トンデモを危惧する故に…

従来の医療などを否定して無根拠な民間療法的なものに人を誘導するトンデモ医療やニセ科学を危惧するあまりに視野狭窄に陥ってしまうケースもあるのではないか?とここ最近考えてしまう事がある。
トンデモの例としてアトピー性皮膚炎の治療に用いるステロイド治療薬は毒だ!といいこの〇〇が良いよと言って無根拠な治療法に誘導したり、このサプリメントを飲めば病気が治るよとネットワークビジネスをやっている人らが商品を買わそうとして来る等、許されない行為ではあるが何でもかんでも危険視をしすぎてしまうのも、視野狭窄に陥っているのではないか?と思う事もある。
(WELQ騒動やリタリコ社の発達ナビ等でもそれらの誘導が問題になっているけれど…)

トンデモやニセ科学は標準医療から引き離されお金も労力も吸い取られると言う膨大なリスクがあるので、そういったものへ騙されないように呼びかけるのも大事だとは思うが、中にはトンデモ医療やニセ科学を否定する人の中にはそもそも医療に全く関心のないようなクレーマーも多く存在しているのではないか?と言った点を忘れてはならないように思う。
結局な所、専門家でも無いクレーマーがこれはトンデモだから危ない!とやみくもに決め付けたりするのは、ステロイドは危険だ!と言ってトンデモ医療等に誘導する人と視野狭窄の点では本質が変わらなくなってしまっている事だって充分ありえるのではないのか?と思ってしまう時が最近はちらほらあるように感じる。
例えば、心理カウンセリングの料金が標準料金(大体の相場通りであるのに)をきちんと調べないのに怪しいと決めつけて、ネットワークビジネスの洗脳と同じようなものと決め付けるような事や体の健康管理のための免疫力を付けるという行為は健康状態が良好な人には良い健康管理であるであるのにも関わらず、免疫力って言葉は胡散臭いからとかトンデモだからとか最初から決めつけていては健康管理そのものへ偏見が生まれてしまうのではないか?

そうして、しまいにはそれらは”批判する奴が強い”と言う風潮が生まれ批判することで優位性を感じてしまう人が居るのではないのかといった問題と出てくるように思うこともしばしばある。
例えば、心理カウンセリングならきちんと指定の大学院を卒業して臨床心理士の資格を取得しているか、とか医療機関からの紹介など受けた方が良いのかと言った点をきちんと知識として調べておく方がやみくもな批判よりも大切であるように思う。

批判する奴が強い状態に慣れきってしまうと、カウンセリングをたまたまもう必要ないと判断して通わなくなった人に「洗脳から溶けたんだね!おめでとう」なんて言ってる人が居たらどう思うだろうか?少なくとも私は相手の尊厳を傷つけてしまうように感じる。
ただ、合わなくなって辞めた人にも同じような物言いをして、否定されると、「ネットワークビジネスに洗脳されてる人ってこれはねずみ講じゃない!マルチレベルマーケティングって言って~って言うんだよね」(ネットワークビジネス関連はこのような発言は確かに多いけど)と同じような扱いをしすぎてしまうのもマズイと思う。
批判してるやつが正しく優位性を保っているとなるならば、誰でも洗脳された人扱いになってしまうと言うのも何だか怖い話である。

食事バランスで健康管理をしているだけなんですけど…とか思う人が出てくるのも無理はないように思う。
発達障害関連の本を読んでいると発達障害の診断が降りた途端、ただの少し変わっている人だったのがお前は間違ってるんだから変えろと言った変な宗教に洗脳された人みたいな扱いを受けているみたいでショックを受けたと書いているケースもあるので、相手にも尊厳があるし、人権侵害にならないかを考えて危惧しなければならないように思う。

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