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自分と他人の世界の交わるところ

セルフレジが好きだ。

最近は、会社で食べるお昼ごはんを買うためにコンビニに行くことが多くなった。セルフレジが3台くらいあって空いているからだ。

有人のレジはいつも人が並んでいるが、セルフレジのほうは並ばずに会計できることが多い。現金は使えないことが多いが、最近はキャッシュレスで決済することが多いので特に困らない。

有人レジではお金を出すときにもたもたしていたり、店員さんがあっという間にスキャンし終わってしまって、なんだか変な間ができてしまうのも気まずい。セルフだとそれらが全てないのがいい。

ただし買うものの量が多いときは、逆に有人のレジのほうが早いと言うこともある。例えばそこにベテランのスタッフさんがいると、ものすごい速さでレジ打ちをしてくれる。

たまに見かける、ものすごい技を持った人を見ることができなくなってしまうのは、セルフレジが普及することのマイナス面でもある。

接客業をしていたとき、私もレジを打つ機会があった。最初は慣れなくてモタモタして、ずいぶんとお客さんをイライラさせた。でも慣れてくると楽しかった。手を動かしながら、頭もフル回転させて、何をどういう順番で処理していけば効率がよいのか考える、一種のゲームのようだった。

今後はきっと、なんでもセルフになっていく。偶発的に生まれる、知らない人との会話や交流が減っていく。自分から求めなければなくなっていく。

私にとってそれは楽になることもあるけれど、同時に「同じ宿に泊まっていた子と仲良くなる」みたいな経験を大事に思っているので、それは忘れたくない。自分の世界と他人の世界の、ほんの少し重なり合う部分を見つけたい。