歴史の学習について(7)

前回、筆者は特に朝鮮史、満洲史、に興味があると申しました。しかし、困ったことに、それらのまとまった、評価の定まった、歴史解説書、って言うものが存在しないのですよ。おぼろげながら見えてきた理由は

1. 政治的立場で日本の評価が大きく異なる

左寄りに見ると、日本が朝鮮や中国を侵略し大きく人的・経済的損害を与えた、となるし、右寄りに見ると、日本は欧米列強の食い物にされるのを阻止して彼らの近代化を助けた、となるわけです。

起きた事実を、エビデンスの存在するものだけで淡々と並べて論じる必要性も感じますが、外国からそう言うことするのには無理があることも理解できます。

2. 中国や朝鮮を1つの国と捉えて一本の歴史で語るには無理がある

中華人民共和国として1つの国にまとまったのは戦後、国民党と共産党の内戦の結果ですし、その結果国民党が逃げ込んだ台湾は別の国です。もちろんそれに至るまで、古代から群雄割拠して政権を取ったり取られたり、分裂したりまとまったりを繰り返していますから、地域を固定して政権の興亡を追うか、政権や民族の興亡を追うか、で見方は当然違ってきます。

同じことは朝鮮についても言えますし、そもそもまだ南北が分裂したままでイデオロギーが違うので歴史に対する向き合い方は当然違います。「反日」は同じなんでしょうけど。

あとは民族の問題です。日本はアイヌ等先住少数民族もいますが日本全体の政権を取ったことはありません。が、中国はモンゴル人が政権を取って元を設立したり、女真人(のちの満洲人)が清朝を立てたりしてるわけです。ウイグル、チベットなどは中国全体の政権は取ってませんが、一大勢力であることは間違いなく、自治区の扱いです。

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学校で学ぶ歴史は古代ギリシャに始まる西洋史から見た世界史、東洋史、日本史、です。今では、世界史はモンゴル帝国から始まる、と言う見方もあるし、そもそも現代の国家や政治体制を前提に過去を類推する歴史を見直す運動?、グローバルヒストリー、なんて言う言い方もあるようで、今後世界史の捉え方はどんどん変わっていくと考えています。

今日はここまで

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