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オンライン勉強会のススメ(追記あり)

最近は悲しい理由が原因ではあるものの、リモートワーク(一部の人たちはテレワークという昭和臭溢れる総務省ワードを好むみたいです)が推進されています。

その流れで注目されているのがオンライン勉強会です。筆者は元からフルリモートの会社に努めていて、多少はノウハウを持っていることから、今回改めて記事を書いてみました。オンライン勉強会に興味のある人に是非読んでいただきたいです。

オンライン勉強会の利点は、どこに住んでてても参加できること、小さいお子さんがいても気軽に参加できること、天候不順や病気の流行に関係なく参加できること、運営者の(食べ物やアルコール)の好みを押し付けられないなどがあります。そもそも開催も手軽にできます。

疑問を持とう

リモートワークの利点の1つは「それほんとに必要なの?」を排除することにあります。というより、無駄を排除しないと成立しないという側面もあります。

さて、飲み会や勉強会も、必ずしも、顔を突き合わせてオフラインのローカルでやる必要がないことに一部の人たちが気づき始めました。

Twitterなどで、日本でもトップクラスのソフトウェアエンジニアたちが日々「リモートで仕事なんてできるやろ」「満員電車乗るのバカバカしいし、電車そのものが非効率的」など言ってる割には、勉強会やカンファレンスの形態は未だにオフラインで、路線や時間によって混みすぎる電車にのって会場に行っています。

リモートワークやリモート飲み会、オンライン勉強会が流行ることで、そういった固定観念の払拭ができればと思っています。

この記事では、現代においてまだ主流である、会場を借りてスタッフを集めて行う勉強会を、オフライン勉強会と呼びます。

ステレオタイプな勉強会ってなんで必要なの?

200x年代から流行り始めたステレオタイプなIT系勉強会。つまり、LTや30分枠・1時間枠の登壇、パネルディスカッションみたいなのがあって、ビアバッシュのように、ビールとピザがある。なんなら「ドラ娘」というLTの終了時間を通知する銅鑼を鳴らす若くてかわいい女の子がいて、みたいなスタイルの勉強会がとてもとても流行しました。

幸いなことに、今の時代には「ドラ娘」という、昭和のおっさん的なセクハラは撲滅されました。

そういった部分はさておいて、未だに勉強会はオフラインで開催されています。

・ ほぼ都内でしか開催されない
・ 大きな会場を使う場合、莫大な費用と、大人数の当日スタッフが必要になる
・ そもそもソフトウェアエンジニアが開催してるくせに、配信や録画の1つも満足にされていない(もちろんされている勉強会もありますが、無い方がほとんど)
・ 一部には、飲み会ハラスメントや飲み会荒らしもいる
・ 子持ちの人、家庭の用事があるひとが、気軽に参加できない
・ 飲み会で名刺交換しても、大半は名刺交換しただけで忘れる(なんでソフトウェアエンジニアが、紙の名刺にこだわるんですかね)
・ そもそもピザやビール飽きた。あるいはピザやビールが嫌いな人もそれなりにはいる
・ 発表者の性別や容姿に対するハラスメント行為がある

勉強会の開催スタイルは200x年代と比べてさほど進化しているわけでもありません。むしろダイバーシティの現代に対応できていない面があります。

勉強会の構成要素を見直す

まずは、勉強会の構成要素を考え直してみましょう。

1.  LTやセッションを発表するための手段
2.  質問やコミュニケーションをする場
3.  場の治安維持(アンチハラスメントやファシリテーションなど)

この3つがあれば勉強会は成立するはずです。つまり、発表手段と、あとはコミュニケーションチャネルの2点と、それを維持することだけできれば勉強会を開催できるはずです。

