目以降にサーチカードを使い勝利することはクールだ。《教示者サイクル》及び《3マナ以上のサーチカード》程度が良い。入れすぎるのも入れないのも良くないので、5枚前後にとどめておくのが無難だろう。

サーチカードは必ず採用しよう。

墓地対策
 無理して墓地対策をする必要はない。何故なら他の人も墓地対策をするからだ。また墓地に触りすぎるとゲームが遅延する。カジュアルでは墓地対策は程々で良いと思う。2枚程度をお守りとして入れるといいだろう

墓地対策は程々に。

メインカード

 ようやくデッキの動きを担うカードを投入する。20枚程度。
 注意点として、統率者とシナジーするカードだけで固めないこと。1枚でも強いような、ナイスカードもチョイスしておこう。テーマカードを入れすぎる失敗は是非避けたい所。

《現実の設計者、タメシ》と相性がいいシナジーカード。統率者がいないと強さが発揮されない。
統率者に関係なく、とりあえず強いカードも入れる。

フリースロット

 余った枠には好きなカードを入れる。基準通り組むとだいたい100枚。

カジュアルさって何だ?

 カジュアルは難しい。カジュアルの基準は、主観による判断が大きく、コミュニティの考え方に依存する。私の考え方は賛否あるだろう。最終的に不安があるのであれば、コミュニティに相談しよう。

 カジュアル統率者の精神は「皆で楽しく遊ぶこと」が重要な考え方だろう。つまりパーティゲームだ。
 トラブルを持ち込む可能性のある呪文は排除した方が無難に遊べる。もちろん、そのリスクを負ってプレイすることは自由だ。

嫌な相手とは遊ばない

 何をどうやっても、人間的な相性や日々の出来事やデッキ問題により、不快なゲームが展開されることはある。それは誰も悪くない。無理して遊ばず、ゲームを諦めよう。その日はどうせ楽しくマジックが出来ない。マジックは数ある遊びの一つだ。新しい選択肢を探そう。

特定のプレイヤーだけを攻撃するカードをプレイしない

 EDHは全員でゲームを作り上げるものだ。特定のプレイヤーを対象として、大打撃を与えるようなカードをプレイしないことを心掛けたい。こういったカードを使うなら、速やかに勝利しなければならない。何故なら、4人で遊ぶゲームを3人や1人で遊んではいけないからだ。速やかに終われば次のゲームを始めることができ、4人で楽しむことができる。

・《残酷な根本原理》等を唱えて、1人だけに大打撃を与える。
・1人対象のハンデスカードをしつこくプレイする。

勝たない、その上1人だけに与える被害は甚大。パーティゲームに相応しくない。

土地は触らない

 土地を割ったりデッキを機能不全に陥れるカードは採用しない方がいい。4人で遊ぶゲームを1人で進行し、他3人を付き合わせるのは問題がある。これも速やかにゲームに勝利できるのであれば問題がない。

・《ハルマゲドン》をプレイし、他のプレイヤーを機能不全にした上で、長い時間をかけて勝利する。
・《停滞》をプレイし、ロックをかけた上で、自分だけカードをプレイし、長い時間をかけて勝利する。

パーティゲームを1人で遊ぶな。付き合わせるな。

相手の統率者を機能不全にしない

 カジュアル対戦では他人の統率者を奪わない方が無難だ。1人だけ統率者を奪われたまま、ゲームを過ごす時間が楽しいだろうか。対応するカードは常に引けるものではない。使うなら速やかにゲームを終えたいものだ。しかし安定して速やかに終えられるということはデッキのパワーレベルが高いということだ。《金粉のドレイク》等、怪しいカードはコミュニティに相談すると良い。

・《約束された終末、エムラクール》で相手の統率者を墓地に落として、そのゲーム中、二度と統率者をプレイできないようにする。
・《金粉のドレイク》等で相手の統率者を奪い続ける。私は気にしないが、嫌う人もいるので掲載。

1人だけ機能不全にさせるな。4人で遊べ。

勝利コンボ

 勝ち手段はジェネラル1枚+手札2枚で勝利するコンボを選定するのが無難だ。特定の2枚コンボは対応が難しく、手札1枚始動のコンボは歓迎されない。また相手が汎用カードで対応しやすいコンボを選択すると、会話が発生して不満が出づらい。これはコミュニティの考え方によるので、コミュニティと相談しておくことが重要だ。

