見出し画像

40TOPS以上のNPUが必要な「Copilot+ PC」を策定したMicrosoftの真の目的

 そもそも「AI PC」、「Copilot+ PC」とは何なのかということを定義しておく必要がある。最初により多くの人が認識しているであろう、AI PCについて定義していこう。

 AI PCとは、その名の通りの定義をするのであれば、AIアプリケーションが動作するPCという意味になる。このため、現在市場にあるどんなPCでもAIのアプリケーションが動作するので、すべてのPCがAI PCと言ってよい(これを広義のAI PCとする)。

 しかし、一般的なPC業界ではAI PCと呼ぶ場合には、NPU(Neural Processing Unit)を搭載しているPCのことを「AI PC」と呼ぶのが一般的な認識と見解だ。

 昨年(2023年)に発表されたRyzen 7040シリーズ(後継のRyzen 8040も同様)、Core UltraにはAIを専門に処理するNPUが搭載されており、それらを利用してAIアプリケーションを高いパフォーマンスかつ低消費電力で処理できるのが、AI PCということになる(これが狭義のAI PC)。

 ただ、AI PCというのは一般用語に過ぎないので、AMDにはAMDの、IntelにはIntelの、MicrosoftにはMicrosoftの定義があるという形になり、それぞれが皆自分たちの都合に合わせて使い方をしているのが現状だが、NPUを搭載していることを条件にしているのはどこの会社も同じだ。

 ではCopilot+ PCとは何かと言えば、Microsoftが独自に定義した「より新しいユーザー体験ができるAI PC」という意味だ。対応したPCをPCメーカーが発売すると、Microsoftから共同マーケティングキャンペーンや各種のリベートなどPCメーカーに対して特典が提供される。

 具体的に言えば、今回Microsoftが5月20日に行なった報道関係者向けの発表会にPCメーカーが招待され、自社のPCを報道関係者にアピールしたことも、共同マーケティングに該当する。

ref


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?