都内の大きな会場や、ベンチャー企業のカッコイイオフィスを借りるのは必要ですか?違いますよね。

スタッフが用意するピザやビールは必須ですか?違いますよね。

実際のところ、これらの構成要素はオンライン(リモート)でも満たすことができます。

オンライン勉強会なら会場は不要ですし、飲み物や食べ物は各自が好きなものを用意すればいいだけです。

まずはオンライン勉強会のスタイルを幾つか見ていきましょう。

オンライン勉強会の種類

A) 会場を用意して、配信ツールで、動画・音声を配信する
B) 会場を用意せず、動画・音声通話ツールを使う

Aは、オフライン勉強会とのハイブリッド形式といえるでしょう。利点としては、オフライン勉強会の会場にいる人は、配信機器を用意する必要がありません。

Bは全員が対等な立場になります。もちろん主催者が、勉強会の司会進行・治安維持を行うことになるでしょう。

どういう方法を取れば実際にオンライン勉強会は可能でしょうか?発表手段とコミュニケーションチャネルについてそれぞれ見ていきましょう。

オンラインでLTやセッションを発表するための手段

まずはオンラインで発表するための手段です。

1. YouTube Live などの動画配信サービスで配信をする
2. Zoom.us のような動画・音声通話ツールを使う
3. Slack(有料版)でSlack 通話を使う(小規模限定)
4. Discord のような音声通話ソフトで音声をやり取りし、画面はChrome Extensionsなどを使う

これらがあります。1の動画配信サービスは、会場を借りるようなハイブリッド型の勉強会に向いているといえるでしょう。事前にアカウント登録やURL発行をしておき、時間になったら配信を開始するだけです。

ただし幾つか欠点があります。

・ 配信機材(ビデオカメラとマイク)を用意しなければいけない
・ 配信ソフトウェアのセットアップが大変
・ めちゃくちゃレイテンシーが高い(数十秒の遅延が当たり前)

2のような、専門の動画・音声通話ツールは、ツールによりますが、セットアップがとても楽です。動画配信サービス同様に、URLを発行し、参加者はURLを踏むだけです。ただし、事前に参加者もアカウントを登録しておく必要はあるでしょう。

ここでは筆者のおすすめの Zoom.us を紹介しておきます。利点は低レーテンシーであること、セットアップが比較的簡単なこと、他のサービスと比べて安定度が高いことです。WindowsやMacのアプリケーションもありますし、ウェブで利用することもできます。

3は、会社内で少人数の勉強会をするときにおすすめの手段です。Slackは課金をしている場合、Slack通話という機能を利用でき、少人数であればSlack通話はお手軽かつ、安定しています。

4は、お金をかけたくない人や、Discord で常設コミュニティをやっている人にはいいかもしれません。

さて、2や3や4を使った場合は、画面をどうするのでしょうか?1の動画配信同様に、真面目に機材を揃えて動画を撮ってもいいのですが、そもそも会場を使う必要がないので、基本的には画面共有を使います。Zoom.usやSlack通話には画面共有機能があり、特定のディスプレイやアプリケーションの画面を共有することができます。筆者は試したことがないのですが、Discord では Windows 限定で任意の画面共有ができたり、Chrome Extensions を使って同様のことができるようです。画面共有さえできれば資料でもデモでも映せば大丈夫です。

また、Zoom.us の場合は、画面共有をしながら、参加者全員がインカメラを使って自分を写すこともできます(もちろんオフにもできます)。

筆者としては、Zoom.us がとてもおすすめですが、無料だと初回ホスト以外では、40分制限というものがあります。オンライン飲み会とかだと小休止に最適なのですが、勉強会なら課金をしたほうがいいかもしれません。

コミュニケーションチャネル

配信や画面共有だけでは勉強会としては成立しづらいため、別途コミュニケーションチャネルが必須になります。

a) Slack か Discord を使ってチャットでやりとりする
b) hackmd や scrapbox や esaDocBase などを使う
c) オンラインコラボツール(ホワイトボードとかマインドマップとか)を使う

aのような Slack や Discord を導入するコミュニティも増えました。個人的には Slack はサーバーごとにアカウントを作らないといけないため、コミュニティはできる限り Discord で立ててほしいというのが本音です。まぁどっちでもいいですけど。

bはどれもテキストを同時編集できるオンラインサービスです。scrapbox はこだわりの独自Wiki記法ですが、それ以外は全部Markdownを使います。

まぁぶっちゃけ、Wiki記法もMarkdownも使わず、単にテキストを書くだけでも成立します。

さて、aとbの違いは何でしょうか?aはフロー型でbはストック型と呼ばれます。前者は帯域が太く雑談混じりのコミュニケーションに向いています。後者はあとに残したいものや、情報整理に向いています。性質に違いがあるため、a/bの併用も検討してもいいと思います。

ちなみに過去の経験では scrapbox は同時編集にはちょっと弱かったです。今は改善されてるかもしれませんが、個人的には同時編集のしやすさでは、esa = DocBase > hackmd > scrapbox だと思ってます。ただ、esa や DocBase はお金が掛かるので、実質オススメは hackmd です。

