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QOLを爆上げする煮込み料理に挑戦してみてください #シェフレピ

インハウスエディター(社内編集者)として参加している「シェフレピ」の月替わりのライン「シーズナル」が11月1日にニューリリースになりました。

今回のコースは「煮込み」です。

動画付きスタディ型ミールキットサービス「シェフレピ」が提供する月替わりのコース「シーズナル」の11月販売分のテーマは「煮込み料理」です。
 フランス南西部の豆と肉の煮込み「カスレ」や、スペイン・バスク地方の塩鱈を使った煮込み料理「オマール海老と塩鱈のアホアリエロ」、ラムシャンク(骨付きスネ肉)のスパイス煮込み「スモークしたラムシャンクと豆煮込み」の3キットを11月1日(月)から販売を開始しています。
 寒い冬にぴったりな現地そのままのレシピから、多国籍なフュージョン料理まで3名のシェフの個性が光るレシピとミールキットをお届けします。

all photos by Ryo Ishigami

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オマール海老と塩鱈のアホアリエロ|清水和博(エチョラ)
¥6,800/ 2人前 ※ 写真は1人前です

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スモークしたラムシャンクと豆の煮込み|福田浩二(プルマン東京)
¥7,900 / 2人前

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カスレ|亀井 健(カメキチ)
¥8,300 /4人前 ※ 写真は1人前です

料理の基本技術が詰まった「煮込み」

シェフレピとしては、サービス初回のテーマが「煮込み」だったので、今回で2度目の特集になります。

一度やったテーマをまたやって、シェフレピもネタ切れか?」なんて思われるかもしれないのですが、あながちなくもなかったり……(笑)。それよりも、最初のサービス黎明期から僕らもいろいろな経験をして学んだことを、もう一度ぶつけてみたいというのと、やっぱり煮込み料理って料理をするうえで基本だと思うところがあったからです。

たとえば「煮込み」といっても、食材を炒めてから煮込むのか、炒めずに煮込むかでは、出来あがりがずいぶん違いますよね。肉や野菜を炒めてから煮込む肉じゃがのようなものと、炒めずに煮る寄せ鍋は、味わいがずいぶん違いますよね。

肉じゃが炒めた肉や野菜のうま味が煮汁に溶け出し、コク深いうま味が生まれています。一方、寄せ鍋は、もっとうま味がクリアで、コクというより、それぞれの素材のうま味が重なっているイメージです。

煮込む時間も、素材によって違います。タマネギ、ニンジン、ジャガイモそれぞれの食材を知らないと、どの食材が先に煮上がるかはわかなかったりもします。

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もうどれも一緒だから適当に煮込んじゃえ」でももちろんいいんですが、シェフレピに出てくださるシェフのみなさんの作り方を見ていると、煮込み料理といえども、食べるときに食材の良さが伝わるように、切り方を変えたり、煮込み始めに時間差をつけたりとさまざまな工夫をされています。

煮込み中をみても、ただぼーっと煮込んでいるわけではなく、水分量を見ながら火加減を変えたり、仕上がりのイメージにあわせて使う鍋を変えたりと、本当にさまざまなことに気を配って調理をしています。

そういう点をみても煮込み料理は、「道具を選ぶ」「食材を切る」「食材を加熱する(炒める・煮る)」「火加減を調節する」「うま味を作る」「味付けをする」という料理の基本技術が詰まった調理法だと思うのです。

そして、炒め物などのように瞬間的に作る料理とは違い、作るのに時間はかかりますが、一度多めに作っておけば、ある程度日持ちもするので何度も食べることができます。さらに、ご飯やパンといった炭水化物系の主食とも相性がいいというのもあり、QOL(quality of life、生活の質)を大いにあげることもできる点も、多くの方に今一度感じてもらいたいと思ったのです。

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おいしい」に生きる人類の叡智

ちょっと話はかわるのですが「土器」について。

人類が「」を使うようになったのは、55万年前の中国、北京原人だったといわれています。火の利用で、それまで葉や木の実、動物などを生で食べていた人類は、加熱することで食物を消化しやくすくさせ、毒性のあるものや殺菌が必要なものも食べられるようになり、進化を遂げます。

火の誕生は、調理の誕生でもあると思うのですが、それ以上に「土器」の誕生は、調理を進化させて食卓を誕生させたのではないかと思っています。

土器が発明される以前の世界では、食べ物は生か、焼くか、穴を掘って水をためた中に焼け石を水に入れて温度を上げる程度の方法しかありませんでした。

土器によって「炊く」ことや「煮込む」ことが可能になり、いままで食べられなかった固い食物を柔らかくする調理が可能になりました。食べられるものが多くなって、生存率が飛躍的に高まったはずです。

そして、何より調理道具が生まれたということは、台所(キッチン)が生まれた証しであり、そこには狩猟から農耕へ、移動から定住へというライフスタイルの変化も見えてきます。

そんな人類史を考えていると「煮込み」という調理法ほど、人類が叡智をつめこんだ調理法はないのではないでしょうか。煮込み料理のレシピには、人が集団で生きるなかで、おいしい食べ物を食べて会話をしようという意図すら感じます。

煮込みには、「おいしい」に生きる人類の叡智があると思うのです。

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塩漬けでうま味を作る

今回の煮込み料理では、狙ったわけではないのですが、「塩漬け」というのが3品を通しての共通テーマになっていました。

レストランで煮込み料理を作る場合は、骨や端肉などを野菜といっしょに長時間煮込んででとった出汁を煮込みのベースにします。しかし、家庭ではなかなかこうした出汁を大量にとることはできません。

シェフレピでも、レストランのメニューを家庭で再現する上での課題の一つがこの出汁の部分なのですが、毎回この出汁にかわるうま味をどうつくるかがシェフの頭の悩ませどころになっているわけです。

今回の3名のシェフは、それに対する一つの方法として塩漬けにした肉・魚を使うことで解決しています。

清水シェフ「アホアリエロ」なら塩ダラ、福田シェフの「スモークラムシャンク」は、ブライン液につけてから燻製。亀井シェフの「カスレ」は、塩でマリネしてからコンフィ(油煮)。塩漬けにしてうま味を引き出したものを使うことで、出汁を使わずにうま味を作ろうとしているのです。

このあたり、料理は違うのですが、3者3様のうま味へのアプローチの仕方は、とてもおもしろいので、ぜひ3品作ってみてほしい! わけですが、なかなか1カ月で3品作るのは難しいですよね。。。無理なき程度に挑戦してもらえたらうれしいです。

というわけで、11月のシェフレピ「シーズナル」の3品もよろしくお願いいたします。

▼シェフレピ プレスリリース


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