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ひとり旅の魅力に気づいた26歳の夏


なんかもうどうでも良くなったー。
この言葉が私の背中をドンッと押し
気づいたらオーストラリア行きの航空券を
買っていた。

オーストラリアを選んだ理由はただひとつ。
お姉ちゃんの様な大好きな先輩に
会いたかったから。

彼女がオーストラリアでの生活を始めたのは
2年ほど前。
本当はもっと早く会いに行きたかったけれど
コロナウイルスの流行と転職でバタバタしていて気づいたら2年が過ぎていた。

オーストラリアへ行くことを決めた時
仕事もプライベートもどよんとしていて
長いトンネルの中にいる様な気分だった。

そんな時「おいでよ」と受け取ったメッセージ。
たった一言だけど
寒い日に飲む温かいココアの様にじわっと
心に広がる温かさはまるで
トンネルの先から光の筋が見えたようだった。

そうだ、
ずっと行きたかったオーストラリアに行こう。

とはいえ、今まで海外旅行の経験も多くなく
飛行機にさえ1人で乗ったことがない
そのうえ乗り継ぎもある。
航空券を予約した時は
息が上がる程のわくわくと
息を吸うことを忘れる程の不安で
言葉にできない味わったことのない気持ちだったことを鮮明に覚えている。

心配性の性格のおかげで
出国までの道のりは思いの外スムーズだった。
飛行機で隣だったお話好きの18歳の学生。
彼も初めてのオーストラリアで
留学をするみたいで
不安だね、でも楽しみだねと
感情をシェアしながら色々な話をしていたら
周りの寝息で夜になっていたことに気づいた。

彼とはトランジットで別れを告げた。
彼の夢や希望は身を心も疲れてしまっていた
私には眩しすぎたけれど
なんだか少し元気をもらえた。
一期一会ってこういうことなんだなと、
彼と出会えて良かったと思った。

オーストラリアについてからは
先輩夫婦が色々なところに連れて行ってくれた。
広大な自然、温かな人々、美味しいごはん。
大好きな先輩夫婦とケラケラケラケラ笑いながら
過ごした日々は本当に一瞬で
あっという間に帰国の日を迎えてしまった。

帰りの飛行機。
旅の思い出を振り返りながら
ホッとひと息ついた時、
なんだか気持ちがすごく楽になってることに
気がついた。

色んなことから物理的に距離を置いて
自然に癒されながら
美味しい食事を頂いていたら
気づかぬうちに心が整理されていたみたいで
気持ちも前向きになっていた。

ノイズに飲み込まれてしまいそうな毎日から
距離を置いて自分自身を解放してあげることで
また歩き出そうと思えるのかもしれない。

今まで旅は誰かと行きたい方だったけれど
ひとりで行く旅もいいなと心から思えた。
そのきっかけをくれた
先輩夫婦には感謝の気持ちでいっぱいだ。

#わたしの旅行記

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