ちなみにhackmdはOSSであるため、自前でサーバーを建てることもできるようです。まぁ普通に hackmd.io のサービスを使えばいいとは思いますが。

ただし、bのストック型サービスは、事前資料がないもの、議論を交わすもの、もくもく会に向いていると思います。事前資料があって発表をするのであれば、画面共有(かストリーミング動画)だけで情報量が多いので、bをやってるほどの余裕はないかもしれません。特に画面共有を使った動画通話アプリ(Zoomなど)を使うなら双方向コミュニケーションが取りやすいというのはあります。

cは色々なサービスがあり、これからも登場すると思うのですが、筆者はあまり使ってないためここでは詳しい紹介は避けておきます。デザインにまつわる勉強会ならFigmaとかを使ってみても面白いかもしれません。

勉強会の雰囲気によっては、SlackやDiscordの発言を、画面に流し込むツールを使うと一体感が出て楽しいです。

追記: Apollo Japan User Groupd Meetup 2020SS 1st Delivery に参加してみました

先日参加した Apollo Japan User Group Meetup 2020SS 1st Delivery は、例の騒動より以前から、オンライン勉強会というやり方を選んでいた数少ない勉強会です。

ここでは、Zoom + Slack のみでやっていました。基本は声で参加するか、Slack で書き込んで参加するというやり方で、従来の勉強会からの移行形式としては素晴らしいのでは?と思いました。

事前資料を容易する形式などでストック型メディアを使う必要性はさほどなく、質問などがあれば随時質問をするような形式でした。Zoomだと参加者が双方向に喋りやすいというのはあります。

プレゼンは3つでしたがかなり濃密で楽しい勉強会でした。

この開催スタイルは参考にしてもいいでしょう。あと、Zoomでレコーディングをした動画が後ほど、youtube に上がっていたりもします。

追記: YYTypeScript

開催日が毎週金曜日なため最近は参加出来ていないのですが、これも面白い開催形式のオンライン勉強会です。

YYTypeScriptは固定の開催場所(例の騒動のあとリモートオンリーになりました)があり、そこの様子をYouTube Liveでストリーミング(リモートの場合はDiscord音声通話)しながら、Slack + hackmd でコミュニケーションするというものです。またLTなど事前資料は一切容易せずに、議題のみを決めておいて、それぞれの議題について話し合うという、双方向座談会形式です。

LTやもっと長い登壇資料がなければ勉強会は成立しないか?というとそうではないということです。

オンライン勉強会の幾つかのコツ

Zoom.us などを快適に使うために必須となるコツが幾つかあるので紹介します。

・ しゃべる人は、良い品質のイヤフォンマイクか、イヤフォン + 良い品質のマイクを使ってください
・ Zoom.us の場合、インカメラで自分の様子を配信できますが、帯域を結構食うので要注意です
・ 発言・配信する人は、テザリングやスマフォだと厳しいです。5Gが普及するまでは、安定したアップロード帯域のある環境でやりましょう

これらは会話クォリティに直結します。マジで直結します。

筆者のオススメは AirPods Pro です。品質が段違いです。

リモート飲み会

懇親会の代わりにリモート飲み会を試してみるといいかもしれません。

リモート飲み会は、リアルワールドとは異なり、会話が「ターン制」になるので、その点は普通の飲み会とは違うところなので要注意です。

リモートノウハウの詰まった同人誌書きました

技術書典8が中止になってしまいましたが、社員で書いた同人誌を、参加予定だった2/29に Booth にて頒布します。

リモートワークのノウハウが詰まった最高の一冊です。無料お試し版を頒布しているので、ぜひ読んでみてください。

リモートワークについて

リモートワークについての記事も書いています。

よろしければこちらも御覧ください。リモートワークが成立するときの大切な条件について書いています。

オフライン勉強会

オンライン勉強会について書いてきましたが、オフライン勉強会のすべてを否定するつもりはありません。

勉強会の開催スタイルについて思考停止をしている人が、この記事で少しでもオフライン勉強会やオンライン勉強会について考えていただければ幸いです。

筆者は、オフライン勉強会は、オフラインだからこそできることを大切にしていくべきだと思っています。オフラインでもオンラインでも楽しいことをやっていきましょう。

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