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今週のまなび(京都旅編) 4月11日から4月17日

残念ながらまたも1週間飛ばしてしまった「今週のまなび」です。
今週(4月11日〜4月17日)は福岡にいたり、京都にいたりしました。

特に京都では京都国際写真祭が開催されていて、いくつか会場を訪れたので、そんな学びをお届けします。

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まずは京都市美術館別館で開催されていたアーヴィング・ペンの展示から。
アーヴィング・ペンはファッションポートレートの超大御所写真家で、ファッションだけでなく、当時のアメリカの著名人、街や地方で生きている一般の方々のポートレートなども撮影していて、私にとっては「ポートレートのレジェンド」という人です。

いままで図書館などで彼の作品集を眺めるだけで、いつかはプリントも見たい!と思っていました。というのも、彼の時代的にモノクロのポートレート写真なのですが、見ていると情景が浮かび上がるようなモノクロなのだけどカラーのような情報量があってすごいんですよね。

またすべての作品がペン自身のプリントによることも、特筆すべき点である。ペンの作品の豊かさや多様性だけでなく、そのプリントメーカー(現像技術者)としての驚異的な技術にも触れることができる貴重な機会となる。

京都国際写真祭HPより

と、書いてあるように、彼はプリントの技術もとにかくすごい…ということで、いつかは生のプリントを見てみたいと思う写真家さんの1人だったので、これはチャンスとまず最初に訪れました。

展示のなかで個人的に好きだったのは、ピカソとジャコメッティとカポーティのポートレート。

写真は撮影OKです

3人とも人柄が滲み出るような表情をしていて(ジャコメッティは彼がつくる作品のようなたたずまい)、すごく好きです。
とくにピカソの写真は実際に見ないとわからないですが、服の黒が美しすぎて…黒のコートの質感が分かるくらいの描写力ですごい…となってしまいました。

最近の日本のSNSで流行っているフィルム写真はボケていて荒い写真が懐かしくてエモいなんて言われて人気ですが、わたしはやっぱりバシッとピントが合っていて解像度が高い(というのかな?)、黒がはっきりかっこよくキマっている写真が好きだなぁと思いました。

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次は「イサベル・ムニョス×田中泯×山口源兵衛」の展示

こちらはもう圧巻の作品たちでした。

田中泯さんの被写体力がすごいのはもちろんなのですが、プリントもサンゴのかけらでプリントをつくっているものは立体感があって、光の加減で写真自体の様子も変わって面白いなぁと思いました。

また、「プラチナ(金)でプリントしているので500年も残る写真でとても高価な作品なんですよ〜」なんてスタッフさんに教えてもらった写真はたしかにチープな要素は一切なく、こういう何百年も残ることができる写真というのが「やっぱり写真っていいな〜」て改めて思いました。

写真は撮影OK

また、会場が誉田屋源兵衛 黒蔵、奥座敷という蔵がギャラリーになっていて、その展示方法もとても面白かったです。

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最後はHOSOO GALLERYで開催していた「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」

TRANSITという旅の雑誌で撮影をされている稲岡亜里子さんという写真家さんがずっと好きで、彼女も展示されているということで見に行きました。

会場では東京都写真美術館で展示を見たことがあった岩根愛さんの作品を再び見ることができたり、𠮷田多麻希さんという写真家さんの作品のコンセプトなど10人10色とはこのことかというくらい、それぞれ個性があって面白かったです。

また、その個性というところで見ていくと、彼女たちの哲学とか考え方を撮影方法やプリント技術、展示方法で表現してる感じがしました。以前から現代写真家の方たちの作風が何を撮るかより、どう表現するかに重きを置いているように感じてはいて、この会場では彼女たちの個性や作風が作品展示によってさらに見応えを増しているのと、私たち受け取る側もとても心揺さぶれる仕掛けになっているなぁと思いました。

余談ですが、稲岡亜里子さんは京都の老舗そば菓子屋さんをお継になっていて、京都駅の駅ビルにそのお菓子が販売されていることを知って、せっかくなのでそば饅頭を購入しました(美味しかった!)

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あと、友人におすすめされた河井寛次郎記念館がとてつもなくよかったです!

民藝の世界にどっぷりつかれます。

こういうの見ちゃうと、小手先でつくった世界観がいかにチープなものかをひしひしと感じてしまいますよね…
ほらよくあるじゃないですが。ちょっと建物の裏を覗くといきなり現実に引き戻されるような経験。それがまったくないくらい隅から隅まで民藝の世界なんですよね。(もともとアトリエだからなのでしょうが)
「世界観をつくる」なんていう言葉をクリエイティブでもSNSの世界でもよく聞きますが、これくらい振り切った本物が圧倒的存在感で立ちはだかるといやはや言葉を失います。

お寺など有名どころの観光じゃないところを訪れたい人に河井寛次郎記念館はおすすめです。

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最後に、京都の宿泊場所はHOTEL SHE, KYOTO

わたしの写真展でも被写体になってくれた龍崎翔子さんのホテルです。

ここはフィルムでも写真を撮ったので、現像ができたらアップしようと思ってます。

やっぱりこちらでも感じたのは、没入しちゃうような世界観ってこういうことだよなってこと。内装だけでなく、銭湯からのアイスクリームだったり、レコードだったり、世界観に入るって見るだけじゃないんだよなっていうのをとっても感じました。

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そんなわけで、写真展でも観光でもホテルでも「世界観」とはをじっくり見つめて向き合えた旅となりました。
そろそろわたしも自分の作品づくりに取り掛かりたいなぁと思っているところなので、この京都の旅はいろいろと考えていたことが深まる時間となりました。

今週はこんな感じ!
(いまさらポケモンダイパに手を出し始めました)

最後まで読んでいただいてありがとうございます。写真展が続けられるようにサポートしていただけるとありがたいです…!