対話拒否や1枚コンボは辞めた方が無難。1人ではなく、4人のためのゲームだ。

勝率の確認

 コミュニティで遊んでいて、勝率は高すぎないだろうか? 低すぎないだろうか? 33%を超える勝率があるなら、デッキが強すぎる。20%に届かないなら、デッキが弱すぎる。25%収まるように調整するのが無難だ。「競技を遊んでいるのか、パーティゲームをしているのか」をよく考えよう。勝ちすぎず、負けすぎるな。
 
遊び続ける上でのコツとして、勝率の確認が最も確実だ。

適度な勝率を目指そう

予算の配分

 プレゼントするので、予算の限りというものが発生する。入手性を考えて晴れる屋の通販でカード価格を考える。表記は晴れる屋の相場で換算にした。特価品等を探せば、相場の8~9割ぐらいの価格で購入できるはずだ。

まずは標準的なマナファクトを。
 《精神石》といった安価なマナファクトにお金を優先しよう。1枚平均100円として、15枚で1500円だ。

次は二色ランド。
 基本地形はタダとして、特殊地形20枚の平均値が150円とすると3000円程度かかる。できるだけ削りたい所だが、事故が面白くないのでここも投資が必要だ。色事故を避けるため、タップインランドは積極的に採用する必要がある。

最後に他のカードを。 
 後は好きなように予算を存分に割り振る。残りのカードを5000円程で作る必要があり、残り50枚を用意しなければならない。1枚平均100円は十分組める範囲だ。追加で良いカードを入れてあげたいので、自分のストレージからサービスして見た目上の予算を増額した。正直な所、良い感じのデッキを作り上げるには2万円以上の予算が必要だろう。ただ友達が一緒にマジックをしてくれるのだから、安いかなと考える。

サンプルリスト

 上記を守り構築した結果、下記のようなサンプルリストが出来上がった。

統率者
《現実の設計者、タメシ》

【マナファクト】15
《睡蓮の花》
《旅人の護符》
《探検の地図》
《月罠の試作品》
《太陽の指輪》
《秘儀の印鑑》
《精神石》
《思考の器》
《友なる意思》
《思考の器》
《虹色のレンズ》
《冷徹の心臓》
《極楽の羽ばたき飛行機械》
《古術師の地図》
《真面目な身代わり》

【土地】32
《基本地形》12枚 島8枚/平地4枚
《神秘の塔》
《囁きの大聖堂》
《教議会の座席》
《進化する未開地》
《高原なる変幻地》
《氾濫原》
《常夜会一家の店先》
《斡旋屋一家の潜伏先》
《大草原の川》
《灌漑農地》
《氷河の氾濫原》
《アゾリウスの大法官庁》
《啓蒙の神殿》
《剃刀潮の橋》
《さびれた浜》
《神聖なる泉》
《雲海》
《広漠なるスカイクラウド》
《アダーカー荒原》
《統率の塔》

【除去】11
《魂の捕獲》
《証人保護》
《浄化の印章》
《退去の印章》
《精霊界との接触》
《沈黙のオーラ》
《法魔道士の束縛》
《剣を鋤に》
《流刑への道》
《神の怒り》
《質素な命令》

【ドロー/アドバンテージカード】13
《Mystic Remora》
《師範の占い独楽》
《現実チップ》
《ちらつき護法印》
《ゆらめく翼》
《妖術師のガラクタ》
《彩色の宝球》
《彩色の星》
《ミシュラのガラクタ》
《上天の呪文爆弾》
《魔法の井戸》
《粗石の魔導士》
《嘘か真か》

【サーチカード】5
《悟りの教示者》
《神秘の教示者》
《発明品の唸り》
《方程式の求解》
《工匠の直感》

【墓地対策】2
《魂標ンタン》
《トーモッドの墓所》

【その他メインカード】21
《命恵みのアルセイド》
《幽体こそ泥》
《ラト=ナムの創立者、ドラフナ》
《湖に潜む者、エムリー》
《トレイリアの大魔導師、パリン》
《練達の変成者》
《サイバードライブの起動者》
《屋敷の踊り》
《イラクサ嚢胞》
《きらきらするすべて》
《いざ動け》
《目覚ましい修復術》
《太陽のタイタン》
《鏡細工》
《巧妙な鍛冶》
《写本裁断器》
《玄武岩のモノリス》
《催眠の宝珠》
《時間のねじれ》
《副陽の接近》
《タッサの神託者》

簡易解説
 第1の能力がメインであり、バウンスで1ドローを誘発させることに注目した。第2の能力は土地を戻してしまうテンポロスが著しく、序盤ではあまり起動せずフィニッシュ能力として運用したい。また空民能力を使うと土地が手札に戻ってくるため、デッキの土地は基準の-2枚とした。

