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偏微分方程式

偏微分方程式の数値解法とは

偏微分方程式の数値解法は、偏微分方程式(PDE: Partial Differential Equations)の解を近似的に求めるための手法のことを指します。これらの方程式は、多くの場合、解析的な解が見つけられないため、数値的な手法が必要となります。以下に、主な数値解法をいくつか紹介します。

  1. 有限差分法(Finite Difference Method): 空間や時間を離散的なグリッドに分割し、微分を差分に置き換えることにより近似します。この方法は直感的で実装が比較的簡単ですが、グリッドの選択が解の精度に大きく影響します。

  2. 有限要素法(Finite Element Method): 問題の領域を小さな「要素」に分割し、各要素内で方程式を近似します。この方法は複雑な形状や境界条件を持つ問題に適しています。

  3. 有限体積法(Finite Volume Method): 保存則を基にした方程式に特に適しており、領域を小さな「体積」に分割し、各体積内の平均値を計算します。

  4. スペクトル法(Spectral Method): 方程式を異なる周波数の波形の和として表し、これらの波形の係数を計算することで解を近似します。高い精度を達成できますが、滑らかな解が必要です。

  5. 差分時間領域法(Finite-Difference Time-Domain, FDTD): 電磁気学で広く使われている、時間領域における有限差分法の一種です。

これらの方法は、物理学、工学、気象学など様々な分野で偏微分方程式の解を求めるために用いられます。それぞれの方法には特徴や適用できる問題の種類が異なり、問題の性質に応じて最適な方法を選択する必要があります。また、高度なコンピュータシミュレーションにおいては、これらの方法が組み合わされることもあります。

本記事では有限差分法(Finite Difference Method)を用いた数値解法についてご紹介します。

差分近似

偏微分方程式の数値解法においては差分法は非常に多く用いられます。

差分法では差分近似を用います。まずは常微分係数の差分近似の考え方を復習し、次に偏微分係数での差分近似の考え方を学習しましょう。

常微分係数の差分近似

偏微分方程式の差分近似も接線の勾配を曲線上の近接2点間の勾配で近似する常微分係数の差分と本質的には全く同じです。

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