凪
無いものねだりとはよく言ったもので、私の内側はこの一年間ずっと大時化だ。
どんな大きな船も飲み込んでしまいそうな、ブラックホールのような有り様だ。
凪いだ海で漂いたい。静かに暮らしたい。
でも私の海は、私を爆心地にして荒れている。近付くものは何でも飲み込むのだろう。
寂しくて、苦しくて、痛くて、悔しくて、ただ。
あぁ、愛されたいな。
生きていてもいいと、生きていて良かったと思えるように。
私はきっと、まだ心のどこかで男という生き物を憎んでいるんだろうな。
救いのない物語は、いつ終わるんだろう。
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