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世界で1番カンタンなコード理論
このノートでは、私が再発見した「中心軸システム(axis system)」について解説します。コード理論ってハッキリ言って難しくありませんか? そういう分かりにくいところをショートカットできるのが、この中心軸システムなのです。
中心軸システムとは?
中心軸システムの最初の提唱者は、ハンガリーの音楽学者レンドヴァイ・エルネです。私はまだ読んでいないのですが、彼が1955年に書いた「Bartók Stilusa」(バルトークの作曲技法。和訳は1978年に出版)にて、説明されています。
中心軸システムの肝となるのは、12音階を、3つに分類するところです。
時計のように音階を円に並べて、十字で切ると、ちょうど3等分できます。ハ長調とすると、上記の赤の組がトニック、緑の組がサブドミナント、青の組がドミナントとなります。
既存の音楽理論のダメなところ 中心軸システムのイイところ
既存の音楽理論では、ノンダイアトニックコードをどのように解釈するかが難しく、ブレが生じます。
たとえば、ハ長調(Cメジャーキー)のとき、Bbメジャーは、①トニック、②サブドミナント、③ドミナントのどれにあてはまるでしょうか? 最も高い可能性は③ドミナント(同主転調)ですが、転調するなら他の可能性もあげられます。
このような難しさがあるのは、そもそも既存の音楽理論のコードの分類(トニックなど)が、ダイアトニックコードを中心に考えられているためです。よって、ノンダイアトニックコードを理論内で説明しようとすると、転調などの特殊な操作が必要になります。ノンダイアトニックコードのことをあまり考慮に入れられていない理論なのでしょうね。
中心軸システムは既存の音楽理論を拡張したものです。すなわち、既存の理論で取り扱いが難しかったノンダイアトニックコードを1つの理論の中で説明できるようにしたのです。
これにより、同じ機能を持つ代理コードが探しやすくなりました。
レンドヴァイ・エルネの分類
中心軸システムの提唱者エルネは、メジャーとマイナーコードを同じ分類としました。
ですが、私は次のような分類で考えることをオススメします。
私が考えた中心軸システム・改
これは、上記と違ってメジャーキーが時計回り次の分類になっています。さらに、ディミニッシュコードも同じ理論の中で取り扱うことができます。
改バージョンの利点
エルネの理論では、セブンス(G7など)、メジャーセブンス(CM7など)、ハーフディミニッシュ(BΦなど)の分類に苦労します。
たとえばハ長調のCM7(C+Em)は、エルネの分類だとトニックとドミナントの中間の機能となります。ディミニッシュコードに言及したものは(まだ)見つけられていませんが、G7(G+Bdim)も同じような扱いとなるでしょう。
しかし、改バージョンにすればCM7(C+Em)もG7(G+Bdim)も、同じ分類になります。代わりにマイナーセブンス(Am+C)が中間になりますが。
使い方
ざっくり、次のnoteで説明しています。
私の場合、物足りなく感じた時に図を見て、同じ枠のメジャーやマイナーキーを総当たりします。種類が少ないため、ほとんど時間がかからないので重宝しています。ディミニッシュはおまけ程度に見ています。
おまけ
改バージョンだと、オーギュストメントコードは音階に関わらず、トニック・サブドミナント・ドミナント全ての中間に位置しています。
おわりに
私は、数年前にこの理論を発見しました。しかし60年以上前に既に発見者がいました。しかも名前もついています(英名がカッコいい)。
図らずも再発見となってしまったことが悔しかったので、紹介がてらコラムにしました。
よろしければ、スキを押していただけましたら幸いです。あと、是非この理論を使ってください!
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