今回の勝利手段は
1.《副陽の接近》を唱えて、《現実の設計者、タメシ》とホゾのドローで掘り進めて唱えなおす。
2.《催眠の宝珠》+《玄武岩のモノリス》でセルフLOから《現実の設計者、タメシ》で《妖術師のガラクタ》を戻して、《妖術師のガラクタ》から《タッサの神託者》を手札に戻して唱える。
3.《島》が3つある状態から《現実の設計者、タメシ》の能力で《神秘の聖域》を回収して、再セット。《時間のねじれ》を拾って無限ターン。
4.《きらきらするすべて》や《イラクサ嚢胞》等でファクト・エンチャント数を数えてパワーで解決。

 より勝利したいなら「《直観》からの《セヴィンの再利用》」や「ペインターグライドストーン」、「《工匠の直観》+《LED》+《隔離用構築物》」等、選択肢が多い。無限上陸やエンチャントレスや呪禁オーラのような方向性の改良もできるし、塩っぽくするなら停滞ロックなども可能だ。《現実の設計者、タメシ》の空民能力も面白く、戻した土地を《意外な授かりもの》で入れ替えるのも良いし、汎用土地として《ウルザの物語》や《セラの聖域》も使える。改良の余地が見えて楽しい。

組み終わったらテストプレイ

 友人にプレゼントするデッキをくみ上げた。勉強になることが多かったが、まだ大事な工程が残っている。テストプレイだ。友人が果たして楽しく遊べるのか、テストプレイする必要がある。

組んで回してみて

 土地基盤とマナファクト数は間違いなかったようだ。事故率が低い。またいくつかの致命的な問題点を発見し、修正することができた。フィードバックしてサンプルリストを変更した。デッキ内の「強くはないが、弱くない」カードも重要で、入れ替え余地として残った。他人に遊ばせるなら、テストプレイは大事で、必ず実施しよう。

EDHをデビューしてもらう

 いよいよデッキをプレゼントして、EDHをデビューしてもらうことになる。ここで一番大事なのは、卓のメンバーを自分で集めて、無難なメンバーでEDHをプレイさせることだ。初心者が来ることを説明して承諾してもらい、そういったプレイを心掛けてもらうよう予め伝えておく。ここで知らない人と遊ばせると、全てご破算になる可能性がかなり高い。
 またEDHにおいては、初心者同士でプレイさせる愚は絶対に避けたい。ショップが推奨しがちなことだが、これは必ず拒否すること。パワーレベルが合わない、相手のマナーが不明、プレイが遅い。等とトラブルの山だ。

 色々と気を使った結果として、友人はマジックを気に入ってくれた。これからも一緒に楽しくマジックができたらいいなと思う。

補足

MTG Companionアプリを予め導入してもらう
 「さぁ遊ぼう」という所で、お店でアプリをダウンロードして、ユーザー登録だの、設定だの、鬱陶しいことこの上ない。友人に説明して、予めの導入をお願いしておこう。

デッキを渡す上でプレイ指針を説明する
 EDHは認知負荷が高いし、プレイするだけでも大変だ。初めて回すデッキなら、なおさらである。プレイ指針が必要だ。メモに纏めて渡してもいいし、一緒にプレイしてもいい。今回のデッキは難しめなので、特に注意が必要だった。
※今回デッキをプレゼントした友人は、TCG経験が豊富であるため、プレイの理解が早く、数戦で自分のモノにしていた。

統率者戦の精神の説明
 カジュアル統率者の精神として「勝利ではなく、ゲームを皆で楽しむこと」が目的だと予め説明しておくと理解が得られやすい。合わせてパワーレベルの話もしておく。私の場合はプロレスに例えて解説することが多い。
 cEDHの場合は「競技姿勢で、勝利のためのプレイ」が目的である。正直な所、遊ぶだけならcEDHが楽なのだが、お金やプレイ手順の問題もあり、友人には勧められなかった。

最後に

 カジュアルEDHで、友人のデッキを作成するのはとても勉強になった。自分用ではないので、いつもより真剣に取り組めた。カジュアルで注意すべき点を再確認し、デッキ作成のテンプレートを見直せた。デッキの構築論は数多の人が解説しているが、自分でかみ砕くことでの「車輪の再発明」は、私の熟練度を上げた。今回の採用枚数基準とメモは今後も役に立ちそう。長文お読みいただきありがとうございました。


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