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Grim Dawnのレビュー・感想

Titan QuestでおなじみのIron Lore Entertainment社の元社員たちが立ち上がったCrate Entertainmentによる作品で、今のSteamでは多分Path of Exileの次に、同時接続数が二番目の高い見下ろし型ハクスラです。

リリースは2016年だけど、今でもアプデやコンテンツが追加されていて、公式も続編がリリースされるまでこっちの開発をし続けるつもりと言ってたので、2021年でも現役でまだ戦える作品だと思う。

システム自体はTitan Quest(以下TQ)を引き継いで、TQでは不評だった部分を改良したって感じだから、実はTQからそんなに変わらなかった。特にTQのAnniversary Editionは本作と同じ年にリリースされたので、グラフィックまでデジャヴがある。
なので、TQとの繋がりがなく、世界観が全く違う本作はごく一部のユーザーに「Titan Quest2」と呼ばれたそうです。


まずは見下ろし型ハクスラとしてのシステムだけど、いわゆるDiabloライクで、ダブルマスタリーというクラスシステムを採用されてる、まぁつまりTQと全く同じですね。
前作と一番変わったのは、スキルの効率や性能の調整です。

前作では、大体のクラスは通常攻撃やその代替スキルをメインにして、オーラ系とパッシブスキルでそれを強化させ、終始左クリックにスロットしたスキルで攻撃するだけのゲームだったけど、今作の攻撃スキルは大幅強化されたので、ちゃんとメイン攻撃になれるように調整された。
特に攻撃スキルを左クリックにスロットした際に、スキルがクールしてる時はちゃんと普通攻撃で攻撃してくれるから、TQではなかったやり方もできるようになった。

そして序盤の難易度も結構下げた。
TQでは序盤のレベルがなかなか上がらなくて、Act 1はすごく苦痛だったけど、今作は全然大丈夫だった。目安として、TQのAct 1はクリアする時におよそレベル14前後に対して、本作はレベル24前後です。

レベルはスキルポイントの数を影響してるから、スキルの強さはもちろん、アンロックできるスキルの数も多くなったため、序盤からそれなりに多彩な攻撃手段を確保できる。
そのため、前作ではまだ敵を一つ一つで倒さないといけない頃だったけど、本作ではすでにAoEで敵を一掃することが出来て、爽快感があった。

ステータスの振りも前作のレベルごとに2ポイントから1ポイントとなり、ちょっとだけ簡略化した。


アイテム関連についてだが、TQではポーションやお金を拾うために、拾うキーを押す必要があったけど、本作は近付けば自動的に拾うようになったり、TQにはなかったアイテムフィルターが実装され、画面がいらない装備に埋め尽くされることが改善された。
あとは装備のレアリティの種類も減ったので、本作は簡単に色でレア度を確認することができた。

ファストトラベルは大体前作と同じだけど、飛べるポイントは増えた上、本作では死亡したとしても、プレイヤーが開いたポータルが消えないようになったため、ボスや高難易度のコンテンツを挑戦する際に、前作のような死んではいけないというプレッシャーがなくなった。


しかし、TQから改善されたところが結構あったものの、全く改善されてないか改悪された部分もある。

まずはダメージソースの種類です。
TQではすでに面倒と感じるほど、ダメージのタイプが多かったのに、今作は既存のタイプだけじゃなく、新しい属性の追加によって、耐性を持つ属性は10つまで増えた、しかもほぼ全属性に専用のDoTダメージを持ってるため、ダメージタイプは18種類もある。

ハクスラに慣れてない人はもちろん、経験者でも困惑するくらいの数だから、はっきりいうと面倒すぎる。
例えば、今火属性ビルドのキャラを作ろうとしたけど、ランダム数値を持つ装備を掘る時に、まず火属性の強化となる可能性はおよそ9分の1で、運がよく火属性であっても、他の能力値が使えるかどうかわからないから、想像しただけで吐きそうになるんでしょう。

ぶっちゃけ、PoEの経験者から見ると、この18つのダメージタイプは、半分くらいPoEのカオスから細かくしただけのようなもので、そんなに面倒な仕様にする必要はまったくないはず。


TQではすでに存在していたクエスト関連の問題だけど、結局本作も改善されてなく、しかもマップが広くなったせいで、結果的に悪化してる

本作もMMOのような「!」がついてるNPCからクエストを受けるクエストシステムを採用してるけど、前作と同様、目的地はクエストログに書かれ、目標に近付けばミニマップに「★」が表れるだけで、世界地図やマップに目的地を書いてない仕様になってる。

基本一本道の前作ですらしんどいと感じてたのに、今作のマップは前作より広く、しかも結局出口は一つしかないのに、道中にいらないほどの分岐がある、無駄な探索をやりたくないとしても、後述の星座システムのこともあって、結局マップを埋めないと行けないから、この点に関してははっきりいうと前作より改悪です。

星座システムについてですが、要はマスタリーとは違い、祈祷ポイントでキャラを強化するシステムです。
ステータスのボーナスだけじゃなく、受動スキルもあるため、星座を完成させるとすごく強力だけど、祈祷ポイントはマップのどこかにある祠で回収する必要があるため、とりあえずマップを隅から隅まで探さないといけないから、攻略サイトを見なければ100%回収はほぼ無理だと思う。

しかも、スキルポイントとは違い、DLCを入れてない場合では星座に振ったポイントをリセットできないため、一回ミスしたらほぼ即死という仕様になってるから、実はこのシステムあまり好評ではない。

一応、全DLCを入れたら星座のリセットができたり、祈祷ポイントの回収も祠以外の手段が追加されたから、問題はやや緩和されてる、それでも星座システム自体はマスタリーの組み合わせより複雑で、すごく面倒だと思う。


ストーリーについてですが、まぁ要約すると世界は宇宙人に侵入される同時に、地中に潜んだクトゥルフ的な神も地面を侵略し始め、おまけにエルドリッチ界の神も復権しようとしてるという人間にとって、もう死ぬしかないじゃない世界で生き残るために、周りにいる脅威を取り除き、旅をする物語だけど。
よく考えると、一応周りの敵は倒されたが、侵略の源は全然触れてないから、はっきりいうと全体的に何も解決してないことになる。

ぶっちゃけここまで「終わってない」ハクスラは初めてで、まるでDiablo2でAndarielを倒したらゲームが終わったみたいな感じがあって、結構虚無でした。


まとめに言うと、本作はシステムや仕様さえ理解していれば、ゲームとしては結構面白いと思うけど、とりあえずシステムは面倒くさいです。

マルチは前作から進化してて、ドロップが共通しないように選べる、マルチでやっても損はない仕様になったため、ここは確実にTQより改良されたところだ。

それにDLCの導入で、エンドレスタイプのコンテンツも実装されたので、とりあえず、一人でもマルチでも楽しめる作品になったため、買って損はないと思う。
ただ、この作品はSteamセールの常連で、しかも本体70%オフ、DLC35%オフという安い値段だから、買うならセールを待つべきだと思います。

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